【編集長の視点】アートグリーンは商い出来ずも下値には連続最高業績を見直し超割安小型株買いの再燃期待が値強い

編集長の視点

 アートグリーン<3419>(名セ)は9時25分現在、なお商い出来ずとなっている。きょう17日に日経平均株価が、前日終値を挟みもみ合いでスタートしたことを反映し、同社株にも様子見の動きとなっている。ただ、今年1月29日につけた上場来安値430円に並ぶ安値水準には、今10月期業績が連続して過去最高を更新すると予想されていることを見直し超割安修正買いの再燃を期待する買い物が続いている。名証セントレックス市場に上場で知名度が低いハンデはあるものの、同社の胡蝶蘭を生産・販売する独自ビジネスモデルや時価総額がわずか5億円強にとどまる小型株であること、さらに世界同時株安のなかで直近IPO(新規株式公開)株のなかで公開価格を割る値下がり銘柄が増えているなか、同社株が、公開価格420円を前に下値硬直性を示していることも買い手掛かりとなっている。

■主力3事業で営業提案を強化しブライダル関連需要も上乗せ

 同社の今10月期業績は、昨年12月のIPO時に売り上げ18億1200万円(前期比7.4%増)、営業利益8600万円(同46.0%増)、経常利益7800万円(同35.4%増)、純利益5000万円(同11.4%増)と続伸が予想され、純利益は連続して過去最高を更新する。同社は、胡蝶蘭を中心とした生花の卸売業を主要業務とし、主要な生花市場で直接セリに参加できる買参権を所有し生花流通のさまざまな領域に進出し、フラワービジネス支援事業、ナーセリー支援事業、フューネラル事業の3事業を展開している。フラワービジネス支援事業は、上場会社や大手企業のグループ内に慶弔関連の生花発注を取り扱う事業部門を設け、生花の仕入れ・ラッピング・配送などの一連のオペレーションを一括受託しており、既存取引先への販売強化策として各社オリジナルのギフトカタログを作製して営業提案を強化、社長就任・新社屋竣工・新店舗開店祝いなどの法人向け贈答需要が堅調に推移し、ブライダルサービス会社のゲストハウスウェディング向けに売り込みを図っていることなどが要因となる。

 また、台湾から胡蝶蘭苗を輸入して国内提携農園で生産するナーセリー支援事業では、提携農園の仕入れ割合を高め、葬儀業者向けのフューネラル事業でも、市場のセリが終わったあとの突発的な需要でも、切花を保管して葬祭業者の時間指定通りの配達に対応していることも寄与する。

■低PER修正で前回リバウンド並みならなお100円幅の底上げ余地

 株価は、公開価格420円に対して614円で初値をつけ上場来高値664円まで買い進まれたが、昨年12月のIPOラッシュのなか、乗り換えの売り物に押されて444円安値まで調整した。同安値からは、PER9倍台は下げ過ぎとして底上げ、今年1月12日には583円と31%高の戻り高値をつけ、最高値からの調整幅の3分の2戻し水準目前までリバウンドしたが、年明け後の世界同時株安の波及で再調整、上場来安値430円に突っ込んだ。ただ昨年12月、今年1月の2回の調整場面では、いずれも公開価格目前で下値抵抗力を示し底上げに転じている。低PER修正で前回のリバウンド並みの31%高するとすれば、目標株価は563円となお100円高余地が計算され、下値買い妙味が膨らもう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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