【株式市場特集】ダブル・トリプル・フルセット銘柄に注目、個別物色相場が本格化

■上方修正を重ねる銘柄群が相場の主役に

 同コラムは今週、ダブルセット銘柄、トリプルセット銘柄、フルセット銘柄に代表される個別物色相場に注目した。該当銘柄は、業績上方修正が初回にとどまらず、2回目、3回目に及ぶ銘柄が約3分の1を占める点が特徴で、内需系のバリュー株素地を持つ銘柄も少なくない。自己株式取得は自社株の割安放置を市場に訴求し、株式分割は流動性向上や株主層拡大を目的とする施策であり、権利取りを狙った買い需要も加わることで、株価押し上げの相乗効果が期待される。ポスト総選挙局面における業績相場では、安全投資の有望銘柄として注視したい局面である。

※ダブル・トリプル・フルセット銘柄とは、業績上方修正を軸に、増配、自己株式取得、株式分割、株主優待拡充など複数の株主還元・資本政策が同時に発表された銘柄を指す。施策が一つ重なるものがダブル、二つがトリプル、総合的にそろうものがフルセットで、業績相場の安全投資先として注目される。

■自己株式取得で株価を下支えし業績上方修正、増配で上値牽引

 年初来、自己株式取得と業績上方修正を同時発表したダブルセット銘柄を発表順に上げるとテセック<6337>(東証スタンダード)、シンプレクス・ホールディングス<4373>(東証プライム)、日立製作所<6501>(東証プライム)、マキタ<6586>(東証プライム)、カシオ計算機<6952>(東証プライム)、北洋銀行<8524>(東証プライム)、四国電力<9507>(東証プライム)、東祥<8920>(東証スタンダード)、ソニーグループ<6758>(東証プライム)、クリナップ<7955>(東証プライム)、エクシオグループ<1951>(東証プライム)と続く。増配とのダブルセット銘柄は、プログレス・テクノロジース<339A>(東証グロース)、ヤマタネ<9305>(東証プライム)、SEホールディディングス・アンド・インキュベーションズ<9478>(東証スタンダード)、モバイルファクトリー<3912>(東証スタンダード)、小野測器<6858>(東証スタンダード)、石塚硝子<5204>(東証スタンダード)、MonotaRO<3064>(東証プライム)、長瀬産業<8012>(東証プライム)、ジオスター<5282>(東証スタンダード)となる。このうち低PERベスト5は、6.7倍の石塚硝子以下、7.5倍の四国電力、9倍台のヤマタネ、東祥、ジオスター、10倍台のプログレス・テクノロジース、小野測器と続く。地銀株の北洋銀行はPBR1倍を割っている。

 自己株式取得と業績上方修正、増配のトリプルセット銘柄は、同じく発表順で熊谷組<1861>(東証プライム)、関電工<1942>(東証プライム)、太陽化学<2902>(名証メイン)、フジ・メディア・ホールディングス<4676>(東証プライム)、丸紅<8002>(東証プライム)、東洋埠頭<9351>(東証スタンダード)、バンダイナムコホールディングス<7832>(東証プライム)、三越伊勢丹ホールディングス<3099>(東証プライム)、東京エレクトロン<8035>(東証プライム)と続き、平和不動産<8803>(東証プライム)は、これに株主優待制度の拡充も発表しておりブルセット銘柄となる。このうち熊谷組は、金融機関などの政策保有株縮減に対応する自己株式取得で、フジ・メディアも物言う株主の保有株売却に対応する政策的な色合いが濃い。また東洋埠頭は、PERが13倍台と最も割安であり、同社株と平和不動産、フジ・メディアの配当利回りは3%を超える。このほか自己株式取得の取得総額が大きい主力銘柄も需給インパクトが見直される可能性があり、3000億円のみずほフィナンシャルグループ<8411>(東証プライム)、2000億円のキヤノン<7751>(東証プライム)、1500億円のソニーグループ、東京エレクトロン、1000億円の日立製作所、HOYA<7741>(東証プライム)などが焦点となる。

■株式分割と増配の権利取りはこれからが本番で業績上方修正がサポート

 株式分割発表会社でダブルセット銘柄となったのは、今2月期配当を105円に増配した東宝<9602>(東証プライム)と今3月期配当を年間135円に増配したかどや製油<2612>(東証スタンダード)の2銘柄で、このうちかどや製油は、発表翌日の前週末6日はストップ高と急騰したが、それでも配当利回りは、3.03%となお市場平均を上回る。このほかトリプルセット銘柄では、株式分割と業績上方修正、増配のエスケイジャパン<7608>(東証スタンダード)、日本電技<1723>(東証スタンダード)、SBIシーリンングサービス<5834>(東証グロース)、芝浦メカトロニクス<6590>(東証プライム)と続き、業績上方修正、増配、自己株式取得でキヤノンマーケティングジャパン<8060>(東証プライム)が一角を形成する。芝浦メカトロニクスは、前週末6日に東証プライム市場の値下がり率ランキングのワースト11位と反動安となったが、株式分割の権利取りの間合いを計るところだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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