サクセスホールディングス:施設数は08年から倍増し、13年は234施設

■待機児童数は減少傾向にあるが解消には至らず

 保育事業を展開するサクセスホールディングス<6065>(東2)は14日、前13年12月期決算説明会を開催した。

 同社は病院・大学等の勤務者向けの受託保育事業と公的な保育施設を運営する公的保育事業を行っている。ところが、保育園の施設数は十分でなく、保育園に行けない待機児童者が多く、社会問題となっていることから、国を挙げて、保育施設を増やしている。そのため、待機児童数は2010年をピークに減少しているものの、減少幅は鈍化傾向にあり、依然として待機児童の問題は解消されたとはいえない。

 そのような状況の中で、同社が運営する受託保育施設、公的保育施設の数は2008年132施設であったが、5年後の2013年にはほぼ倍増の234施設と順調に増加している。

 その背景には、利用者の視点に立ち最適な保育サービスを提供していることが挙げられる。具体的には、従量制の請求方法、24時間365日の運営対応、自然共育(しぜんともいく)を軸とした保育、234通りの運営スタイル、IT化による運営管理システム、優秀な人材と充実した研修・育成制度等がある。

 その結果、前13年12月期連結業績は、売上高86億73百万円(前年同期比19.7%増)、営業利益5億59百万円(同35.5%増)、経常利益7億5百万円(同6.9%増)、純利益4億円(同13.5%増)と増収増益で最高益更新であった。

 厚生省が発表した「待機児童解消加速化プラン」の具体的な解消の支援策としては、賃貸方式や国有地も活用した保育所整備、保育の量拡大を支える保育士確保、小規模保育事業など新制度の先取り、認可を目指す認可外保育施設の支援、事業所内保育施設への支援といった5項目がある。そのため、同社にとっては追い風といえる。しかし、一方で、今後の事業拡大のためには施設を運営する保育士の確保が重要となってくる。

 そこで、同社では、資本関係もあるジェイコムホールディングス株式会社と連携し、保育士採用力の強化を図っている。また、採用に関する専任部門を新設し、採用効率の改善もすすめている。今期の採用に関しては、新卒100名、中途採用1,300名程を予定している。

 今期開設する施設数については、受託は約20施設、公設は8園から10園を見込んでいる。また、自治体は株式会社の参入を認め始めてきたことから、施設開設数は増加すると予想される。

 今期14年12月期連結業績予想は、売上高98億26百万円(前期比13.3%増)、営業利益4億67百万円(同16.5%減)、経常利益7億55百万円(同7.1%増)、純利益4億30百万円(同7.3%増)を見込む。営業利益については新園開設費用や募集採用費の増加で減益を見込んでいるが、経常利益は設備補助金の増加により増益を見込む。なお、売上高、経常利益、最終利益は過去最高を予想。

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銘 柄 記 事
 ・サクセスホールディングス<6065>(東2)  サクセスホールディングス:施設数は08年から倍増し、13年は234施設


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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2014.02.27 |特集