【どう見るこの相場】総選挙まで残り7日、内外マーケットは激動含みで一波乱も

■円安・円高が日替わり、内外市場で一波乱二波乱の可能性

 内外のマーケットが激動含みである。これが一過性に終わるのか、なお一波乱、二波乱あるのかはまだ判断材料不足が否めない。米国市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)の次期議長にややタカ派寄りとみられていたケビン・ウォ―シュ元理事が指名されてニューヨーク商品取引所の金先物価格が急落し、一部AI(人工知)関連株の好決算も限定的な反応にとどまり、余波を受けた日本の大阪商品取引所のプラチナ先物も、制限値幅まで急落し一時、売買を中断させるサーキットブレーカーが発動された。

 国内市場での激動含み材料は、もちろん2月8日の投開票日まであと7日間を残す終盤戦に差し掛かってきた総選挙動向である。日本経済新聞と読売新聞が、揃って自民党が単独過半数を獲得すると序盤情勢分析を報道したが、株価反応は限定的で、防衛関連の重工株が買われたものの全般波乱相場のなかに埋没してしまった。長期金利は、27年ぶりの高水準に高止まりし、為替相場も、日替わりで円安・円高にフレた。残り7日間、総選挙中の世論調査や選挙情勢分析などが株式・債券・為替相場に影響するとともに、マーケット動向が、逆に有権者の投票行動を左右する同調性も強めるかもしれない。

■「二日新甫は荒れる」、総選挙控え2月相場は油断できず

 1月相場は、高市早苗首相の意表を衝いた解散総選挙表明に反応し一時、日経平均株価が5万4000円台に乗せ史上最高値を更新したが、その後は「高市トレード」の負の部分の「債券安、円安」が意識されて高値波乱となり、前週末30日は小反落して週間では昨年7月以来、約半年ぶりの2週連続の下落となった。2月相場も、きょう2日が初商いとなる「二日新甫」であり、「二日新甫は荒れる」とする相場アノマリーから総選挙結果も含めて油断はできそうもない。

 ただ予測不可能な2月相場のなかでも、一つだけ確かなことがある。総選挙の公約に各党が揃って掲げた消費税減税である。各党の減税策は、実施時期を自民党が検討加速として、立憲民主党と公明党で結成した新党の中道改革連合が今秋としたほか、減税財源に違いはあるものの、物価高対策としての消費税減税に関しては「全党減税派」で横一線である。これは総選挙でどの党が勝利し敗北しようと、総選挙後の国会論戦では、減税協議がスムーズに進行することを示唆するはずである。

 ということは、総選挙中もポスト総選挙でも、消費税減税関連株に買い評価余地があることを意味する。マーケットでは、すでに高市首相の解散・総選挙表明、食料品の消費税減税発言に反応して大手スーパー株、食品スーパー株、食品株が動意付いた。物価高が続くなか消費税の税率が、8%からゼロ%に引き下げられれば消費者の購買意欲は刺激され、購買量と購買品目が拡大するとして関連株買いを強めた。その後、全般相場の波乱に吞み込まれて関連株人気はやや一過性となったが、ポスト総選挙では再度、焦点が当たることが必至となる。

■増税時のディスカウント株に代わり大手スーパーが物色対象に

 ただこの関連株買いは、過去の消費税関連株相場と比較するとやや肌合いが異なることは否めない。というのもこれまでの消費税関連株相場は、消費税が引き下げられることはマレで、ほとんどが税率がアップされる際に展開されたからだ。今回関連株買いが強まった大手スーパー株や食品スーパー株は、消費税が引き上げられれば消費者のサイフの紐は固くなり節約志向・生活防衛意識の高まりとともに本来は売り銘柄になるはずなのである。実際に消費税率が引き上げられた際に買われた小売株は、安売り業態のディスカウントストア株が中心であった。これと対照的に消費税関連の定番銘柄となったのは、消費税変更に対応してPOSシステムの改修需要を請け負うレジスター株、商品パッケージの値札を貼り替えるラベルプリンター株、さらに小売り事業者の税務申告をアドバイスする税務会計事務所株などであった。

 こうした定番銘柄は、今回の消費税減税相場では、ほぼカヤの外に置かれて無反応であった。POSシステムの東芝テック<6588>(東証プライム)は、歓迎高で3000円大台にタッチしたが、足元ではこの急伸幅の往って来い以上の調整水準にある。相場全般が、ディスコ<6146>(東証プライム)やアドバンテスト<6857>(東証プライム)の業績上方修正、さらに海外AI銘柄の好業績を背景にハイテク株人気を高めて、勝ち組・負け組の2極化様相を強めるなか埋没状態となった。しかし諦めるのはまだ早い。ハイテク株もやや高値波乱に変わってきたうえに、消費税減税相場の本番は、総選挙後である。総選挙後の国会論戦で減税の合意形成が進むのと同時に、マーケットでの関連株の株高合意形成が高まることを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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