2013年11月15日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

日本エム・ディ・エム:今期はV字回復の起点となる年


■第2四半期業績は、当初予想をすべて上回る

 骨接合材の日本エム・ディ・エム<7600>(東1)は、11月11日に今期14年3月期第2四半期決算説明会を開催した。

 代表取締役社長大川正男氏は、説明会の冒頭、「今期をV字回復の起点となる年と捉えています」と語った。

 増収となった背景には、ジョンソン&ジョンソン社との独占販売契約の終了をチャンスと捉え、積極的な自社製品開発を推進し、原価率の低減を実現したことと米国子会社の販売が好調に推移していることがある。

 第2四半期売上に占める自社製品の割合は、前年同期の53.1%から73.9%と20.8ポイント上昇したことで、売上原価率は8.8ポイント低下し、増収であったにもかかわらず、売上原価は2億34百万円縮小する結果となっている。そのため、当初予想では、第2四半期営業利益を△1億50百万円と見込んでいたが、結果は42百万円の黒字転換となっている。今期第2四半期業績は、当初予想をすべて上回った。

 今期第2四半期連結業績は、売上高41億68百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益42百万円(前年同期△2億29百万円)、経常利益△45百万円(同△3億84百万円)、純利益△20百万円(同△3億7百万円)と増収増益により営業利益が黒字転換し、経常・純利益共に大幅に赤字幅を縮小する結果となった。

■米国の売上高は東部、西海岸地域で新規ユーザーを獲得したことで、18カ月連続の増収を記録

 国内の品目別売上高は、骨接合材料9億35百万円(同26.4%減)、人工関節14億12百万円(同14.5%増)、脊椎固定器具2億60百万円(同33.0%増)、その他2億42百万円(同23.9%減)となり、国内全体では28億50百万円(同5.6%減)となっている。国内の売上は前年同期と比較すると減少しているが、前期の売上高にジョンソン&ジョンソン社製品の売上が含まれていたことを考慮すると同社製品の売上高は20.5%増加している。

 米国の品目別売上高は、人工関節12億15百万円(同72.9%増)、脊椎固定器具・その他1億2百万円(同12.9%増)であり、米国全体の売上高は13億18百万円(同66.0%増)と大幅に伸びた。今期は東部、西海岸地域で新規ユーザーを獲得したことで、18カ月連続の増収を記録している。現地通貨ベースで膝関節は46%増、股関節31%増と共に大幅に増加している。

■新製品の売上は伸びているが、過去の実績データが乏しいため、通期業績予想は当初予想を据え置く

 第2四半期業績は当初予想を大幅に上回るペースで推移したが、通期連結業績予想については、当初予想を据え置いている。理由としては、「新製品である自社製品の売上は伸びているが、その多くの新製品では、過去の実績データが乏しいことから、より慎重に見ておきたいところであり、業績の修正をしないことにしました」(大川正男社長)と説明している。

 通期連結業績予想は、売上高94億円(前期比15.6%増)、営業利益5億40百万円(前期△1億52百万円)、経常利益4億40百万円(同△3億95百万円)、純利益2億円(同△3億97百万円)と2ケタ増収大幅増益で黒字転換を見込んでいる。

 下期の重要施策として、拡販およびコスト削減、海外市場の強化、SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)強化の3点を挙げている。

 拡販については、前期繁忙期の主要在庫不足を反省し、今期は在庫を拡充し繁忙期への対応を完了している。また、新規分野として、スポーツ整形分野電気手術器械の販売を開始する。更に、脊椎固定器具の自社製品の薬事承認を取得したことで、来年の1月から本格的に販売を開始する。

 海外市場強化に関しては、米国では、東部、西部地域で新規顧客の開拓が順調に進んでいることから、下期も引き続き新規顧客の開拓に努める。中国市場に関しては、既に人工膝関節の認証を取得済みで、現在、代理店を絞り込んでいるところ。また、人工股関節の認証取得に関しても申請中である。

 SCM強化については、業務委託を推進し、効率化の施策を継続している。

 以上のように、医療機器の償還価格引き下げによる課題も自社製品比率を高めることで解決し、更に、来期は中国市場への進出が予想され、今後の業績の急成長が期待される。

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