OBARA 今期50周年記念配当と上限8.65%の大規模自社株買いを発表

OBARAのホームページ OBARA<6877>(東1)の前08年9月期連結業績は、売上高462億2500万円(前々期比2.2%増)、経常利益58億5100万円(同200万円減)と急激な為替変動の影響を受けながらもほぼ前年並みの経常利益を確保したが、法人税等調整額の増加により、純利益は31億900万円(同12.5%減)となった。
 同社の主力事業は、抵抗溶接機器関連事業と平面研磨装置関連事業である。抵抗溶接機器関連事業の主要顧客である自動車メーカーは、新興国を中心としたグローバルでの生産体制を拡充してきたが、今年の夏以降は、金融危機の実体経済への波及に伴う環境変化から、一部の新工場立ち上げ延期、既存工場における生産車種の見直し、先進国地域での生産調整が行われた。
 一方、平面研磨装置関連事業は主要取引先であるシリコンウェーハや素材各社からの受注に対し、積極的な生産・供給を行うと共に、次世代装置など高付加価値製品の開発に注力してきた。しかし、受注面については、主力のシリコンウェーハの需給調整により影響を受けている。
 セグメント別売上高、営業利益を見ると、抵抗溶接機器関連事業の売上高は196億9500万円(同1億9700万円の減)、営業利益14億9400万円(同1億5900万円増)。レーザー溶接関連事業は、売上高3億8100万円(同2400万円増)、営業利益△4900万円(同1800万円の損失減)。平面研磨装置関連事業は、売上高261億7000万円(同11億9700万円増)、営業利益42億6600万円(同900万円の減)であった。
 しかし、今期はトヨタの営業利益1兆円下方修正に見られるように日系自動車メーカーの売上は大きく減少すると見られている。また、家電メーカーが8月以降に生産に急ブレーキをかけていることから、売上の拡大が見込めない環境にある。したがって、同社の09年9月期の連結業績予想は非常に厳しく、売上高300億円(前期比35.1%減)、経常利益7億円(同88.0%減)、純利益8000万円(同97.4%減)と大幅減収減益を見込んでいる。
 厳しい環境のなかで創立50周年記念を迎えるが、配当に関しては10円増配の年間50円を発表している。また、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の実行および株主への利益還元を目的として、自己株式の取得を発表している。取得期間は11月11日から09年1月23日まで、取得株式の上限は180万株(発行株式総数の8.65%)、取得価額の総額は10億円を上限としている。

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●好業績・成長期待の自社株買い銘柄(順不同)

銘 柄 記 事
・松田産業<7456>(東1) 松田産業は、資源・環境・食品の時流に乗る割安有望銘柄
・ジョルダン<3710>(HC) 検索ソフトのジョルダンは自己株式取得を発表
・加賀電子<8154>(東1) 加賀電子が自己株式取得を発表
・トシン・グループ<2761>(JQ) トシン・グループは自己株式の市場買い付けを半年間実施
・OBARA<6877>(東1) 今期50周年記念配当と上限8.65%の大規模自社株買いを発表
・京写<6837>(JQ) 増配と自社株買いで京写が続伸
・ミロク情報サービス<9928>(東2) ミロク情報サービスの第2四半期経常利益は232.0%増
・インフォマート<2492>(東マ) 発行済株式総数に対する5.5%にあたる2000株の自己株式取得を発表
・ワールドインテック<2429>(JQ) 11月より自社株買いスタート、業績好調もあり、株価の見直しが予想される
夢真ホールディングス<2362>(大へ) 夢真ホールディングス 収益重視策を打ち出し、黒字転換へ
・武富士<8564>(東1) 武富士は自己株買いと増額修正で上値見込める展開
・アイネス<9742>(東1) アイネスは2ケタ増益の割安銘柄として注目
・信越化学工業<4063>(東1) 信越化学工業はM&Aの原資とする計画で、今後の展開に期待大

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.11 |特集