【新規上場(IPO)銘柄】ポエックはスプリンクラー消火装置「ナイアス」に期待感、通期業績予想の上振れも視野に入る

株式市場 IPO 鐘

 ポエック<9264>(JQS)は、昨年11月28日に東京証券取引所JASDAQに上場。環境・エネルギー関連機器、動力・重機関連機器及び防災・安全関連機器の製造・販売を行っている。同社グループは、同社、連結子会社2社(株式会社三和テスコ及び東洋精機産業株式会社)及び持分法非適用関連会社1社(株式会社泰元コーポレーション)で構成されている。

 環境・エネルギー事業では、環境関連機器としてポンプ類・撹拌機等の水処理機器、オゾンガス発生装置及びオゾン脱臭装置などの環境改善機器、エネルギー関連機器として熱交換器等を取り扱っている。水処理機器のうち、ポンプ類は国内メーカーとの代理店契約に基づき同社が仕入れ、販売するほか、同社あるいは他社が納入した機器(ポンプ類、撹拌機、オゾンガス発生装置、オゾン脱臭装置)の修理及びメンテナンス等技術サービスによるストックビジネスとしての展開も図っている。

 動力・重機等事業では、主に船舶用機械及び部品、プラント関係機器及びその他動力関係部品を取り扱っている。船舶用エンジン台板は、同社の連結子会社である株式会社三和テスコで製造し、販売している。小型精密部品としての燃料噴射弁は、同社の連結子会社である東洋精機産業株式会社で製造(精密機械加工及び熱処理)し、販売している。

 防災・安全事業では、屋内・屋外消火栓、スプリンクラー消火設備用加圧送水装置を取り扱っているが、同社の連結子会社である株式会社三和テスコが製造し、同社が販売、設置。また、装置の保守及びメンテナンス等技術サービスの提供も行っている。

 今2018年8月期第2四半期業績実績は、売上高27億2100万円、営業利益6500万円、経常利益5200万円、純利益4400万円に着地。有床診療所を重点ターゲットに設定したスプリンクラー消火装置「ナイアス」の拡販成果により防災・安全事業の実績が順調に推移し、売上高は当初計画を5.6%、営業利益は同32.7%上振れした。

 今18年8月期業績予想は、売上高53億9900万円(前期比9.3%増)、営業利益2億0200万円(同56.6%増)、経常利益1億7200万円(同5.9%減)、純利益1億0800万円(同24.4%減)を見込む。保険解約返戻金や投資有価証券売却益等がなくなるため、経常利益・純利益は減益を予想しているが、本業の儲けを示す営業利益は増益を予想。年間配当予想は、期末一括32.21円を予定している。

 株価は、昨年12月4日の上場来安値2020円から本年4月4日に上場来高値7300円と上昇。5月2日安値3995円と4000円割れの下値圏まで調整し、値ごろ感はある。スプリンクラー消火装置「ナイアス」を消火栓設備の設置義務がある施設に対しての新規営業活動の展開、「熱交換器」を大手ガス会社での採用実績を活かした拡販、防潮壁用枠付透明窓「シーウォル」施工の受注に対する期待感がある。今8月期第2四半期業績は上振れ着地しており、通期業績予想の上振れも視野に入ることから、日柄調整が進めば、リバウンド相場入りも見込まれそうだ。(株式評論家・信濃川)

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