2012年02月29日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

建設技術研究所:11年12月期連結決算の説明会を開催


■大島一哉社長:11年11月期決算の概要、中期経営計画、今期の経営方針等について語る

建設技術研究所のHP 建設コンサルティングの建設技術研究所<9621>(東1)は17日、11年12月期連結決算の説明会を開催した。
 代表取締役社長大島一哉氏は、11年11月期決算の概要、中期経営計画、今期の経営方針等について詳しく語った。
 11年12月期連結業積は、受注高315億98百万円(10年12月期比4.8%増)、売上高336億46百万円(同8.7%増)、営業利益9億84百万円(同14.9%減)、経常利益11億29百万円(同11.8%減)、純利益4億21百万円(同33.5%減)と増収ながら大幅最終減益となった。
 「売上高につきましては、若干受注高との差があるのですけれども、完成時期の問題、今期から地圏総合コンサルタントの売上もございまして少し増加しています。営業利益が若干下がっていますが、昨年の中間期の際もご説明しましたように、今期からプロポーザル、総合評価価格方式における技術提案等にかかる費用を業務原価にしていたのを、販管費に移行するということで、今期の原価の発生のほかに、前期からの繰り越しの業務の間接費ということで繰り込まれるということで、2重に計上することになりました。そのため営業利益の減少というのはある程度予想されていました。純利益につきましては、経常利益の割合にして少ないのは、昨年12月の法人税の改正に伴う税効果会計適用により純利益が減少したものです」(大島一哉社長)と利益面での減益要因に触れた。

■海外の受注高は過去最高を記録

 企業別の売上高の概算は、建設技術研究所284億円、建設技研インターナショナル25.9億円、福岡都市技術13.7億円、地圏総合コンサルタント13.4億円であった。建設技術研究所と福岡都市技術の売上は横ばいであるが、建設技研インターナショナルは右肩上がりに売上を伸ばしている。地圏総合コンサルタントは11年より売上高を計上。
 発注者別受注高は、国153億円、旧公団・財団15億円、地方自治体105億円、民間12億円、外国政府・JICA30億円。
 部門別受注高は、河川・砂防部門132億円、道路・交通部門59億円、都市部門20億円、情報・防災24億円、環境部門24億円、地質部門25億円、海外部門31億円となっている。海外の受注高については、過去最高であった。
 契約方式別受注高は、プロポーザル121億円、総合評価落札方式48億円、特命随意契約10億円(プロポーザル継続)、特命随意契約52億円、指名競争入札84億円と、技術力を重視するプロポーザル、総合評価落札方式が主体となっている。
 一件当りの契約額は、上位50社の平均は760万円、同社は1120万円と圧倒的に同社の契約金額が高い。

■釜石市に「釜石復興推進事務所」を新設

 貸借対照表は、流動資産190億円(同9.4%減)、固定資産113億円(同0.5%増)、流動負債92億円(同20.8%減)、固定負債11億円(同35.3%増)、純資産198億円(同1.1%増)となっている。
 東日本大震災関連の受注状況は、建設技術研究所22.9億円、福岡都市技術1.5億円、地圏総合コンサルタント0.7億円。
 震災関連の事業をスムーズに進めるために、1月1日に東北支社復興支援室とは別の組織として、「東北復興推進センター」を設けた。復興を専門に業務を行う組織として立ち上げた。その第1号として、同社が中心となって復興街づくりに取組んでいる釜石市に「釜石復興推進事務所」を新設。
 前期を総括すると、生産体制としては、新卒35名、中途15名を採用した。技術力強化に関しては、技術士筆記試験合格者は20部門で61名が、総合技術管理部門では13名がそれぞれ合格した。更に仕事環境を改善するために、子育て社員の支援を行った。また、TVシステムの全社展開を行い、ネットワークの増強を図ったことを取り上げている。

■新に2012年を初年度とする3ヵ年の「中期経営計画2014」を発表

 前期で中期経営計画は終了したことで、新に2012年を初年度とする3ヵ年の「中期経営計画2014」を発表している。
 基本テーマは、自立したプロフェッショナルを目指す、新規事業展開のスピードを上げる、品質日本一を目指すの3項目。具体的な数値目標としては、個別の受注額320億円、連結の受注額420億円、営業利益率4.0%、品質については全業務平均評価点1位で日本一、勤務時間2000時間、技術士700名、女性新卒社員採用率20%以上を掲げている。
 事業展開戦略としては、会社の事業戦略としての総合化を図るため、個人の技術力の総合化も進めることで、複合領域への展開に向けた総合化を推進する。更に、東日本大震災の復旧・復興への取組みとして、グループ全体として積極的に取組み、災害に強いまちづくり提案を全国に展開するとしている。
 4つのChallengeを掲げた事業展開戦略としては、既存分野では部門間連携強化により、受注拡大を目指す。また、港湾、上水道といった未参入分野へも進出する。
 海外業務では、グループとしての海外業務強化へ向けた組織体制の構築による事業の拡大を目指す。
 周辺分野に関しては、維持管理分野を発展し、本格展開する。また、低炭素・循環型社会の形成に向けた取組みを推進する。
 新業態・新市場として、発注者支援事業への展開を促進する。更に、官業民営化ビジネスの事業展開を促進するとそれぞれの分野での市場開拓を図る。

■サービス業としての品質の向上、技術力の強化、営業力の強化を挙げる

 以上のことを実現するためには、具体的にどのようにするのかということについて、「事業展開を行うために、サービス業としての品質の向上、それから技術力の強化、営業力の強化ということを挙げています。特に技術力の強化につきましては、確実な技術継承が大切です。昨今、技術力の空洞化が話題となっています。余りにも専門化し過ぎて継承するには難しくなっています。これから意識的に技術力の継承ということを行っていきます。次に、低コスト構造の確立です。そのために、生産体制の強化と外部調達プロセスの適正化を図ります。更に、経営システムを見直し、経営システムを強化します。そのために、業務執行体制の強化として、事業所と技術部門の役割分担の明確化を図っていきます。事業所の展開となりますと、なかなか新しい分野とか、新しい業務分野での展開の始動が遅くなることもありますし、組織的にも保守的になるということがありますので、新しい事業展開がやりやすくなるように、それぞれの役割分担というものを明確にします。最後に働きがいのある職場作りということで、多様な働き方の実現ということで、シニアエンジニアの活用、あるいは子育て支援、介護社員支援を着実にやっていきたいと思っています」(大島一哉社長)と中期経営計画を実現するための施策を紹介している。
 12年12月期連結業績予想は、受注高340億円(前期比7.6%増)、売上高340億円(同1.1%増)、営業利益10億円(同1.6%増)、経常利益10億50百万円(同7.0%減)、純利益5億円(同18.5%増)を見込んでいる。

■昨年12月にタイのチャオプラヤ川流域洪水対策プロジェクトを受注

 決算説明会の最後に、前期のトピックスの一つとして、昨年12月にタイのチャオプラヤ川流域洪水対策プロジェクトを受注したことを紹介した。他2社とのジョイントベンチャーで、同社がメインとして受注した。3年3ヶ月で6億6850万円で契約している。更に、同社を含めた5社で開発コンサルタントを立ち上げたことも紹介した。新会社は、我が国産業界が主導する海外大型開発事業に参画し、開発コンサルタントとしえの新たな市場・活躍の場を切り開くことを目的としている。
 決算説明後に震災の復興・復旧関連の工事のピークはいつ頃になるのかという質問に対して、「釜石事務所の情報と私自身が現地を訪問いたしまして得た情報をあわせて判断しますと、表現は良くないかもしれませんが、現在やっと掃除が終わった段階です。これから色んなものを作っていかなければなりません。概略の図面はありますが、具体的な図面はこれから作っていきます。そのため、私たちの業務は、今年、来年がピークになると見ています。私達が持っている技術力で、復旧・復興に貢献していきたいと思っています」(大島一哉社長)と復旧・復興はこれから本格化する。

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