エイトレッドは年初来高値更新の展開、25年3月期増収増益・8期連続増配予想

 エイトレッド<3969>(東証スタンダード)はワークフローシステムのリーディングカンパニーとして、小規模企業向けクラウド型X-point Cloudと大手・中堅企業向けパッケージ型AgileWorksを主力としている。25年3月期は増収増益で8期連続増配予想としている。X-point Cloud、AgileWorksとも好調に推移し、積極投資による人件費などの増加を吸収する見込みだ。ストック収益が積み上がる収益構造であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は年初来高値更新の展開となって上げ足を速めている。基調転換を確認した形であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■ワークフローシステムの開発・販売を展開

 ソフトクリエイトホールディングス<3371>の連結子会社で、ワークフローシステム(ソフトウェア)の開発・販売およびクラウドサービスを展開している。

 ワークフローシステムとは、企業における稟議書、経費精算申請書、各種届け出書など、稟議・申請から承認・決裁に至る事務工程(ワークフロー)を電子化(システム化)するソフトウェア製品である。ワークフローシステムを導入することにより、業務プロセスの効率化(作業工数削減や時間短縮)、ペーパーレス化によるコスト削減(用紙・印刷・郵送・保管に係るコストの削減)、内部統制の強化(意思決定プロセスや承認日時のデータ化・可視化)などのメリットが得られる。

 主力製品は、中堅・中小企業(従業員1000名以下)向けクラウド型X-point Cloud、中堅・大手企業(従業員数1000名~数万名)向けパッケージ型AgileWorksである。収益はクラウド型が月額課金のクラウド利用料、パッケージ型が初期費用としてのライセンス料および年間サポートサービス料となる。

 また24年3月にはAgileWorksクラウド版の販売を開始した。AgileWorksパッケージ版は従業員数1000名~数万名といった大規模組織向けのワークフローシステムだが、AgileWorksクラウド版は従業員数500名程度の企業でも手軽に利用できるため、より幅広い企業規模のユーザーに提供することが可能になる。24年7月にはX-point Cloudの価格体系変更を予定している。

 なおクラウド型X-point Cloudへの移行により、以前の主力製品であった小・中規模企業向けのパッケージ型X-pointは22年3月に新規ライセンス販売を終了した。さらに25年3月には通常サポート終了、27年3月には延長サポート・追加ライセンス販売終了予定である。

 X-pointの新規ライセンス販売終了に伴うAgileWorksへのアップセルやX-point Cloudへの移行、AgileWorksクラウド版による未開拓領域への展開、X-point Cloudの価格体系変更による単価向上を推進する。

 23年12月にはX-point Cloudが、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が認証する令和3年度改正基準の「電子取引ソフト法的要件認証」を取得した。24年1月には情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO27001/ISO27017」を取得した。

■クラウドサービスが主力でストック型収益構造

 同社はクラウドサービスが主力でストック型収益構造となっている。24年3月期の製品別売上高は、クラウドサービスX-point Cloudが23年3月期比23.2%増の10億73百万円、大手・中堅企業向けパッケージ型AgileWorksが17.2%増の11億36百万円、パッケージ型X-pointが10.8%減の2億90百万円だった。

 全社ベースのCloud比率は2.7ポイント上昇して42.9%となった。ストック売上高は第1四半期が4億74百万円、第2四半期が4億91百万円、第3四半期が5億07百万円、第4四半期が5億31百万円で、ストック売上高比率は第1四半期が87.8%、第2四半期が77.6%、第3四半期が79.4%、第4四半期が77.1%だった。

 利用企業数は増加基調であり、24年4月にはワークフローシステムのシリーズ累計導入社数が4500社を突破した。24年1月時点の利用ユーザーアカウント総数は209万6035ユーザーとなった。また23年4月~24年3月の契約継続率はX-point Cloudが99.83%、AgileWorksが99.85%だった。

■社内文書電子化のリーディングカンパニー

 同社は社内文書(申請書・稟議書)電子化のリーディングカンパニーである。複数の市場調査レポートでワークフロー市場における出荷金額・売上金額実績シェア1位を獲得している。

 デロイト トーマツ ミック経済研究所の「コラボレーション・モバイル管理ソフトの市場展望2023年度版」では、X-point CloudがSaaS・ASP型ワークフロー市場シェア(出荷金額)で11年度から12年連続シェアNO.1(22年度実績の金額シェア25.1%)となった。さらにSMB(100人未満)向けワークフロー市場シェアでも12年連続NO.1(同45.2%)となった。また、22年度のワークフロー市場全体(パッケージ+SaaS・ASP型)のベンダー別売上金額シェアでは、パッケージ型X-pointの新規ライセンス販売を終了したものの、AgileWorksの伸長も寄与して12年連続2位となった。同社は特に小・中規模企業向けを強みとしている。

 テクノ・システム・リサーチの「2023年SaaSワークフロー市場データ」においては、X-point Cloudが、従業員数別メーカーシェア100人未満カテゴリー(シェア26.9%)および100人以上1000人未満カテゴリー(シェア34.1%)でシェアNO.1を獲得した。また売上高別メーカーシェア100億円未満カテゴリー(シェア35.9%)および100億円以上1000億円未満カテゴリー(シェア30.3%)でシェアNO.1を獲得した。

 スマートキャンプ社が、今もっとも評価されているSaaSを表彰する「BOXIL SaaS AWARD Summer 2023」ワークフローシステム部門においては、X-point CloudがGood Serviceを受賞した。

 富士キメラ総研の「ソフトウェアビジネス新市場2023年版」においては、X-point CloudがSaaSワークフロー市場占有率推移(金額)で、7年連続(16年度~22年度)でシェア第1位を獲得した。

 アイティクラウド「ITreview Grid Award 2024 Spring」では、AgileWorksおよびX-point Cloudが、ワークフロー部門において最高位の「LEADER」を9期連続で受賞した。

■開発特化型企業

 事業戦略の基本は、日本型業務プロセスに適した製品によって他社製品との差別化を図る、導入企業ごとの個別カスタマイズを行わずに開発コストを抑制する、開発に特化して販売パートナー企業(販売代理店)を活用するとしている。販売パートナーは大手SIerなどで構成され、全国に営業網を構築している。

■ワークフローシステム「デジタル申請・稟議書」市場は拡大基調

 電子文書を導入せずに、依然として紙・手書きベースで事務処理を行っている企業が多いが、今後は中堅・中小企業においても、業務効率化を実現するワークフローシステム「デジタル申請・稟議書」の導入が加速し、市場は拡大基調が予想される。こうした事業環境に対応し、X-point CloudとAgileWorksを主力として、カバレッジ拡張や他社サービスとの連携を強化しながら売上拡大を推進する方針だ。

■25年3月期は増収増益で8期連続増配予想

 25年3月期の非連結業績予想は、売上高が24年3月期比11.9%増の28億円、営業利益が11.4%増の11億70百万円、経常利益が11.0%増の11億70百万円、当期純利益が9.8%増の7億84百万円としている。配当予想は24年3月期比6円増配の32円(第2四半期末16円、期末16円)としている。8期連続増配予想で予想配当性向は30.6%となる。

 製品別売上高の計画はCloudが27.1%増の13億65百万円、AgileWorksが5.8%増の12億02百万円、X-point(22年3月に新規ライセンス販売終了)が20.0%減の2億32百万円の計画としている。Cloudは引き続き需要が拡大基調であり、24年7月からのX-point Cloudの新価格体系開始も寄与する見込みだ。さらにAgileWorksクラウド版(24年3月リリース)の認知度向上にも注力する。

 営業利益(+1億20百万円)の変動計画は、クラウドサービス売上増加で+2億91百万円、人件費増加で▲1億15百万円、減価償却費増加で▲62百万円、クラウドインフラコスト増加で▲22百万円、その他で+28百万円としている。

 25年3月期は増収増益で8期連続増配予想としている。X-point Cloud、AgileWorksとも好調に推移し、積極投資による人件費などの増加を吸収する見込みだ。クラウドサービスの拡大に加え、ストック収益が積み上がる収益構造であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は9月末と3月末の年2回

 株主優待制度は年2回、毎年9月末および3月末時点の株主を対象として、保有期間および保有株式数に応じてオリジナルQuoカードを贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は年初来高値更新の展開

 株価は年初来高値更新の展開となって上げ足を速めている。基調転換を確認した形であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。7月3日の終値は1755円、今期予想PER(会社予想のEPS104円71銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の32円で算出)は約1.8%、前期実績PBR(前期実績のBPS608円12銭で算出)は約2.9倍、時価総額は約131億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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