東亜合成はモビリティ関連や半導体関連の高機能製品を中心に成長加速
- 2026/1/5 07:54
- アナリスト銘柄分析

東亜合成<4045>(東証プライム)は80年以上の歴史を誇る化学品メーカーである。カセイソーダなどの基礎化学品から、独自技術をベースに開発した車載用電池向け接着剤、半導体製造用薬剤、社会インフラ関連製品、一般消費者向け瞬間接着剤「アロンアルフア」などへ幅広く展開し、成長戦略としてモビリティ関連や半導体関連の高機能製品を成長ドライバーと位置付けている。また高配当や自己株式取得に加えて、新たに株主優待制度を導入するなど株主還元も積極的だ。25年12月期は需要回復遅れの影響で小幅営業減益予想だが、今後は拡大基調への回帰が予想され、さらに高機能製品を中心とする積極的な事業展開で中長期的な成長加速も期待できるだろう。株価は着実に水準を切り上げて年初来高値圏だ。4%前後の高配当利回りや1倍割れの低PBRも支援材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。
■80年以上の歴史を誇る化学品メーカー
同社は創立以来80年超の歴史を誇る化学品メーカーである。企業理念に「素材と機能の可能性を追求し、化学の力で新しい幸せをあなたへ届けます」を、コーポレートスローガンに「地球はつづく、化学でつなぐ!」を掲げ、カセイソーダなどの基礎化学品から、独自技術をベースにした開発した車載用電池向け接着剤、半導体製造用薬剤、社会インフラ関連製品、瞬間接着剤「アロンアルフア」などに幅広く展開し、業容を拡大している。
海外子会社は米国とアジアを中心に展開しており、グローバル展開加速に向けて、24年5月にベトナム、25年3月にインドに子会社を設立した。また25年7月には米国の瞬間接着剤販売会社Elmer’s&Toagosei Co.(以下、E&T)について、米Newell Brands Inc.との合弁を解消し、同社グループの単独運営(同社の米国における子会社Toagosei AmericaがE&Tの全株式を取得)に切り替えた。25年11月には中国における販売体制強化を目的として、中国華南地区の子会社再編を発表した。
また同社は、産業に不可欠な化学品の安定的な生産・供給を基本戦略としつつ、収益性の高い高機能製品の拡充に向けた研究開発と設備投資に注力するなど、ポートフォリオマネジメントの強化に取り組んでいる。この一環として25年12月末をもって塩化ビニル樹脂の受託製造事業から撤退した。経営資源の最適化を図り、新たな高機能製品の拡充に注力する。
■基幹化学品、ポリマー・オリゴマー、接着材料、高機能材料、樹脂加工製品を展開
同社はセグメント区分を、基幹化学品事業、ポリマー・オリゴマー事業、接着材料事業、高機能材料事業、樹脂加工製品事業、その他(新規製品の研究開発事業、輸送事業、商社事業など)としている。基幹化学品事業を安定収益源の事業として、ポリマー・オリゴマー事業、接着材料事業、高機能材料事業および樹脂加工製品事業を成長戦略の中核を担う事業と位置付けている。
セグメント別売上高(外部顧客への売上高)と営業利益(調整前)の通期ベースの直近実績として、24年12月期は基幹化学品事業が売上高791億45百万円で営業利益85億01百万円(営業利益率10.7%)、ポリマー・オリゴマー事業が売上高351億87百万円で営業利益37億79百万円(同10.7%)、接着材料事業が売上高133億44百万円で営業利益4億09百万円(同3.1%)、高機能材料事業が売上高101億96百万円で営業利益12億75百万円(同12.5%)、樹脂加工製品事業が売上高277億02百万円で営業利益17億61百万円(同6.4%)、その他が売上高20億18百万円で営業利益14億71百万円の損失だった。海外売上高比率は17.3%だった。
営業利益の構成比で見ると、基幹化学品事業と樹脂加工製品事業の合計で約6割を占めているが、今後はポリマー・オリゴマー事業や高機能材料事業の高付加価値製品の拡販、接着材料事業の収益性改善も推進する方針だ。
基幹化学品事業はサブセグメントを無機化学品、アクリルモノマー、工業用ガスとしている。無機化学品は電解関連製品(カセイソーダや次亜塩素酸ソーダなど)と硫酸・アグロ製品(硫酸など)で、カセイソーダは幅広い産業における基礎的な素材として使用される。アクリルモノマーはアクリル製品(アクリル酸など)と化成品(ATBSなど)で、吸水性樹脂・凝集剤・粘着剤・塗料などの基材として幅広く使用される。工業用ガスは酸素・窒素など多種にわたる産業ガスで、鉄鋼・化学・半導体製造・医療などの分野で使用される。
ポリマー・オリゴマー事業は幅広い分野で使用されるアクリル誘導品を取り扱い、サブセグメントをポリマー、オリゴマー、凝集剤としている。ポリマーは、モビリティ・電子材料・医薬・化粧品分野などのほか、水処理用薬剤・製紙用顔料分散剤・建築向け接着剤・シーリング材用樹脂など幅広い分野で使用される。オリゴマーの光硬化型樹脂「アロニックス」は、同社が開発したアクリル系特殊オリゴマーで、紫外線などを照射することによって固まる化合物である。有機溶剤を使用しない環境配慮型製品であり、液晶パネルのコーティング剤や接着剤などの分野で幅広く使用されている。凝集剤は下水・生活排水・産業排水中の各種汚泥を浄化する。高分子凝集剤「アロンフロック」は汚水処理用薬剤として、下水処理場や工場排水などの分野で幅広く使用されている。また独自の新製法によって高濃度化・低コスト化を実現したCNF(セルロースナノファイバー)「アロンフィブロ」の用途開発・拡販にも取り組んでいる。
接着材料事業はサブセグメントを、一般消費者向けの瞬間接着剤、電子材料・自動車部材・精密機器など工業用の機能性接着剤としている。プラスチック・ゴム・金属などさまざまな素材を接着する家庭用瞬間接着剤「アロンアルフア」から、自動車部材・電子回路・医療機器などに使用される機能性接着剤まで、独自開発した高機能接着剤を展開している。なお米国での瞬間接着剤の展開について25年7月より米E&Tを従来の合弁から同社グループ単独運営に変更した。迅速かつ柔軟な事業運営体制によって米国市場でのシェア拡大と収益性改善を目指す。
高機能材料事業はサブセグメントを無機機能材料、高純度無機化学品、新製品開発としている。無機機能材料では不純物イオンを捕捉して電子部品の誤作動を抑制する電子材料用添加剤「IXE」や、繊維・プラスチックなどの素材に消臭・抗菌・抗ウイルスなどの快適機能を付与する添加剤「ケスモン」などの各種機能性添加剤を展開し、高純度無機化学品では半導体製造工程で使用される高純度液化塩化水素や六塩化二珪素などを展開している。メディカルケアの新製品としては24年9月に歯科向け抜歯窩用止血材「アロンキュア デンタル」の販売を開始した。抜歯後の出血をハイドロゲル化したポリマースポンジで止血する新しいコンセプトの歯科向け止血材である。
樹脂加工製品事業はサブセグメントを、環境インフラシステム製品、ライフサポート、エコマテリアルとしている。1951年にアロン化成が国内で初めて硬質塩化ビニル管「アロンパイプ」を開発した技術力をベースに事業展開し、環境インフラシステム製品では「下水道老朽化」対策として、特に排水用の継手やマスなど下水道関連製品の需要が拡大している。ライフサポートは「安寿」ブランドの介護・福祉用具や高齢ペットサポート用品「OneAid」などを展開している。エコマテリアルは自動車用シール材などに使用されるエラストマー材料を展開している。ゴムに近い弾性を持ち、汎用プラスチック並みの容易さで成形できる素材である。
■中期経営計画
23年12月期~25年12月期の3年間を対象期間とする東亜合成グループ中期経営計画「Leap Forward to the Next2025」では、基本方針に「新製品・新技術の開発力強化」「海外売上高の拡大」「持続可能な社会の実現に貢献」を掲げ、重要施策を(1)伸ばす事業に経営資源を積極投入して国内外での展開を加速、(2)研究開発力の強化、(3)DX推進の浸透・拡大、(4)先見性を持った人材の確保と育成、(5)サステナビリティ経営の推進としている。
伸ばす事業に経営資源を積極投入して国内外での展開を加速では、既存事業の中の強化すべき事項、新規事業にメリハリをつけて経営資源を投入する。またCNF製品やメディカルケア製品を早期に市場投入して実績化を図るほか、ポリマー・オリゴマー事業、接着材料事業、高機能材料事業を中心に高付加価値製品の海外売上高拡大を推進する。
研究開発力の強化では新規事業の開発を加速するため、研究開発に積極的に経営資源を投入するほか、スタートアップ企業との協業なども推進する。24年8月には首都圏に新たな研究施設として川崎フロンティエンスR&Dセンターを開所した。名古屋クリエイシオR&Dセンターとともに研究開発の中心拠点として、CNF、メディカルケア材料、次世代電池材料などの開発のほか、高付加価値テーマ探索、iPS細胞実用化研究、バイオ合成技術研究などを行っている。
DX推進の浸透・拡大では、MI(マテリアルズインフォマティクス)や分子シミュレーションの活用、スマートファクトリー化、AI活用、デジタル人材育成などを進め、グループの競争力と体質の両面を強化する。
先見性を持った人材の確保と育成では、仕事に対するモチベーション向上を意図した人事制度を実施するとともに、専門人材を積極的に採用する。さらに海外人材の登用やリスキリング計画を策定・実施することで人材の確保・育成を図る。
サステナビリティ経営推進では「未来の子供たちに幸せが届くよう、新しい価値創造に挑戦します」というサステナビリティ方針のもと、2050年カーボンニュートラルを目指したGHG排出削減ロードマップの実現を目指すほか、ESG(環境・社会・ガバナンス)の各分野において持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進している。
サステナビリティ経営に関する直近の取り組み事例としては、24年6月に愛知県知多市における低炭素水素モデルタウン事業化可能性調査に参画(25年8月に実証事業開始)した。24年11月にはサーモン陸上養殖プロジェクト(三重県津市)に参画した。陸上養殖の水質浄化に必要不可欠な薬液を供給し、海洋への汚染物質排出による環境負荷を低減する。25年5月には大分工場で製造するアクリル酸についてISCC PLUS認証(国際持続可能性カーボン認証)を取得した。25年8月にはESG評価に優れる約300銘柄で構成される「SOMPOサステナビリティ・インデックス」の構成銘柄に2年連続で選定された。また自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)提言への賛同を表明し、TNFDフォーラムに参画した。
なお次期中期経営計画では、基本方針としてイノベーションと業務効率化の高度な融合を図り、先進的な新製品の迅速な市場投入と高い成果創出の実現を目指すほか、これまでの設備投資および研究開発による蓄積を最大限に活用して企業価値の持続的かつ着実な向上を目指すとしている。
これに伴い26年1月1日付で組織変更を実施した。具体的には同社の国内外の化学物質を一元管理する化学物質管理課を設置、新規開発製品の迅速な市場投入と早期の利益拡大を目指して生産技術革新センターを新設するほか、複数製造拠点の効率的な操業と次世代操業モデルの確立を推進するプロセス開発課、および電解3工場の統合運営を担う電解統合推進課を設置して生産体制の強化を図る。
■成長ドライバーの戦略製品・新規開発製品の状況
同社は成長戦略としてモビリティ関連や半導体関連の高機能製品を成長ドライバーと位置付けている。戦略製品としてはモビリティ関連のEV(電気自動車)向けリチウムイオン電池用バインダー、HV(ハイブリッド車)・FCV(燃料電池車)車載電池用接着剤、半導体関連の高純度液化塩化水素、高純度カセイカリ、CNF、高機能CMP(化学的機械研磨)用アクリルポリマーなどがある。
自動車関連は多くの部材向けに多様な製品を供給しているが、特に注力製品と位置付けるリチウムイオン電池用バインダーは、負極の膨張抑制による長寿命化と高イオン伝導率による低抵抗化に同社の優位性があり、EV向けに加えてデータセンター、ドローン、スマートフォン、電動工具などにおいても採用が拡大している。需要拡大に対応するため同社名古屋工場の製造設備を増強(26年稼働予定)する。この設備投資は経済産業省より「蓄電池等の安定供給確保のための取り組みに関する計画(供給確保計画)」として認定され、補助金を受領する。車載電池用接着剤は、バイポーラ型ニッケル水素電池を搭載しているHV(LEXUSなど)での採用が順次拡大しているほか、FCV(MIRAI、クラウン)にも採用されている。さらに次世代電池材料として全固体電池向け高イオン伝導性固体電解質などの開発を進めている。
半導体製造用薬剤としては、高純度液化塩化水素が薄膜形成時のクリーニングガスとして使用され、世界市場シェアトップを誇っている。AI関連を中心とする需要拡大に対応するため、同社横浜工場において25年に製造設備増強が完了した。また半導体製造時の洗浄に使用される高純度カセイカリ、研磨に使用される高機能CMP用アクリルポリマーの需要も拡大している。さらにレジストリ向けポリマー、透明基板用絶縁接着剤などの開発も進めている。
環境インフラシステム製品では、同社が国内市場シェアトップの塩化ビニル製マス・マンホールの需要が「下水道老朽化」対策製品として急拡大している。道路陥没事故の約7割は取り付け管近辺で発生しているが、同社の製品は腐食した老朽管を継手1つで塩ビ管に変換できるため工期短縮やコスト低減を実現できる。今後は「マッピングカメラ」による下水道の管路調査・診断事業への参入も目指す。
中長期的な視点での注力製品・新規開発製品としてはCNFやガラス代替樹脂「アロニックスシート」などがある。同社のCNFは繊維が短く、低粘度で取り扱いやすい特徴を有しており、これを活かした用途開発を進めている。ガラス代替樹脂「アロニックスシート」はガラスの長所(光学特性・耐熱性)に加え、ガラスの短所(割れ易さ・重さ)を克服した製品で、LiDAR(Light Detection and Ranging:光検出と測距)用カバーシートに採用されている。対象物へ近赤外線を照射し、その反射光を検出して距離と形を測定する。誤作動の原因となる可視光をカットするため正確な測定が可能になる。今後はLiDARを内蔵した製品として自動運転用のセンサーカバー、ドローン、無人自動運転機能付き芝刈り機などへの採用が想定されている。
メディカル分野の取り組みとしては、24年9月に歯科向け抜歯窩用止血材「アロンキュア デンタル」の販売を開始した。また24年11月にペプチドや核酸等の医薬品開発製造受託機関(CDMO)であるペプチスターに出資した。同社が開発した細胞膜透過性ペプチド「Nucleolaron(ヌクレオラロン)」を、薬剤送達のDDS(ドラッグデリバリーシステム)として用いることで創薬技術の革新に寄与する。
25年5月には(公財)川崎市産業振興財団ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)と、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対する新たな治療用siRNA(病気の原因となる特定の遺伝子の働きを抑える核酸の一種)医薬の創製に関する共同研究契約を締結した。同社の独創的なsiRNAデザイン技術とiCONMの核酸医薬送達技術を融合し、5年以内の臨床試験開始を目指す。
■25年12月期は小幅営業減益予想だが、26年12月期は拡大基調
25年12月期の連結業績予想(25年7月31日付で下方修正)については、売上高が前期比3.0%減の1625億円、営業利益が1.6%減の140億円、経常利益が7.5%減の148億円、親会社株主帰属当期純利益が2.7%増の122億円としている。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比2.8%減の1198億63百万円、営業利益が1.4%減の106億07百万円、経常利益が8.2%減の111億49百万円、親会社株主帰属四半期純利益が23.8%減の80億02百万円だった。販売価格改定は順調だったが、販売数量が減少したため減収となり、固定費の増加なども影響して小幅営業減益だった。営業利益1.6億円減益の増減分析は数量差で9.2億円減少、単価差で14.6億円増加、固定費差で7.0億円減少だった。特別利益で投資有価証券売却益が18億83百万円減少(前年同期は33億60百万円、当期は14億77百万円)した。
基幹化学品事業は売上高が8.2%減の533億39百万円、営業利益が9.0%増の67億30百万円だった。売上面は無機化学品が販売数量減少で2%減収、アクリルモノマーが販売数量減少や原料価格低下に連動した販売価格低下で20%減収、工業用ガスが製造関連会社のトラブルによる稼働停止の影響で3%減収だった。全体として減収だったが、利益面は固定費削減効果で増益だった。
ポリマー・オリゴマー事業は売上高が2.2%増の266億02百万円、営業利益が30.7%減の22億09百万円だった。売上面はポリマーが車載用部品向け販売数量減少で1%減収、オリゴマーが販売価格改定効果で2%増収、凝集剤が海外向け販売数量増加と販売価格改定効果で5%増収だった。全体として増収だったが、利益面は原材料価格上昇や固定費増加により減益だった。
接着材料事業は売上高が0.2%増の100億51百万円、営業利益が42.0%減の2億16百万円だった。売上面は瞬間接着剤が米国での合弁解消による体制変更や中国等における販売数量増加で1%増収、機能性接着剤がスマートフォン用部品向けの販売数量減少で1%減収だった。全体として微増収だったが、利益面は米国での体制変更に関わる固定費増加で減益だった。
高機能材料事業は売上高が2.7%減の74億32百万円、営業利益が21.4%減の7億41百万円だった。売上面は無機機能材料が無機抗菌剤の輸出減少で3%減収、高純度無機化学品がAI半導体向け以外の需要回復遅れで3%減収、新製品開発が「アロンキュア」の販売開始(24年9月)により87%増収だった。利益面は高純度無機化学品の販売数量減少により減益だった。
樹脂加工製品事業は売上高が2.9%増の206億95百万円、営業利益が90.0%増の19億75百万円だった。売上面は環境インフラシステムが下水道関連向けの販売数量増加で8%増収、ライフサポートが介護製品の需要低迷で5%減収、エコマテリアルがタイの拠点における販売数量増加で3%増収だった。利益面は増収効果に加え、ライフサポートの採算改善も寄与して大幅増益だった。
その他の事業は売上高が19.6%増の17億43百万円、営業利益が12億69百万円の損失(前年同期は9億65百万円の損失)だった。売上面は商社事業などが増収と順調だったが、利益面は川崎フロンティエンスR&Dセンター等の費用増加が影響した。
全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が398億22百万円で営業利益が33億63百万円、第2四半期は売上高が405億22百万円で営業利益が36億55百万円、第3四半期は売上高が395億19百万円で営業利益が35億89百万円だった。
通期セグメント別計画については、基幹化学品事業の売上高が前期比9.7%減の715億円で営業利益が1.2%増の86億円、ポリマー・オリゴマー事業の売上高が2.6%増の361億円で営業利益が15.3%減の32億円、接着材料事業の売上高が4.9%増の140億円で営業利益が22.2%増の5億円、高機能材料事業の売上高が1.0%増の103億円で営業利益が25.5%減の9億50百万円、樹脂加工製品事業の売上高が3.2%増の286億円で営業利益が47.6%増の26億円、その他・調整額の売上高が20億円で営業利益が▲18億50百万円としている。
重点戦略として成長ドライバーであるモビリティ関連や半導体関連の収益拡大、米国瞬間接着剤事業の体制見直しによる収益改善、アジアを起点とした海外売上拡大、研究開発推進による新規開発品の早期実績化、PBR1倍超えに向けた経営などを推進する。
通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74%、営業利益が76%、経常利益が75%、親会社株主帰属当期純利益が66%である。25年12月期は需要回復遅れの影響で小幅営業減益予想だが、今後は拡大基調への回帰が予想され、さらに高機能製品を中心とする積極的な事業展開で中長期的な成長加速も期待できるだろう。
■資本政策・株主還元策では株主優待制度も導入
資本政策に関しては一層の資本効率向上を目指し、ROIC(投下資本利益率)を利用した事業管理手法導入により資産効率を意識した事業運営を促進する。PBR改善に向けた取り組みとしては収益力向上や資本効率向上によって27年にROE8%を達成し、PBR1倍超えの実現を目指す。政策保有株式の縮減については、25年12月期末に政策保有株式の貸借対照表への計上額が連結純資産の10%程度となることを目途としている。
株主還元については23年12月期~25年12月期の3年間の計画として、期間総還元性向100%を目途として配当および自己株式取得(合計200億円以上)を実施する。この方針に基づいて25年12月期の配当予想は前期比5円増配の65円(中間32円50銭、期末32円50銭)としている。予想配当性向は58.2%となる。自己株式については、直近では25年2月14日~25年8月1日に482万5200株を取得(取得価額総額約70億円)した。これにより総還元性向は23年12月期実績100.5%、24年12月期実績116.1%に対して25年12月期は115.2%(見込み)となる。さらに25年12月25日付で自己株式500万株を消却した。
また25年10月には株主優待制度導入(詳細は会社HP参照)を発表した。毎年12月末日を基準日として100株(1単元)以上を1年以上継続保有している株主を対象に、同社製品「アロンアルフア」を全員に贈呈するほか、継続保有期間と保有株式数に応じてカタログギフトまたはQUOカードを贈呈する。初回基準日を25年12月末日として実施した。
■株価は上値試す
株価は小動きだが着実に水準を切り上げて年初来高値圏だ。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって上昇チャネルを形成している。4%前後の高配当利回りや1倍割れの低PBRも支援材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。12月30の終値は1641.5円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS111円67銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の65円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1897円60銭で算出)は約0.9倍、そして時価総額は約1773億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)




















