【注目銘柄】ITbookはAI関連株人気の高まりを3Q赤字縮小業績がサポート

■2期ぶりに過去最高を更新か

 ITbookホールディングス<1447>(東証グロース)は、今年2月21日につけた直近高値436円を射程圏に捉えている。今年2月20日に発表した建設業界初のAIを活用した技術・製品の技術審査証明取得を手掛かりにAI関連株人気が高まっており、今2023年3月期第3四半期(2022年4月~12月期、3Q)業績の赤字が縮小して着地し、なおかつ3月期通期純利益が黒字転換して2期ぶりに過去最高を更新すると見込まれていることも見直され、フォローの材料となっている。

■業界初の画像処理AIで地盤改良施工後の採取コアの品質を判定

 同社が建設技術審査証明協議会から技術審査証明を取得したのは、ボーリング「コア(試験片)」判定アプリケーション「MARCRAY」で、地盤改良施工後に採取したコアを画像処理AIにより品質を判定するもので、建設業界初のAI活用となり、建設現場のさまざまな課題を解決する建設DXとして推進されている。このDXでは、続く今年3月1日にもため池破堤予防防災DXも発表しており、異常気象下、全国で年間1000カ所以上、被害額が100億円超ともなるため池決壊の予防防災をサポートする。農林水産庁では、応急措置が必要なため池は、全国に1540カ所に及ぶとしており、ビジネスチャンスにもなる。

 一方、今3月期3Q業績は、売り上げ218億900万円(前年同期比17.9%増)、営業利益1億4300万円の赤字(前年同期は3億6400万円の赤字)、経常利益1億3400万円の赤字(同3億7500万円の赤字)、純利益5億3400万円の赤字(同6億5400万円の赤字)で着地し、売り上げは2ケタの続伸となるとともに赤字も縮小した。コンサルティング事業の売り上げが事業特性上、第4四半期に偏重し費用が先行計上されるための赤字着地であり、今3月期通期業績は、売り上げ285億円(前期比8.4%増)、営業利益6億5000万円(前期は9700万円の黒字)、経常利益5億9000万円(同1500万円の黒字)、純利益3億7000万円(同8億7300万円の赤字)とV字回復を見込み、純利益は、3期ぶりに過去最高を大幅に更新する。

■上昇トレンド転換示唆のGC示現に低位値ごろ妙味もオンし昨年来高値目指す

 株価は、400円台出没のもみ合いから今期3Q業績の赤字着地で380円と下ぶれダメ押しをしたが、AI活用の技術審査証明取得で436円まで上値を伸ばしたあと400円台出没を続け、25日移動平均線が75日線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆している。低位値ごろ株人気も加わり、436円高値抜けから昨年3月につけた昨年来高値661円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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