陽光都市開発:前期に監査法人の指導で約38億円を減損処理

■継続疑義の注記が解消

陽光都市開発のホームページ 既に、決算特集で紹介しているが、今後まだ上昇余地があることから、筆頭に紹介する。文章は、掲載済みのものを再度掲載。
  ワンルーム投資用マンションの陽光都市開発<8946>(JQ)は、9日に兜町平和ビルで第2四半期の決算説明会を開催した。
 第2四半期連結業績は、8月10日に発表されているように、売上高51億9700万円(前年同期比18.5%減)、営業利益1億1500万円(同64.4%減)、経常利益5600万円(同79.5%減)、純利益6200万円(同60.4%減)となった。
 しかし、第2四半期で黒字を達成し、同社の事業が順調に回復していることが明確になったことから、金融機関の信頼も回復し、同社が所有している未着工プロジェクトの土地部分の借入金、計画変更により販売前に返済期限が到来する借入金の返済延長についても概ね合意が得られていることから、今年2月10日発表の決算短信より「継続企業の前提に関する注記」が掲載されていたが、8月10日の決算発表日に疑義の記載が解消されている。
 同社は、前期に建設用地として18物件(約700戸)を仕入れていたが、昨年9月のリーマンショックの影響で、不動産価格が暴落したことで、監査法人の指導で約38億円を減損処理したことが響き、赤字転落となり、継続疑義の注記が付いていた。
 しかし、同社が販売する投資用ワンルームマンションは、横浜駅周辺の賃貸需要の高い地域であるうえに、横浜みなとみらい21地区に8月17日に約2000名の従業員がいる日産本社が移転した。また、来年3月には従業員数5200名の富士ゼロックスが移転することになっていることから、更に賃貸マンションの需要は高まっている。
 よって、同社のワンルームマンションは、大幅な値引き販売をせず第1四半期100戸、第2四半期113戸と順調に売れたことから黒字転換となっている。
 多くの不動産会社は、開発したもののリーマンショックの影響で、有力な買い手であった海外のファンドが撤退したことから物件があふれ、買い手市場となったため、クリアランスマンション、アウトレットマンションといったように、販売予定価格から大幅に引き下げて販売している。
 そういう状況を踏まえて、監査法人は、同社が仕込んでいる土地、建設後販売するマンション価格も値下がりするだろうと予想し、前期に約38億の減損処理を指示した。しかし、第2四半期決算で黒字化しているように、現状は全く違ってきている。ニーズの高いものを作り販売することから、値引き販売には陥らないことが実証されている。従って、減損処理の対象となった物件の販売を開始する来期、再来期の業績は一挙にV字回復する可能性が高くなった。
 今12月期連結業績予想は、売上高92億700万円(前期比24.0%減)、営業利益2億1700万円(前期△7200万円)、経常利益6200万円(同△1億4400万円)、純利益6400万円(同△42億1200万円)を見込んでいる。
 しかし、進捗率を見ると売上高56.4%、営業利益53.0%、経常利益90.3%、純利益96.9%と目安となる50%を全て上回っているなかで、特に経常利益、純利益が90%を超えていることから、利益面での上振れも期待できる。
 また、マンションの開発・販売事業の他に、販売後の物件の管理事業も行っている。これまでに95棟、約4500戸を管理しているが、管理事業と賃貸事業等の収入は年間約16億円で、粗利約6億円あることから、これらの安定した事業の収益で全社の共通費用を賄うことができる体制づくりを行っており実現すれば経営基盤は確固たるものになるといえる。
それに向けて、7月に役員と従業員の給与を削減し、また、事務所の統廃合も行い、人件費・事務所賃借料あわせて年間3億円弱の費用削減を実施している。
 いよいよ、今期の事業再建は益々現実味を帯びてきている。

●元気印の不動産銘柄特集(順不同)

銘 柄 記 事
・三栄建築設計<3228>(名セ) 三栄建築設計:09年8月期業績は最高益更新を見込む
・日神不動産<8881>(東1) 日神不動産:前期に棚卸評価損83億3400万円を原価に算入
・陽光都市開発<8946>(JQ) 陽光都市開発:前期に監査法人の指導で約38億円を減損処理
・飯田産業<8880>(東1) 飯田産業:第1四半期は大幅増益を確保
・東栄住宅<8875>(東1) 東栄住宅 今10年第2四半期決算説明会を開催


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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2009.09 |特集