英国の国民投票のあとには米トランプ候補問題が控え中長期買いは困難=犬丸正寛の相場展望

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■短期売買中心の展開に

 来週(20~24日)は、週前半は見送り、後半は23日のイギリスの国民投票結果次第で振れる展開だろう。イギリスのEU残留が決まれば、NYダウ、日経平均は上伸が予想されるが、離脱なら欧州経済の混乱見極めで下振れの可能性があるだろう。

 残留派の議員が襲撃されるなどイギリスはEU残留、離脱をめぐって世論が激しく対立している。残留なら移民問題やEU圏の債務国負担問題が尾を引き、離脱なら貿易量の減少が予想され、両方に難しい問題がある。「短期的」には、どちらになろうと相場的には材料出尽くし感から反発の可能性はあるが、「中期的」には相場の上値を押さえることになりそうだ。

 さらに、中長期的に相場の圧迫となるのがアメリカのトランプ候補問題だ。仮に、大統領に就任すれば世界は一気に保護主義となる心配がある。日本にとっては、貿易問題、安全保障問題、食糧問題が一挙に迫り来ることになってマーケットにとってはかなり厳しい展開が予想されるだろう。今回のイギリスの国民投票問題も難民問題、貧富の差問題等からくる保護主義化の現れとみられ、これまでの世界経済体制がグローバルから、「アメリカ第一主義」に代表されるコンパクト経済に縮む心配がある。

 アメリカのトランプ候補問題を抱えている以上、中長期投資家の買いを期待することは難しく、とくに、この先、11月までは個別銘柄物色の短期売買が中心の相場のように思われる。

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