2013年02月18日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

イワキ:前12年11月期は、医薬品事業が営業利益ベースで黒字化


■売上高は計画を下回るが、利益面では上回る

 医薬品原料、医薬品卸のイワキ<8095>(東1)は、100周年を迎える2014年11月期時点のあるべき姿を目指した事業基盤、事業規模の強化拡大、次の100年に向けた更なる成長を目指した収益構造改善を基本戦略として3カ年の中期経営計画(12年から14年)を立てている。

 事業戦略については、医薬品事業の収益改善による事業基盤の強化、重点事項である医薬品の原料販売のシェア拡大を目指し、事業ポートフォリオの最適化に取組んでいる。

 収益構造の改善については、重複業務集約による業務品質向上・効率化を推進する一方で、設備投資による生産体制の効率化に取組んでいる。また、グループ資金の効率的運用も進めている。

 その結果、初年度である12年11月期の目標は、売上高530億円、営業利益11億円、純利益7億円であったが、実績は、売上高519億円(計画比2.0%減)となったものの、営業利益11億20百万円(同2.4%増)、純利益7億30百万円(同5.6%増)と計画を上回る結果となった。

 しかし、2年目である13年11月期は同社グループを取り巻く環境が引き続き厳しい状況となるため業績目標を修正している。

■ジェネリック医薬品が薬価改定の影響を受けたものの販売数量が増加

 12年11月期の成果としては、医薬品事業の営業黒字化の達成が挙げられる。その主な要因は、ジェネリック医薬品が薬価改定の影響を受けたものの販売数量が増加したことである。更に子会社である岩城製薬の共同開発・製造受託が好調であったことが収益改善に大きく寄与した。また、一般用医薬品の卸売りについては、自社企画のPB商品の投入により収益が改善したことも挙げられる。

 医薬品原料については、ジェネリック医薬品の輸入原薬開拓のため社内体制の整備を実施した。医薬品原料は提案から販売までに数年の時間がかかるので、まだ業績には影響していないが、輸入原薬の開発専任プロジェクトを設置し、海外サプライヤーとの連携強化による提案活動を開始している。

 化成品事業については、メルテックスグループが海外戦略を重要な施策としている。そのため海外拠点の整備を進めてきている。その結果、2012年6月に中国の天津に販売拠点を設置し、現地法人を設立した。また、同年8月にはタイのバンコクに製造拠点となる現地法人を設立し、今年の秋の稼働に向けて製造設備の建設を進めている。

 収益構造の改善については、岩城製薬では、安定供給に向けて生産効率の見直しを実施した。また、一部の子会社では、管理業務を親会社のイワキに集約することで、重複業務を削減することが出来た。

■化成品事業では、タイ王国で製造拠点を確立し、今秋に稼働

 今後の取組みとしては、医薬品事業の収益改善、医薬品原料事業のシェア拡大、化成品事業(メルテックスグループ)の海外展開、食品原料事業の新規取組みの4つを掲げている。

 医薬品事業の収益改善については、ジェネリック医薬品の拡大に向けた情報提供・営業活動の強化を進める。一般用医薬品では引き続き自社企画によるPB商品の開発に注力することで収益の改善を図っていく。

 医薬品原料事業については、安定供給および生産量の増強に向けた生産設備の増強を推進する。

 化成品事業の海外展開については、タイ王国で製造拠点を確立し、今秋に稼働する計画。更にアジア諸国における販売拠点の設立の検討を行い、今期中にはある程度の目途を付ける方針。また、自社品比率向上へ向け、コネクター用金めっき薬品の新製品を投入する計画。

 食品原料事業に関しては、新たな取組みとして、インド企業との連携による新規輸入原料の拡充に注力するとしている。サプリメント原料については、営業を強化すると共に自社原料の提案強化を推進する。

 以上の取組みを行うことで、今期13年11月期連結業績予想は、売上高532億円(前期比2.4%増)、営業利益9億円(同20.1%減)、経常利益9億80百万円(同24.8%減)、純利益6億円(同18.9%減)を見込んでいる。

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