2010年05月06日


JSPの前10年3月期連結業績は減収ながら大幅増益を達成
■ITと自動車関連の回復が早かった事と生活関連製品の価格安定による
大手発泡製品メ−カ−であるJSP<7942>(東1)は、4月30日に前10年3月期連結業績を発表すると共に同日同社本社で決算説明会を開催した。前10年3月期連結業績は、売上高815億9700万円(09年3月期比15.5%減)、営業利益56億8500万円(同110.4%増)、経常利益55億4000万円(同99.4%増)、純利益32億900万円(同134.9%増)と減収ながら大幅増益を達成した。
代表取締役社長井上六郎氏は、「昨年1月の予算策定時は、不況の真っただ中で、IT回復の期待は薄く、しかも石油は高含みで安定するだろうと思っていました。この時期赤字もありうると思っていました。しかし、良い意味で外れました。その頃原油価格は1バーレル当たり60ドルで安定し、原料と製品の価格差が比較的良かった。しかし、諸経費低減、及び、全体的なコスト削減を推し進めました。ところが、思ったよりITと自動車関連の回復が早かった事と生活に関連した製品の価格が安定していたことから、国内の売上が少し高まりました。一方、海外事業は前半低調でありましたが、後半から欧米が回復してきました。地域別に見ると、米国は昨年1月から6月は深刻でしたが、7月以降徐々に回復し、後半より黒字化しました。自動車の後部座席向け製品の採用等があり伸びました。欧州は減収であった。今後収益は拡大する方向にあります。アジアはまだら模様です。中国については、価格競争が激しくなっています。量は増えているので、設備投資も視野に入れています。国内の売上は微減でありましたが、収益は計画より相当良かった」と前期の業績について振り返った。
■日本での売上高9.9%減、営業利益は136.8%増
その後、取締役執行役員山本均氏より、決算報告が行われた。前期業績は、大幅増益となったことで、財務体質は大幅に改善し、自己資本比率は初めて50.1%と50%を超えた。また、現金及び現金同等物は90億6900万円と25億1400万円増加。配当も好業績であったことに加え、上場20周年を迎えたことで、年19円(09年3月期14円)とし、5円の増配を実施した。
事業別売上高、営業利益を見ると、シート事業252億円(同5.7%減)、26億4300万円(同89.0%増)、ビーズ事業444億5600万円(同21.6%減)、44億5200万円(同52.1%増)、ボード事業73億8400万円(同3.7%減)、8億500万円(同73.2%増)、その他事業45億5500万円(同16.0%減)、△2億3300万円(同△2億4100万円)。
所在地別セグメント毎の売上高、営業利益は、日本609億6900万円(同9.9%減)、56億4000万円(同136.8%増)、米国72億2100万円(同25.5%減)、1億6300万円(同136.8%増)、欧州63億2900万円(同36.3%減)、4億9300万円(同42.4%増)、アジア70億7500万円(同23.2%減)、13億9000万円(同18.1%減)。
尚、海外売上高は206億6600万円(同28.5%減)。全体の売り上げに占める割合は25.3%で、09年3月期比で4.7ポイント減少。
今期の事業環境の見通しとして、同社では、米国、欧州は穏やかに景気回復に向かうと見ている。また中国をはじめとする新興国では力強い成長がなお続くと予想している。一方国内は内外需の低迷、政策効果の牽引力低下を背景に自動車・薄型テレビも景気押し上げ効果は減衰し、同社の主要製品である家電製品用包装材や自動車用緩衝材の販売数量は下回ると予想している。
今11年3月期連結業績予想は、売上高830億円(前期比1.7%増)、営業利益43億円(同24.4%減)、経常利益44億円(同20.6%減)、純利益28億円(同12.8%減)を見込む。
今期業績予想は、前期通り堅めの予想である。
30日の株価は、前日比1円安の1110円で引けている。1年間を振り返ると下値を切り上げる右肩上がりのチャートを形成し、1200円を付けた後調整局面が続いているが、PBRは0.82倍とまだ割安であることから、再度上昇トレンドが予想される。

