2010年02月24日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

建設技術研究所:前期連結受注高は343億円(前々期比13.7%増)


■公共投資の縮小が進む中で、技術・価格競争が激化

 建設コンサルタントの建設技術研究所<9621>(東1)は、19日に本社で、前09年12月期決算説明会を開催した。
 代表取締役社長大島一哉氏は、冒頭のあいさつに続き「建設コンサル市場は自民党から民主党へ政権が変わり、事業環境も大きく変わりました。その様な時期に当社の前期である47期を迎えました」と前期が政権の交代に伴い、先行き不透明な環境でスタートしたことを説明した。
 ところが、連結受注高は前々期比13.7%増の343億円の受注額であった。受注高300億円突破は約10年ぶりのことである。単体でも14.1%増の305億円と不透明な中で大きく受注額を伸ばした。

■営業キャッシュ・フローがマイナスであっても事業は順調

 キャッシュ・フローを見ると、営業キャッシュ・フローは△7.6憶円となっているが、これは前々期の受注が少なく、前期の受注が増加したことの影響であり、営業キャッシュ・フローがマイナスであっても事業は順調に推移した。
 「建設コンサルタント契約高は、一時的に増加しました。自民党から民主党への政権の変わり目に、自民党による不況対策である補正予算により、公共事業予算が増加した影響といえます。同業上位50社の受注総額は07年とほぼ同額でありました」(大島一哉社長)と語っている。

■月毎の受注額は過去のデーターが参考にならない程に変化が激しかった

 しかし、政権が不安定であった影響か、同社の月毎の受注額も過去のデーターが参考にならない程に変化が激しかった。9、10、11月が前年同月の受注額を大きく上回った。なかでも9月の受注は前年同月の倍増となる程に好調であった。これは、6月中旬から8月末にかけてプロポーザル・総合評価落札方式(技術評価)の強化キャンペーンを実施した影響もある。
 前期の概況をまとめると、経営は厳しい中でのかじ取りが要求されたが、結果的には受注が順調に伸びたことから、売上高313億7400万円(前々期比1.9%増)、営業利益11億8100万円(同4.4%減)、経常利益12億8100万円(同3.6%減)、純利益6億3000万円(同4.9%増)と堅調な業績を確保したといえる。

■プロポーザル方式の特定比率は27.9%

 受注については、約14%増となっているが、これは同社の強みであるプロポーザル、総合評価落札方式が認められているためであり、プロポーザル方式の特定比率は27.9%、総合評価落札方式の特定比率は22.3%と共に伸びている。
 事業の展開は、公共事業の抑制傾向、コンクリートから人への政策もあり、今後の国内での仕事量の増加も期待できないことを踏まえ、海外での事業展開に積極的に動いた。一方、国内では環境・都市系をターゲットに着実な事業展開を進めた。
 更に、効率的な仕事を行うために、1300人の働き方改革による勤務環境の改善にも取り組み、一定の成果を出している。

■今期は、自らのレジームシフト(変化への対応)の年

 今期の経営環境も、前期と変わらず、厳しい状況であることを踏まえ、同社では、「自らのレジームシフト(変化への対応)の年と捉え、総力で臨み明るい未来を切り開く年と位置付けています」(大島一哉社長)と厳しい環境の中でも状況に流されず同社なりの創意工夫でこの難局を乗り切る姿勢を示している。
 まず、受注目標達成による経営基盤の維持と共に新しい展開の基盤を構築する。その前提として、技術競争力の強化、品質の確保を挙げている。さらに、4つの重点分野(海外・国際、マネジメント、環境、都市系)の事業展開に注力する。また、引き続き、1300人の働き方改革を継続するとしている。
 今12月期連結業績予想は、売上高320億円(前期比2.0%増)、営業利益12億円(同1.6%増)、経常利益13億円(同1.4%増)、純利益6億5000万円(同3.1%増)と増収増益を見込む。


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