宿泊業倒産89件、2年連続増加、老朽化対応できぬ地方中小に打撃

■老朽化・投資不足が直撃、地方で倒産・廃業7割超

 帝国データバンクは2月6日、2025年に発生した「宿泊業」の倒産・休廃業解散動向について調査結果を発表した。2025年の宿泊業倒産は89件となり、前年から11件増加して2年連続の増加となった。休廃業・解散は178件にのぼり、年間で計267件の宿泊事業者が市場から退出した。

■高単価需要拡大の裏で進む淘汰、人手不足とコスト高も重荷

 背景には、訪日客の増加に伴う「高単価・高付加価値」需要の拡大がある。一方で、その需要に対応するための設備投資ができない施設では淘汰が進み、経営の二極化が鮮明となった。倒産・廃業の地域別では、三大都市圏を除く地方が75.3%を占め、インバウンド需要の回復が限定的だった地方の中小旅館や小規模ホテルで行き詰まりが目立った。

 倒産要因では、実質無利子・無担保融資の返済負担に加え、人手不足、原材料高、光熱費上昇といったコスト増が経営を圧迫している。さらに、訪日客や富裕層を中心に体験価値を重視する動きが強まり、最新設備を備えた高単価施設に資本と人材が集中する一方、債務増加で投資余力を失った老舗旅館や中小ホテルが市場から退出する事例が増えている。

 直近5年間では、倒産要因に「老朽化」や「修繕」「故障」を含むケースが58件と全体の14.6%を占め、過去期間と比べても上昇傾向にある。宿泊業では5~10年ごとのリノベーションが不可欠とされるが、投資余力に乏しい事業者も多い。帝国データバンクは、デジタル対応や老朽化対策の成否による選別が、2026年にかけてさらに進行する可能性があると指摘している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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