神鋼商事、3Q累計減益も通期経常・最終増益予想維持、機械ユニット好調で増益見通し

(決算速報)
 神鋼商事<8075>(東証プライム)は2月6日に26年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。減収減益だった。機械ユニットは好調だったが、日系自動車生産台数減少でアルミ・銅ユニットが低調だったほか、原料ユニットの海外投資先における操業不調なども影響した。ただし通期予想を据え置いた。鋼材価格下落や販管費増加などで営業減益だが、営業外収支改善により経常・最終増益で増配予想としている。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は順調に水準を切り上げて24年の最高値に接近している。低PER、高配当利回り、低PBRといった指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■26年3月期3Q累計減益だが通期経常・最終増益予想据え置き

 26年3月期第3四半期累計(25年4月~12月)の連結業績は売上高が前年同期比4.2%減の4456億84百万円、営業利益が17.6%減の86億11百万円、経常利益が9.1%減の85億62百万円、そして親会社株主帰属四半期純利益が7.4%減の62億75百万円だった。

 減収減益だった。機械ユニットは好調だったが、日系自動車生産台数の減少でアルミ・銅ユニットが低調だったほか、原料ユニットの海外投資先における操業不調なども影響した。営業外ではデリバティブ評価損が5億21百万円増加(前年同期は3億09百万円、当期は8億30百万円)したが、受取配当金が5億37百万円増加(前年同期は12億64百万円、当期は18億01百万円)したほか、持分法による投資利益が3億03百万円増加(前年同期は1億49百万円、当期は4億52百万円)、為替差損益が7億50百万円改善(前年同期は差損6億78百万円、当期は差益72百万円)、支払利息が2億31百万円減少(前年同期は14億21百万円、当期は11億90百万円)した。特別利益では投資有価証券売却益が4億14百万円増加(前年同期は7億22百万円、当期は11億36百万円)した。

 金属セグメントの鉄鋼ユニットは、海外日系自動車生産台数の減少および建築向けの需要減少、鋼材価格の下落などにより売上高が3.8%減収だったが、経常利益については金融収支改善により7.7%増の42億67百万円だった。アルミ・銅ユニットは、空調銅管の評価などがプラス要因だったが、自動車向けアルミ製品の減少、アルミ再生塊・アルミ屑の減少などにより売上高が6.9%減収となり、経常利益は23.8%減の17億93百万円だった。原料ユニットは、鉄スクラップの輸出取扱量が増加したが、神戸製鋼所の粗鋼生産が低調だったため主原料の価格が下落したほか、バイオマス燃料が取引先の操業トラブルの影響で減少したため売上高が6.8%減収となり、経常利益は前期計上した一過性利益の剥落も影響して1億32百万円の損失(前年同期は13億57百万円)となった。

 機械・溶接セグメントの機械ユニットは、国内の電池材料の増加、非汎用圧縮機や冷熱・ヒートポンプ等の脱炭素関連機器の本体納入の増加、電気溶解炉の増加、中国での建機部品輸出、米国でのLNG向け機器・鋳物ケーシングの増加などによって売上高が6.3%増収となり、経常利益は増収効果で78.7%増の22億67百万円となった。溶接ユニットは、溶接材料と溶接機材の取り扱いが国内外で減少したため売上高が2.9%減収となり、経常利益は11.4%減の4億86百万円だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1476億77百万円、営業利益が22億24百万円、経常利益が29億38百万円、第2四半期は売上高が1450億74百万円、営業利益が30億49百万円、経常利益が28億45百万円、第3四半期は売上高が1529億33百万円、営業利益が33億38百万円、経常利益が27億79百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて売上高が前期比3.2%増の6370億円、営業利益が10.0%減の119億円、経常利益が2.0%増の120億円、親会社株主帰属当期純利益が7.4%増の92億円としている。配当予想は106円(第2四半期末53円、期末53円)としている。25年4月1日付の株式3分割を遡及換算すると、25年3月期の100円(第2四半期末50円、期末50円)に対して6円増配となる。予想配当性向は30.4%である。

 売上面はアルミ・銅ユニットの取扱量増加などで増収だが、利益面は鋼材価格の下落、日系自動車生産台数の低迷、販管費の増加などで営業減益予想としている。ただし経常利益と親会社株主帰属当期純利益については営業外収支改善により増益予想、そして増配予想としている。想定為替レートは1米ドル=140円としている。米国関税政策の影響については、現時点では予測が困難なため今回の業績予想には織り込んでいない。

 ユニット別の経常利益計画は、金属本部小計が1億円増の90億円(鉄鋼が5億円減の51億円、アルミ・銅が5億円減の26億円、原料が11億円増の13億円)、機械・溶接小計が0億円増の30億円(機械が0億円増の23億円、溶接が0億円減の7億円)、その他が1億円増の0億円としている。

 鉄鋼は鋼材価格の下落や取扱量の減少等により減益、アルミ・銅は銅板・銅管やアルミ加工品が堅調だが中国の需要回復遅れ等により減益、原料はバイオマス燃料の取扱量増加や前期の一時的損失(貸倒引当金計上)の一巡等により増益、機械は圧縮機等の環境投資が次期にズレ込むが建機向けの緩やかな回復でカバーして横ばい、溶接は横ばいの計画としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高70%、営業利益72%、経常利益71%、親会社株主帰属当期純利益68%である。鉄鋼およびアルミ・銅ユニットは日系自動車生産台数の回復基調を背景に取扱数量が増加傾向であり、原料ユニットでは海外出資先炭鉱の操業が再開し、バイオマス発電所の操業も近く再開予定である。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は24年の最高値に接近

 株価(25年4月1日付で株式3分割)は順調に水準を切り上げて24年の最高値に接近している。低PER、高配当利回り、低PBRといった指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。2月6日の終値は2801円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS348円00銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の106円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3461円36銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約745億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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