【どう見るこの相場】自民党圧勝で高市トレード進展、東京株式市場は追い風局面

■政治安定を好感、全面高期待が再燃

 超短期決戦だった衆議院議員選挙が、昨8日に投票され即日開票されて終了した。選挙結果は、1月27日の公示日直後に大手メディアが報道した序盤情勢分析さえ大きく上回り、高市自民党が、単独で3分の2の316議席を獲得する地滑り的な勝利となった。こうなると大統領的な人気となった高市早苗首相を止誰もめられない。「責任ある積極財政」だろうと「国論を二分する」安全保障問題だろうと憲法改正だろうと超短期決着されるかもしれない。政治体制も、連立政権拡大で総与党化が進み、悪くいえば大政翼賛会的になる展開も否定できない。

 この選挙結果を受けて、マーケットもイケイケドンドンと沸き立つ可能性がある。「八百屋の店先に並ぶ大根以外のカブはすべて買い」、「理屈はあとから貨車で来る」の全面高である。しかも米国から強力なフォローの風が吹きつけている。前週末6日にダウ工業株30種平均(NYダウ)が、初めて5万ドル台に乗せて史上最高値を更新し、SOX(半導体株指数)も5.70%高と急反発しており、週明けの東京市場のロケットスタートに二役も三役も果たしそうである。
週明けは取り敢えずは前週末6日にすでに先回り買いしていた高市銘柄の防衛関連株、ペレストロイカ太陽電池株、宇宙航空関連株、レアメタル関連株、核融合関連株などに「ご祝儀相場」が先行して一段高となり、値がさハイテク株がそれを上回る値幅効果を発揮することが想定される。

■高市トレードの影を警戒、個別業績相場が主役

 ただ忘れてはならないのが「高市トレード」の光と影である。「株高・債券安・円安」の「債券安・円安」の負の部分である。長期金利が上昇し円安・ドル高が進めば、景気を下押し、物価上昇に歯止めが効かなくなる可能性もある。「円安ホクホク発言」だけでは乗り切ることは難しくなる。さらに「台湾有事発言」で悪化した日中関係からは、レアメタルに関する経済安全保障問題の先行きも懸念されることになりそうだ。

 ということで注目されるのが、総選挙と同時進行していた上場会社の決算発表である。決算発表は、超短期決戦の総選挙とは異なり前週末6日に前半のピークを越えてようやく折り返し点を通過し、2月13日までの後半戦に入る。この発表結果は、大手メディアの途中集計では2026年3月期決算会社の第3四半期業績では7割が増益となり、3月期通期業績も、上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回るのが目立ち、4社に1社が業績を上方修正をしたなどと報道された。総選挙中は日経平均株価が、日米両市場でのAI(人工知能)関連株の乱調や為替相場の円高・円安の乱高下などでツレ高・ツレ安し、日中値幅が、1591円と上下にブれて強弱感が鋭く対立する日もあった。にもかかわらず業績上方修正銘柄や業績好調銘柄が、買い物を集めて逆行高し、日経平均株価そのものは3ケタ安しても値上がり銘柄数が、値下がり銘柄数を上回るケースもあって投資家心理を下支えしたのである。まさに個別業績相場である。

■決算後半戦で主役交代、個別業績相場が加速

 ポスト総選挙でも、決算発表の後半戦が続くだけに仮に「高市トレード」の負の部分がマーケットに影を落としても、業績上方修正銘柄の個別業績相場が強まる展開が有力となる。となれば注目は、業績上方修正銘柄となる。業績上方修正でも修正業績が、市場コンセンサスを下回って売られた主力株も散見され、市場コンセンサスを上回った主力株がまず第一候補株となる。と同時に万が一の安全投資銘柄として浮上しそうなのが、業績上方修正にプラス1、プラス2の増配、自己株式取得、株式分割などが上乗せとなったダブルセット銘柄、トリプルセット銘柄、フルセット銘柄である。

 例えば自己株式取得を発表した銘柄は、今年1月以来、前週末6日までに120社超を数えたが、この自己株式取得と同時に業績を上方修正したダブルセット銘柄は11社となり、増配とのダブルセット銘柄は10社、自己株式取得と業績上方修正、増配のトリプルセット銘柄は13社に達し、これに株主優待制度拡充がオンするフルセット銘柄も1銘柄あった。もちろん業績下方修正による株価波乱を押し止める目的で自己株式取得を表明した銘柄もあり、5社を数えた。

 一方、株式分割を発表した銘柄は、年初から前週末6日まで31社に達したが、このうち同時に業績上方修正と株式分割のダブルセット銘柄は4社、増配とのダブルセット銘柄は6社、株式分割と増配、自己株式取得のトリプルセット銘柄が1社あった。すでに株式分割の権利を落とした銘柄もあるが、大半が今月2月末、来月3月末を株式分割割り当ての基準日としており、今後の株式分割の権利取りが株価を押し上げる展開も想定される。前週末6日には取引時間中に三越伊勢丹ホールディングス<3099>(東証プライム)が、業績上方修正、増配、自己株式取得のトリプルセットを発表して急伸し昨年来高値を更新し、大引け後には東京エレクトロン<8035>(東証プライム)が同じくトリプルセットを発表したことも、フォロー材料として要注目だ。

■業績再修正銘柄が牽引、内需系バリュー株に追い風

 ということで今週の当コラムでは、このダブルセット銘柄、トリプルセット銘柄、フルセット銘柄の個別物色相場に注目することにした。この該当銘柄は、もともと今回の業績上方修正が初めてでなく、2回目、3回目の修正銘柄が約3分の1を占め、内需系のバリュー株素地がの銘柄も少なくなく、自己株式取得が、自社株の割安放置をアピールし、株式分割も、自社株の流動性の向上や株主層の拡大を図ることを目的としているだけに、権利取りの買い物も上乗せとなって株高への相乗効果が一段とアップするはずである。ポスト総選挙の業績相場の安全投資の有望銘柄としてマークしたい。

ダブル・トリプル・フルセット銘柄とは、業績上方修正を軸に、増配、自己株式取得、株式分割、株主優待拡充など複数の株主還元・資本政策が同時に発表された銘柄を指す。施策が一つ重なるものがダブル、二つがトリプル、総合的にそろうものがフルセットで、業績相場の安全投資先として注目される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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