2013年05月30日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

朝日ラバー:主力のASA COLOR LEDは北米向けの受注が堅調で増収


■スポーツ用ゴム製品、医療用ゴム製品は在庫調整により受注が減少、直近の受注は回復

 工業用ゴム製品の朝日ラバー<5162>(JQS)の前13年3月期連結業績は、売上高47億89百万円(前年同期比4.4%減)、営業利益1億35百万円(同44.3%減)、経常利益1億39百万円(同34.0%減)、純利益76百万円(同5.4%増)と減収大幅減益。最終利益に関しては、法人税が前年より大幅に少なかったことから増益となった。

 売上高に関しては、自動車向け製品の受注が伸びたものの、スポーツ用ゴム製品と医療用ゴム製品の在庫調整により受注が減少した。

 事業別の売上高、セグメント利益を見ると、工業用ゴム事業は37億94百万円(同0.5%減)、2億95百万円(同12.1%増)と減収ながら増益となった。売上に関しては、自動車向けの工業用ゴムは好調であったが、スポーツ用ゴム製品の不振をカバーするまでには至らなかった。利益面については、歩留まりの改善が進んだことにより、増益となった。

 医療・衛生用ゴム事業は9億95百万円(同16.9%減)、84百万円(同59.2%減)と減収大幅減益であった。売上高に関しては、医療用ゴム製品は顧客の在庫調整の影響を受け、減収となった。利益については、減収により大幅減益。

 主要製品の売上高実績と現況に関しては、ASA COLOR LEDは、19億15百万円(同7.1%増)とエコカー補助金の打ち切り、中国での不買運動の影響を受けたものの、北米向けの受注が堅調であったこともあり、増収となった。今期については、足元は順調な滑り出しである。

 卓球ラケット用ラバーは、3億15百万円(同25.4%減)と顧客の在庫調整を受け、大幅減収となった。しかし、在庫調整の影響は前期で終了し、直近の受注は回復している。

 点滴輸液バッグ用ゴム栓や真空採血管用ゴム栓、薬液充填済み注射器向けガスケットなど、使い捨てのディスポーザブル用ゴム製品は、9億60百万円(同17.1%減)となった。要因は、こちらも顧客の在庫調整の影響を受けた。4月以降は回復傾向にある。

■中国の2つの子会社が黒字化、今期14年3月期連結業績予想は2ケタ増収大幅増益を見込む

 連結子会社の状況を見ると、ゴム・プラスチック等に関する研究を行う朝日FR研究所は前年比2.2%の増収ながら、大幅減益であった。工業用ゴム製品の販売を行う米国のARI INTERNATIONAL Corp.は前年比6.9%の減収で、大幅減益と苦戦。自動車向け工業用ゴム製品の販売を行う朝日橡膠(香港)有限公司は前年比10.2%増収で初の黒字化を達成。同じく自動車向けの工業用ゴム製品の製造・販売を行う東莞朝日精密橡膠制品有限公司も前年比61.2%の大幅増収で初の黒字化を達成した。朝日科技(上海)有限公司は昨年6月からスタートしたばかりで、売上はあるが、赤字。中国の2つの子会社が黒字化したことは明るい話題といえる。

 今期14年3月期連結業績予想は、売上高53億円(前期比10.7%増)、営業利益2億50百万円(同84.5%増)、経常利益1億95百万円(同39.8%増)、純利益1億10百万円(同43.3%増)と2ケタ増収大幅増益を見込んでいる。

 セグメント別の売上高は、工業用ゴム事業41億70百万円(同9.9%増)、医療・衛生用ゴム事業11億30百万円(同13.5%増)と共に増収を見込んでいる。

 設備投資に関しては、照明関連事業50百万円、医療関連事業1億90百万円、機能製品関連事業2億60百万円を計画している。

 尚、14年4月よりスタートする新3カ年中期経営計画を視野に入れ、経営体制の若返りを図り、今期より伊藤 潤氏が代表取締役社長に就任する。

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