2011年11月04日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

神鋼商事:第2四半期連結決算を発表、鉄鋼会館で決算説明会を実施


■売上高はトータルで4470億円、昨年同期で246億円の増収

神鋼商事のホームページ  神鋼商事<8075>(東1)は10月28日、今12年3月期第2四半期連結決算を発表し、同日に鉄鋼会館で決算説明会を実施した。

  同社代表取締役社長 村瀬敬一氏は決算の概要と通期業績予想について説明を行った。

  「前年同期に比べまして、売上高は増収、営業利益、経常利益、純利益につきましては微減となりました。売上高はトータルで4470億円、昨年同期で246億円の増収、比率で申しまして5.8%の増収となりました。経常利益は28億円、前年同期で2億円の減少、同じく比率で6.1%の減益。純利益は16億円、前年同期でほぼ横ばいの1.3%の減益となりました。この決算をしめたうえでの自己資本比率は11.3%と前期末に比較して0.7ポイント改善しました。配当については、本日ここに来る前の取締役会で、正式な決議を終えましたが、この中間、期末に各3円の配当を実施し、年間配当6円を予定しています。ちなみに、前年は、中間、期末ともに2.5円の配当を実施していますので、今期は1円の増配となります」と中間期のポイントに触れた。

■09年上期と今上期の売上を比較すると1,000億円伸びる

  「売上高は増収でございますが、一番大きい増収要因は鉄鋼原料であります。私共は鉄鋼原料については、神戸製鋼さん向けに取り扱いの窓口となっていますが、昨年の同期から比べますと、物量的には減少していますが、単価が上がっていまして、増収となっています。販売管理費が増加していますが、これは人件費の増加によるものです。特別損失については、前年上期は投資有価証券評価損が5億円ありましたが、今期は1億円でございます」と増収要因と販管費、特別損失についての説明を行った。

  売上高と経常利益の推移をみると、09年上期3,355億円、17億円、10年上期4,224億円、30億円、11年上期4470億円、28億円と売上高は順調に伸びてきている。「リーマン・ショックで一度落ち込んでいるが、その後順調に回復しています。09年上期と今上期を比較すると1,000億円伸びています。」(村瀬社長)。

  連結貸借対照表を見ると、総資産2,247億円(前期比44億円減)となっている。その内訳は、流動資産1,995億円(同38億円減)、固定資産252億円(同6億円減)。流動資産の38億円減の主な要因は、売上債権が60億円減、現預金が17億円増加したことが挙げられる。固定資産の6億円減の主な要因は、有形・無形固定資産が5億円増加し、一方で、投資その他が11億円減少したことによる。

  負債の合計は1,976億円(同55億円減)となっている。内訳は、流動負債が仕入れ債務66億円減、短期借入金9億円増などにより1,841億円(同26億円減)、固定負債は長期借入金が25億円減少したこと等により134億円(同29億円減)となった。純資産は272億円(同11億円増)となっている。11億円増の主な要因は、利益剰余金が14億円増えた一方、評価・換算差額などで3億円減少したことによる。外部有利子負債は451億円(同16億円減)、1株当たり純資産は286.1円(同11.8円増)となっている。

  キャッシュ・フローについては、営業活動によるキャッシュ・フロー38億円(前年同期比60億円増)、投資活動キャッシュ・フロー△2億円(前年同)、財務キャッシュ・フローは△19億円(同32億円減)。

■セグメント別売上は、鉄鋼3.5%増、鉄鋼原料12.8%増、非鉄金属5.4%減、機械・情報13.0%増、溶材0.9%増

  連結のセグメント別売上高、セグメント利益は、鉄鋼1,327億円(前年同期比3.5%増)、14億円(同2.1%減)、鉄鋼原料1,868億円(同12.8%増)、5億円(同18.4%増)、非鉄金属1,003億円(同5.4%減)、5億円(同22.4%減)、機械・情報248億円(同13.0%増)、2億円(同49.8%増)、溶材256億円(同0.9%増)、3億円(同8.5%減)、調整等△231億円(同6.2%増)、△1億円(同236.9%減)。

  セグメント別の売上の状況は、鉄鋼については、線材は輸出が増加したが、国内向けが震災影響で一時的に落ち込んだことから減少した。鋼板は、アジア地域向け輸出を中心に増加した。ステンレスも増加した。

  鉄鋼原料に関しては、神戸製鋼所向け輸入鉄鋼原料は、主原料の価格は上昇したが、粗鋼生産量の減により減少した。冷鉄源は、価格上昇により鉄スクラップの取扱が増加、銑鉄の取扱も増加した。チタン原料は、需要回復により取扱が増加した。特に、中東プラント向けが増えた。

  非鉄金属は、銅管はエアコン買換え需要から空調用銅管の取扱が増加した。銅板条は自動車、半導体業界向けの取扱が減少した。アルミ製品は、印刷版、自動車向け板状、液晶製造装置用加工品の取扱が減少した。非鉄原料については、銅・アルミ地金の取扱が減少した。一方、スクラップの取扱は増加した。

  機械・情報に関しては、機械製品は、大型産業機械の納入及び製鉄所向けの取扱が増加した。情報産業関連は、ハードディスク関連機材の取扱、高機能フィルムなどの取扱も減少した。

  溶材は、溶接材料については、造船、海外プラント向け輸出は堅調、化工機業界向けは減少した。溶接関連機器は、国内外建設機械業界向けや国内造船業界向けの取扱が増加した。生産材料は、需要減により取扱が減少した。

■今12年3月期連結業績予想は増収増益を見込む

  今12年3月期連結業績予想は、売上高10,000億円(前期比15.9%増)、営業利益82億円(同6.9%増)、経常利益70億円(同10.5%増)、純利益40億円(同19.5%増)と増収増益を見込む。

  セグメント別の売上高、経常利益は、鉄鋼2940億円(前期比283億円増)、31億円(同3億円増)、鉄鋼原料4,300億円(同934億円増)、11億円(同1億円増)、非鉄金属2,280億円(同184億円増)、10億円(同2億円減)、機械・情報610億円(同140億円増)、5億円(同3億円増)、溶材520億円(同14億円減)、8億円(同1億円減)を見込んでいる。

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