2014年6月2日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

フォーカスシステムズ:14年3月期業績は2ケタ増収大幅増益を達成


■サイバー犯罪対策製品の強化により、官公庁関係が順調に伸びる

 フォーカスシステムズ<4662>(JQS)は、5月30日決算説明会を開催した。

 14年3月期の取組について、代表取締役社長森啓一氏は以下のように説明した。

 「組織間の連携強化として、具体的には、コミュニケーションの強化、協力体制の確立、部門間の人材移動ということが内容となります。一昨年度から取締役3名が本部長を担当することによって、常に全社的視点からの人材移動、そして協力体制の確立が出来たと思っています。良い流れが、一昨年、そして昨年を通じて出来ていることを確信しており、今年度も引き続き推進していこうと考えています。そして、事業の優先順位の明確化については、これは数年後の会社の柱の一つとなる事業の開拓のため、部署毎にそれぞれの方向性を明確にした取組を進めました。例えば、利益率の低いプロジェクトから収益率の高いプロジェクトへの転換をしていく。または、今後、発展、成長が見込める事業への参入を意識していく。更に、リスクヘッジの観点から利益をある程度度外視しても、新規のお客様、または、以前は取引があったが、現在はなくなってしまったお客様へのアプローチなどを意識して取り組むということを、各部署において、それぞれ方向性を出しながら取り組んできました。また、組織間の連携強化、事業優先順位の明確化、営業活動の強化に取組むことで、出てきた環境の変化に対応してきました。更に、当社のビジネスモデルが、現在、経費の9割が人件費ということから、今後そのビジネスモデルをどのように転換していくのかということに関しましては、今後の課題と位置付けています。営業活動の強化に関しては、当社の場合は社員の多くが、お客様のところに常駐する形態のシステムモデルをとっています。そのため、社員の一人一人がフォーカスシステムズを代表していることを認識して、お客様側の社員さんと接していくこと、そしてそこから様々な要望を聞き出すことで、次につなげていく。つまり、特定の社員が営業を行うのではなくて、一人一人の社員が営業をするのだという意識を持ってもらうことが大切であると考えています。以上のことに取組んでまいりました。」と語った。

 このような取組の結果、14年3月期業績は、売上高141億46百万円(前年同期比14.5%増)、営業利益8億87百万円(同102.1%増)、経常利益8億49百万円(同104.1%増)、純利益4億55百万円(同89.0%増)と2ケタ増収大幅増益を達成した。

 同社は、公共関連事業、民間関連事業、セキュリティ機器関連事業の3事業を展開している。民間関連事業では従来の関東圏・近畿圏に加えて、東海圏にも拠点展開して営業を強化している。

 事業毎の前期の売上高は、公共関連事業46億68百万円(同8.3%増)、民間関連事業84億40百万円(同13.1%増)、セキュリティ機器関連事業10億37百万円(同78.7%増)と3事業ともに増収となった。特に、これまで減収傾向であった公共関連事業においては、政府発信の「世界最先端IT国家創造宣言」に基づく公共案件の増大が後押ししたこともあり、増収となった。民間関連は、企業の業績回復を背景にインフラビジネスを中心に受注を増やした。セキュリティに関しては、サイバー犯罪対策製品の強化により、官公庁関係が順調であったことから大幅増収となった。

 今期15年3月期も前期の流れを引き継ぎ、3事業ともに増収を見込んでいる。今期業績予想は、売上高145億円(前期比2.5%増)、営業利益9億円(同1.4%増)、経常利益8億50百万円(同0.0%増)、純利益5億円(同9.7%増)と増収増益を見込む。

 今期の取組としては、予見されるビジネスチャンスをより確実なものとするため、今後数年の事業展開を踏まえ、技術者の採用・育成への投資を行う予定、特に、需要が潤沢であるインフラビジネスをターゲットに、要員の育成に努める。運用業務については、シェアの拡大を目指す。業務アプリケーションに関しては、専門技術への取組を強化する。

 今期も業績は順調に推移するものと予想されるが、株価については、まだ業績を反映しているとはいえず、5月30日の引け値584円で算出する、予想PERは8.0倍(今期一株当たり予想純利益72円22銭で算出)、PBRは0.80倍(前期一株当たり純資産726円46銭で算出)、配当利回り3.42%と割り負け感が強いことから急反発が予想される。

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