2014年4月4日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

パイプドビッツ:14年2月期業績は2ケタ増収大幅増益


■売上高利益ともに過去最高を達成

 情報資産プラットフォーム事業を展開するパイプドビッツ<3831>(東マ)は、4月1日に東証で前14年2月期決算説明会を開催した。

 14年2月期連結業績は、売上高25億17百万円、営業利益5億64百万円、経常利益5億65百万円、純利益3億42百万円となった、前年の単体の業績と比較すると売上高12.6%増、営業利益72.4%増、経常利益74.3%増、純利益83.8%増と2ケタ増収大幅増益。

 売上高の推移をみると、10年2月期11億40百万円、11年2月期13億27百万円、12年2月期17億88百万円、13年2月期22億35百万円、14年2月期25億17百万円と順調に拡大している。

 営業利益については、10年2月期2億46百万円、11年2月期2億44百万円、12年2月期2億27百万円、13年2月期3億27百万円、14年2月期5億64百万円と、12年を底に13年より増益に転じ、14年は大幅増益で過去最高益を達成した。

 14年2月期にはセグメント区分を変更している。これまで情報資産プラットフォーム事業、メディアストラテジー事業、EC運営事業の3事業に区分していたが、14年からは情報資産プラットフォーム事業、広告事業、ソリューション事業に変更した。

 セグメント別の売上高、利益を見ると、情報資産プラットフォーム事業売上高21億74百万円、セグメント利益5億70百万円、広告事業売上高1億4百万円、セグメント利益△17百万円、ソリューション事業売上高2億38百万円、セグメント利益12百万円であった。

 有効アカウント数の四半期毎の推移は、第1四半期5,663件、第2四半期6,597件、第3四半期6,793件、第4四半期10,096件と第4四半期に急増している。その要因の一つとして、スパイラルプレースで、無償契約期間が終了し、有償契約に切り替えた件数が多かったことが挙げられる。

 14年2月期は中期経営計画の最終年度であった。中期経営計画の目標数値は、売上高30億円、営業利益7億円、経常利益7億円、純利益4億20百万円、有効アカウント数10,000件。達成率は、売上高84%、営業利益81%、経常利益81%、純利益82%、有効アカウント数101%と有効アカウント数を除き、計画未達で終わっている。しかし、業績は増収大幅増益を達成していることから、計画は下回ったものの事業の拡大は実現している。

 14年2月期の決算説明会の後、同社代表取締役社長 佐谷宣昭氏より「中期経営計画2017」についての説明が行われた。

 「テーマとしては、次世代ITベンダーをビジョンとして掲げています。当社はこれまで14年経過しまして、基本的には時代に合わせて同じサービスを、一歩先、半歩先のサービスをお客様に提案させていただきながら進めてきました。この10年を振り返ると我々の事業は、情報セキュリティという言葉に支えられた事業だったといえます。特に2003年に個人情報保護法が施行されまして、特に企業、自治体、官公庁の皆様が情報を安全に管理しなければならないということで、安全に管理するにあたっては、実績があって、それなりの技術的に優れたセキュリティの高いサービスを採用しようと、大きな時代のポイントだったと思っています。ではこれからの10年については、みなさんは、ビッグデータ、オープンデータということで研究されていると思われますが、これまでは、セキュリティということで、情報を守ってきたという状況でした。ところが、本人の同意を取り付ける形で情報をオープンにして横につないで行って、その情報を有効に使い、場合によっては社会全体のコスト削減につなげていこうという時代だと思っています。そうするにあたっては、当社の主力事業の安全ですよという部分にさらに追加して、横にどのようにしてうまく連携していくのかという形に変えていかなければなりません。そのためには発想を切り替えなければいけないということで、若い社員を採用して、今風の新しいサービス作りを進めていかなければならないと考えています。その様な横のプラットフォームと連携していくということについては、ある程度、これまでの中期3カ年計画でネタ出しはしてきたと思っています。例えば、大幅に取引先を増やしているスパイラルプレース、会計といったものを横につないでいきます。それから建築業界のプラットフォーム、コールセンターで使われるような電話チャネルのプラットフォームを経営の傘下に加え、横につないでいきます。どのようにして、横につないでいくかがポイントだと思っています。その様な新しい事業というものを創出していきながら、さらに高い目標を掲げていきたいと思っています。」と語った。

 中期経営計画では、新規事業の発掘と育成のために、カンパニー制を導入し、M&Aによる事業拡大を目指す。そのために、人材の積極的な採用と育成も行い、今期は数十名の採用を計画している。既に募集を開始しているが、中には90名募集としているところもある。2017年2月期の売上高は14年2月期の3.7倍となる92億円、営業利益は約5倍の28億円を目標数値としている。

 今期15年2月期連結業績予想は、売上高32億円(前期比27.1%増)、営業利益7億円(同23.9%増)、経常利益7億円(同23.7%増)、純利益4億20百万円(同22.6%増)と大幅増収増益を見込む。

 中期計画の初年度としては、物足りない数字のように思われるが、最終年度の業績を達成するために、今期は採用と教育に力を入れる年と位置付けている。

 決算発表と同時に株価が急反発したことは、同社の業績と今後の事業展開を反映したものと思われる。

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