【株式市場特集】配当利回りで見る市場のチャンス!注目すべき銘柄の動向

■配当利回りランキングで輝く、注目の増配株

 今週の当コラムは、主力値がさ株の上値追いはともかく、大幅増配の低PER株などの瞬発力と継続可能性を先取りして配当権利取りにフォーカスし有望銘柄をスクリーニングすることにした。ご参考になれば幸いである。

■業績上方修正、DOE導入、記念配当など増配事由はさまざま

 配当異動を発表した銘柄のなかで、配当利回りランキングのトップ10にランクインする銘柄は次の通りである。5.92%のアイティメディア<2148>(東証プライム)以下、レイズネクスト、エキサイトホールディングス、川辺、KSK、シャルレ<9885>(東証スタンダード)、合同製鐵<5410>(東証プライム)、セイノーホルディングス<9076>(東証プライム)と続き、第10位のマミヤ・オーピー<7991>(東証スタンダード)の配当利回りは4.54%となる。全市場全銘柄の高配当利回りランキングでもアイティメディアは第2位、レイズネクストは第3位に位置する。

 アイティメディアは、今3月期業績を下方修正し2ケタ減収減益ペースで推移し、PERは23倍と市場予想を上回るが、配当性向を70%以上とする配当方針の変更により今期配当を期初予想の30円(前期実績28円)から115円に大幅増配し、次期も100円配当を予定している。エキサイトHDは、DOE4%を目安とする配当方針の変更により普通配当30円にスタンダード市場上場記念配当30円を上乗せして60円の初配当を予定しており、PERは12倍台と市場平均を下回る。残り8銘柄も業績の上方修正や配当方針の変更、記念配当などにより大幅増配に踏み切ったが、このうち低PER株としては配当方針変更のマミヤ・オーピーが4倍台、合同製鐵が6倍台と出色となっている。

■増配クラスターとして鉄鋼株、海運株、黒字転換銘柄も存在感をアピール

 配当利回りが4%以上となる業種的にまとまるクラスターもある。その第一は、合同製鐵と同様の鉄鋼株で、日本製鉄<5401>(東証プライム)は、業績上方修正による増配であり配当利回りは4.22%、PERは7倍台、PBRは0.75倍となお割り負けている。このほか東京鉄鋼<5445>(東証プライム)、神鋼商事<8075>(東証プライム)、カノークス<8076>(東証スタンダード)がメンバー入りし、PBRは東京鉄鋼の1.01倍を除き1倍を割れPERも7倍台~11倍台と投資妙味を示唆している。海運株も、NSユナイテッド海運<9110>(東証プライム)、飯野海運<9119>(東証プライム)が、それぞれ4%台で、商船三井<9104>(東証プライム)、川崎汽船<9107>(東証プライム)が、3%台で続き、株価的に強弱感が拮抗するなか下支え効果を発揮しそうだ。海運周辺株の兵機海運<9362>(東証スタンダード)も、配当利回り4.31%、PER6倍台、PBR0.7倍となっている。

 業種ではないが上方修正により業績が黒字転換し、あるいは黒字転換幅を拡大させて増配し配当利回りが3%~4%となるクラスターもある。トーエネック<1946>(東証プライム)、日本山村硝子<5210>(東証スタンダード)、ティラド<7236>(東証プライム)である。このなかで日本山村硝子は、今3月期業績を合計3回も上方修正し5期ぶりの黒字転換幅を拡大してPERはわずか1.33倍と全市場全銘柄の低PERランキングの第5位と突出しており、配当利回りは3.36%、PBRは0.40倍にしか過ぎず、存在感をアピールしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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