フライトHDの子会社が自社クレジット決済センターの拡張による決済サービスを拡大、「Tapion」向けセンターから全製品へ、DCC・銀聯カード対応を開始

 フライトホールディングス<3753>(東証スタンダード)の子会社フライトシステムコンサルティングは、2022年9月に発表した市販のAndroid携帯を使ってカードのタッチ決済(※1)を実現する「Tapion(タピオン)」向けのフライト自社クレジット決済センター(フライト決済センター)をフライトシステムで展開する他の電子決済ソリューション全般へ適用すると共に、NTTデータの協力を得て、同社の拡張性の高い決済伝送サービス「CAFIS GlobalGEAR」(※2)に接続して新たな機能としてDCC決済(自国通貨支払いサービス/Dynmic Currency Conversion)、並びに銀聯カードに対応することを発表した。

 銀聯カードについては、接触ICだけでなくタッチ決済にも対応する。第一弾として「ペイメント・マイスター」とモバイル型決済装置「Incredist Premium II(インクレディスト・プレミアム・ツー)」の対応、その後その他ソリューションについても順次対応していく予定である。

 フライトシステムは、国内のスマートフォン決済先駆者として、2010年9月から国内初のiPhoneやiPadをクレジットカード決済端末にする大企業向けソリューション「ペイメント・マイスター」を販売している。対応する決済端末としては、モバイル型「Incredist Premium II(インクレディスト・プレミアム・ツー)」、プリンタ内蔵の据置型「Incredist Trinity(インクレディスト・トリニティ)」、自動精算機向け組み込み決済装置「VP6800」・「IFC」などモバイル型・据置型・自動精算機まで多種多様な決済ソリューションを提供している。なお、最新モデル「Incredist Premium II」ではカード決済だけではなく、マイナンバーカード読取にも対応している。

 更に決済専用端末を利用せず、市販のAndroid端末を使いカード決済を実現する新たな決済ソリューション「Tapion(タピオン)」も2022年から国内初のパイロット運用を開始しており、これにあわせ2022年9月28日付発表のフライト決済センターの構築を行い、導入企業のニーズにあったカード決済を展開している。

 DCCとは、クレジットカードのICチップから読み出すデータによりカードの発行国を自動判定し、日本円で支払うか自国通貨で支払うかを選択できるサービスである。自国通貨で支払う場合には、利用した日の為替レートを基にして支払額が計算される。

 海外でクレジットカードを使うと、通常は月締めの請求時の為替レートで決済金額が確定されるが、DCCを利用するとカードを利用した日の為替レートで決済することが可能なため、その場で実際の請求金額が確定できる。

 日本ではまだDCCの使える場所は限られているが、海外では空港やショッピングセンターなどを中心に利用できるところが多数存在する。日本でもインバウンド需要が戻って来ている中、フライトシステムの各ソリューションがDCCに対応することで訪日外国人の利便性に貢献したいと考えている。

■フライト決済センター構築の背景

 フライトシステムでは2010年から電子決済ソリューションを展開しており、主に決済装置と決済アプリケーションの開発・製造・販売を行ってきた。一方で、各カード会社や国際ブランドと接続するための決済センターについては、パートナー企業へ外部委託してサービスを提供してきた。
Tapionを開始するにあたり、必要とされる技術「Tap to Phone」(※3)において、毎決済ごとのセキュリティ監査など、新たなセキュリティ要件への対応が必要となり、従来の国内決済センターでは必要要件を満たすセンターが存在しないため、自社で専用決済センターを構築することになり、2022年11月のTapionパイロット運用からこのフライト決済センターでの運用を開始している。

■フライト決済センターの展開

 フライト決済センターでは、Tapionに限らず、全てのクレジット決済において安心・安全な決済環境を提供するだけでなく、決済データを自社で保有するため加盟店との精算業務もより効率化し、更に決済センター自体の拡張性も自社でコントロールできることから、キャッシュレス社会の拡大にシームレスで柔軟に対応することができる。今後は、従来展開してきた電子決済ソリューション全般をこのフライト決済センターへ接続すると共に、トータルでフライトシステムが運用していく予定である。

 第一弾として、「ペイメント・マイスター」とモバイル型決済装置「Incredist Premium II」の組み合わせによるフライト決済センターへの接続を行い、更にフライト決済センターの拡張機能として、DCC対応・銀聯カードへの対応をすることで、急回復が見込まれる訪日外国人のインバウンド需要の支払いニーズに応え、国内のキャッシュレスを推進していく。

<フライト決済センター概要>

 今後もフライトシステムでは既存決済ソリューションのみならず、Tapionやフライト決済センターの拡張を行っていき、日本市場におけるキャッシュレス決済普及拡大に努めていくとしている。

※1 タッチ決済
 日本を含む世界約200の国と地域で展開されている国際標準のセキュリティ認証技術を活用した決済方法である。対応の端末にタッチ決済対応のカード(クレジット・デビット・プリペイド)または、スマートフォン等をかざすだけで、サインも暗証番号の入力も不要※で、スピーディかつ安心・安全に支払いが完了する。利用できる店舗は、コンビニエンスストア、ファストフードレストラン、スーパー、飲食店、ドラッグストア、書店、百貨店、商業施設など、日常生活における利用シーンがますます拡大している。(※一定金額を超えるお支払いは、カードを挿し暗証番号を入力するか、サインが必要となる。)

※2 CAFIS GlobalGEARについて
 CAFIS Global GEARはクレジットカード会社様への接続を簡単にセキュアに実施できるサービスである。従来の専用線接続ではなく、インターネット接続かつオープンなプロトコルでの接続を可能にした。クレジット決済を簡単にシンプルに導入したいという要望を実現する。「CAFIS」、「CAFIS GlobalGEAR」、「CDS」は、NTTデータの国内における登録商標である。

※3 Tap to Phone
 市販のAndroidスマートフォンまたはタブレットを、追加的なハードウェアなしに、タッチ決済用の決済端末として利用できる新たな決済ソリューションである。Tap to Phoneは、すでに欧州、中東、アフリカ、アジア太平洋、南米の数多くの国々で稼働している。他にも「Tap on Phone」、「Tap on Mobile」などと呼ばれることもある。クレジットカード業界のセキュリティ標準化団体「PCI SSC」にて Tap to Phone向けのセキュリティ要件が定義されている。iPhoneも米国でTap to Phoneのサービスを発表しており、世界的にTap to Phoneが広がる様相を呈している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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