2014年2月12日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

クレスコ:第3四半期連結業績は2ケタの増収増益と順調に推移


■ソフトウェア開発事業は全ての分野で増収となる

 クレスコ<4674>(東1)は7日、今期14年3月期第3四半期連結業績を発表した。売上高157億27百万円(前年同期比14.7%増)、営業利益9億69百万円(同15.3%増)、経常利益12億1百万円(同27.2%増)、純利益7億19百万円(同37.0%増)と2ケタ増収増益と順調に推移している。経常利益が営業利益を上回っている要因は、有価証券売却益等が加わったことによる。その結果、最終利益は大幅増益となった。

 同社グループの事業は、ソフトウェア開発事業(金融・保険分野、公共・サービス分野、流通・その他の分野)、組込型ソフトウェア開発事業(通信システム分野、カーエレクトロニクス分野、情報家電等・その他の分野)、商品・製品販売の3事業に大別される。

 ソフトウェア開発事業の分野別の売上高は、金融・保険分野59億51百万円(同12.6%増)、公共・サービス分野34億55百万円(同1.2%増)、流通・その他の分野37億54百万円(同43.0%増)と全ての分野で増収となった。

 組込型ソフトウェア開発事業の分野別売上高は、通信システム分野7億93百万円(同5.5%増)、カーエレクトロニクス分野5億82百万円(同9.4%減)、情報家電等・その他の分野11億35百万円(同19.4%増)とカーエレクトロニクス分野以外は増収であった。

 商品・製品分野は56百万円(同36.1%増)と大幅増収。

 クレスコ単体を振り返ると、ビジネス向けソフトウェア開発については、全般的に受注が改善傾向にあり、中でも特に金融関連が伸びている。スマートフォン、タブレットPC関連のソリューションを展開し、人員を増加した。更に、顧客との共同開発を推進している。

 組込型ソフトウェア開発に関しては、国内メーカー向けのカーエレクトロニクス関連の案件が減少している一方で、近距離無線通信ソリューションを推進している。また、新規顧客の開拓に努めると共に、技術者のスキルシフトに注力している。

 クラウドサービス関連では、様々な用途に便利に使える、クラウド上の「ファイルサーバー」である「インテリジェントフォルダ」を販売しているが、販売法として、ОEM供給モデルでの販売拡大を推進している。一方でプライベートセミナーも開催している。また、クラウド運用を便利にする機能を提供する「クレアージュ」は、サービスのライナップを充実し、販売プロモーションを実施している。

■人材の獲得と協力会社の連携強化、クラウド関連サービスの拡販、新規顧客開拓が課題

 このような中で、現在の課題としては、人材の獲得と協力会社の連携強化、クラウド関連サービスの拡販、新規顧客の開拓を挙げている。

 人材の獲得については、経験者採用を含め、積極的に展開している。また、今期は、プロジェクトマネジメントの強化をテーマにPMP(プロジェクトマネジメントに関する国際資格)の資格取得を推進し、現状80名が同資格を保持している。協力会社については、海外も視野に入れて連携を強化している。

 4月1日には、クリエイティブジャパンを子会社化している。日立グループ関連の案件を中心に稼働は安定していて、グループ会社となったことで、ネットワーク関連の技術を武器にクレスコグループの基盤ビジネスに寄与すると期待されている。また、これまでの労働者派遣型の受注形態を見直し、請負型へ移行することで利益率の向上を目指している。

 第3四半期業績は順調に推移していることから今通期連結業績予想は、売上高220億円(前期比15.6%増)、営業利益14億10百万円(同13.5%増)、経常利益15億30百万円(同8.5%増)、純利益8億60百万円(同12.5%増)と増収増益を見込み、当初予想を据え置いている。

 今後の重要な役割を果たすと思われるのが、一昨年に立ち上げた技術研究所である。この研究所の目的は、1年から2年先にブレイクするであろうと予測される技術の研究開発であり、同社ならではの独自ツールを開発し、新サービスの展開への寄与が期待されている。現在進行中のプロジェクトも複数あり、今後発表されるものと思われる。

 現在、ITは、ビジネスを拡大するうえで、不可欠なツールで、ソーシャル、モバイル、アナリティクス、クラウドといったキーワードは、先進テクノロジーとこれまでの技術の組み合わせによって生み出された提供形態や活用方法のイノベーションであり、企業の経営課題の解決や事業戦略の実現を支える重要なサービスである。特に、モバイル、クラウドについては、同社グループが提供するサービスと親和性が高いことから、今後も案件獲得が順調に進むものと期待される。

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