【どう見るこの相場】高市首相の積極財政方針が投資家の期待を集め、株価上昇を牽引
- 2026/1/26 08:28
- どう見るこの相場

■超短期決戦の総選挙で市場動向が政治判断に影響
いよいよ衆議院議員選挙だ。みょう27日に公示され2月8日に投開票されるが、この衆議院解散から投開票日までの選挙期間16日は、戦後最短の短期決戦となる。さらにこのまま大寒波と記録的な降雪が、全国各地に居座るようなら、候補者の選挙活動や有権者の投票行動にも少なからず影響を与えそうだ。候補者は選挙カーによる街宣活動よりメディア露出やSNSにシフトして空中戦のウエートを高め、有権者も投票所に足元不如意となって投票率を左右し、さらに交通障害から各自治体の選挙管理当局の集計作業にも齟齬をきたす可能性も懸念される。超短期決戦や天候要因が、自民・維新の政権与党と野党各党のいずれに吉となるか凶と出るかも焦点になる。
と同時に、今回の総選挙はこれまで以上に株式市場や金融市場のマーケットの動向と連動性を強めることになりそうだ。これまでも選挙期間中は、大手メディアの選挙情勢分析などに反応して、株式市場が歓迎高・失望売りなど影響を受け、選挙期間中は株高とのアノマリーまであった。しかし今回は、逆に株式市場の株価の高安、長期金利の上昇・下落、為替相場の円高・円安などのマーケットの動向が選挙結果に直結する連動性を強めそうなのである。総選挙とマーケットとが、相互にシンクロすることになる。
■積極財政方針が「高市トレード」を生み株価上昇
これは高市早苗首相が、総選挙の最大の争点として「責任ある積極財政」政策の信を国民に問うと表明したことが最大の理由である。「責任ある積極財政」は、すでに「高市トレード」として株高、債券安、円安・ドル高とマーケットを動かし、日経平均株価は一時、5万4000円台に乗せ史上最高値を更新した。選挙期間中もこの株高を維持できるのかどうかがまずポイントとなる。さらに問題は、円安・ドル高である。総選挙のもう一つの争点には物価高対策が控えており、与野党とも選挙公約に食料品の消費税廃止を掲げている。この財政拡張策が財政悪化懸念を強めて国債は売られ、為替相場は「日本売り」として1ドル=159円台とフシ目の160円目前まで円安・ドル高となった。この円安・ドル安は、輸入物価を押し上げ消費者物価の上昇要因になる。高市自民党が、勝敗ラインの政権与党で過半数の議席を獲得するためには、この円安・ドル高に歯止めを掛けることが前提となる。でなければ「責任ある積極財政」が、国民の信任を得ることが覚束なくなる。マーケットの動向が、選挙結果に大きく影響するはずである。
現に前週末23日の為替相場では、日本銀行の金融政策決定会合で政策金利の現状維持が決定された直後に1一時、ドル=159円台まで円安・ドル高となったのに、そのあと突如、反転し1ドル=157円台へ円高・ドル安に振れ、さらにその後の米国市場ではさらに1ドル=155円台まで円高・ドル安が進んだ。この急反転は、日銀が、為替介入の準備作業のために関係機関に為替水準を問い合わせる「レートチェック」を実施し、米国市場でも米政府当局者が「レートチェック」に協力したことが引き金とみられた。もともと高市早苗首相の意表を突いた解散総選挙表明は、米国のトランプ大統領張りの「治にいて乱を起こす」正面突破作戦だっただけに、為替相場の1ドル=160円のフシ目を前に不退転の正面対峙姿勢を内外にアピールしたことになる。為替介入は、マネーを市場にバラ撒く金融緩和効果もあり、インフレ加速の副作用はあるものの好需給要因として株高をサポートする結果にもつながる。
■約1200社の決算が市場心理を刺激
もう一つ総選挙と相互にシンクロするのが有力なのは、選挙期間中に同時進行する決算発表である。一部証券会社の集計によれば決算発表は、公示日から投開票日目前の週末2月6日までに約1200社が予定し、投開票日翌日の9日から13日までは約1200社が予定してピークアウトする。選挙期間中に大手メディアが報道する選挙情勢分析での与野党勝敗観測が、経営者マインドに影響を与えて業績ガイダンスを左右する一方、業績の上方修正・下方修正が株高・株安に直結し、与野党議席数の消長に響いてくることは大いにあり得ることである。
すでにこうした相互シンクロ展開は、前週末23日のマーケットにも兆していた。例えば23日の全市場で377銘柄が昨年来高値を更新したが、このうち銀行株が49行と12%超を占めた。銀行株は、これまで日銀の金融政策決定会合で政策金利が引き上げられ利ザヤ拡大や与信費用の軽減などから業績の上方修正を続けてきた。それが今回会合を前に政策金利引き上げは、長期金利の上昇、保有国債の含み損拡大要因になるとしてやや負の部分が意識されていた。ただ今回会合の政策金利据え置きで懸念解消となった上に、3月18日、19日に開催予定の次回会合での政策金利引き上げが有力と見越してして銀行株の軒並み高につながった。
■円高・ドル安反転が株価材料に
為替相場の円高・ドル安反転は、前週末の市場終了後に一段と強まっただけにカタリスト(株価材料)としての評価は、今週週明け以降となる。この為替レート反転が、選挙期間中だけか、あるいはポスト総選挙は里帰りして円安・ドル高に落ち着くかも、マーケット動向に関係する。株式市場では、これまでも円高・ドル安場面で円高メリット株が動意付くことがあったが、為替相場の反転とともに失速して「三日天下」の一過性の人気にとどまった。しかし今回は、総選挙とシンクロするとすれば、少なくとも選挙期間中は円高・ドル安が続くはずである。
ということで今回の当コラムでは、総選挙とシンクロする株式市場で、より政策関連期待を強めそうな2セクター株に注目することにした。金利メリット株と円高メリット株である。株式市場でも、銀行株と内需系株、消費関連株などに「清き一票」を投じる価値はありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)





















