【特集】リスクオフ関連の金価格関連株、キャッシュリッチ関連株に注目

本日の金地金価格

 週明けは、小池百合子都知事再選のご祝儀相場から始まるかもしれず、リスクオンかリスクオフか何とも悩ましいことになるが、やはり国内では、熊本県・鹿児島県の豪雨被害の影響や米国など海外の感染者の動向をなおウオッチする慎重さが不可欠となるはずだ。そこで今週の当特集では、一歩後退、二歩前進よろしく、まずはリスクオフに肩入れしてリスクオフ関連の金価格関連株、キャッシュリッチ関連株に注目してみることとした。

■貴金属リサイクル関連3社は前期業績を再三の上方修正実績

 金先物価格は、今年7月1日に一時、1トロイオンス=1807ドルまで9年ぶりに高値となり、前週末2日も1790ドルの高値をキープした。早期の経済活動再開による新型コロナウイルス感染症の感染再拡大でリスクオフ買いが増勢となり、ゴールドマン・サックス証券が、金先物価格の12カ月見通しを1トロイオンス=1800ドルから2000ドルに引き上げたこともサポート材料となった。

 日本株の関連株は、まず産金株では、菱刈鉱山の住友金属鉱山<5713>(東1)、黒鉱や貴金属リサイクルのDOWAホールディングス<5714>(東1)、ついで貴金属リサイクルのアサヒホールディングス<5857>(東1)アサカ理研<5724>(JQS)松田産業<7456>(東1)が上げられる。このうちDOWAHDやアサヒHD、松田産業が、期中に前2020年3月期業績を上方修正し増配、自己株式取得を実施し、アサカ理研も今2020年9月期第2四半期業績を上方修正するなど金価格上昇の恩恵を受けている。

 このほか小型株の商品先物会社の岡藤ホールディングス<8705>(JQS)フジトミ<8740>(JQS)小林洋行<8742>(東1)豊商事<8747>(JQS)なども、金価格上昇の感応度が高く見逃せない。

■金持ち企業ではランキング常連銘柄や新興市場株にも有力候補

 新型コロナウイルス感染症の感染再拡大で緊急事態宣言が再発出されるケースでは、経済活動の再開に制約が強まり、需要の再蒸発に対応する事業継続計画(BCP)上からも、手元流動性を高水準にキープする財務戦略が企業経営の最優先課題として再浮上する。このリスクオフ・ケースではキャッシュリッチ企業への注目度が高まることになる。

 キャッシュリッチ企業については、東洋経済や大分古いがリスクモンスター<3768>(東2)などの各種調査の「金持ち企業ランキング」の上位にランクされた銘柄が該当する。ソニー<6758>(東1)任天堂<7974>(東1)信越化学工業<4063>(東1)キーエンス<6861>(東1)SUBARU<7270>(東)ファナック<6954>(東1)ネクソン<3659>(東1)などが常連である。次いで新興市場株では、日本経済新聞が、今年4月末にこの3年間にネットキャッシュを増加させた企業ランキングの上位に位置した銘柄も関連してくる。第1位のPKSHA Technology<3993>(東マ)、第2位のアンジェス<4563>(東マ)、第6位の神戸天然物化学<6568>(東マ)、第7位のディー・エル・イー<3686>(東1)などで、人工知能(AI)、新型コロナウイルス感染症のワクチン、医薬品原料、アニメ制作のテーマ性を含んでいるだけに、別線の評価が高まる可能性もある。

【関連記事情報】
【どう見るこの相場】一歩後退、二歩前進でまずはリスクオフ?!金関連株とキャッシュリッチ株に再照準

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■金融・医療・公共分野に特化した高精度処理、低コストで安全運用可能  NTT<9432>(東証プラ…
  2. ■ジャイアンツ球場隣接の221邸、シニアの健康・交流を支える新拠点に  フージャースホールディング…
  3. ■IT・スタートアップ中心に若手CEO台頭、経営のスピード化が進展  帝国データバンクは10月14…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■気温急低下がシーズンストック相場発進を後押し  今週のコラムでは、バリュー株選好の別の買い切り口…
  2. ■「押し」のAI株より「引き」のバリュー株選好で厳冬関連株の先取り買いも一考余地  「押してだめな…
  3. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  4. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  5. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  6. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る