ジェイテックは19年3月期大幅増益予想で収益改善期待

日インタビュ新聞ロゴ

 ジェイテック<2479>(JQ)は技術者派遣の「技術商社」を標榜し、技術職知財リース事業を展開している。18年3月期は減益だったが、19年3月期は大幅増益予想である。収益改善を期待したい。

■技術者派遣の「技術職知財リース事業」が主力

 製造業の開発・設計部門に技術者を派遣する「技術職知財リース事業」を主力としている。専門教育による知識を基盤として、新たな付加価値を顧客に提供する社員を「テクノロジスト」と呼称し、一般的なエンジニアと区別していることが特徴だ。そして「技術商社」を標榜し、テクノロジストが保有する知恵を提供(リース)することで、顧客とともに新たな価値を創造する「技術職知財リース事業」としている。

 機械設計開発、電気・電子設計開発、ソフトウェア開発、建築設計の4分野を柱として、LIXIL、本田技術研究所、ヤマハ発動機、デンソーテクノ、三菱日立パワーシステムズ、富士通テンなど幅広い業種の優良企業との取引がある。特定の業界・企業への依存度を低くして、業種別・顧客別売上構成比のバランスを維持していることも特徴だ。

 18年3月には、派遣社員の勤怠状況をインターネットを通じて管理するクラウドサービス「staff-one」の販売を開始した。

■18年3月期減益だが、19年3月期は大幅増益予想で収益改善期待

 18年3月期の連結業績は、売上高が17年3月期比8.3%減の30億54百万円、営業利益が37.4%減の77百万円、経常利益が38.1%減の76百万円、純利益が62.4%減の33百万円だった。テクノロジストの計画どおりの確保が難しく、売上高が計画未達となり、それに伴って売上総利益が減少した。なお特別損失に減損損失27百万円を計上した。

 セグメント別に見ると、技術職知財リース事業は売上高が7.3%減の29億09百万円で営業利益が10.0%減の3億85百万円、一般派遣およびエンジニア派遣事業は売上高が21.1%減の1億52百万円で営業利益が9百万円(17年3月期は4百万円の赤字)だった。

 19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比10.3%増の33億69百万円、営業利益が38.1%増の1億07百万円、経常利益が39.1%増の1億06百万円、純利益が2.3倍の79百万円としている。採用活動の強化で技術職知財リース事業の伸長を図り、システム開発受託・請負業務にも注力する方針だ。収益改善を期待したい。

 18年3月期の配当は記念配当を落として17年3月期比1円減配の年間1円(期末一括)とした。19年3月期の配当予想は18年3月期と同額の年間1円(期末一括)で、予想配当性向は10.8%となる。

 中期経営計画では目標値に、20年3月期売上高36億37百万円、営業利益1億11百万円、経常利益1億10百万円、純利益83百万円を掲げている。人材確保が課題だが中期的に事業環境は良好だろう。

■株価は反発期待

 株価はクラウドサービス販売開始を材料視して乱高下したが、その後は240円~260円近辺でモミ合う形だ。そして19年3月期大幅増益予想にも反応薄だ。

 5月9日の終値236円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS9円22銭で算出)は約26倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は約0.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS97円20銭で算出)は約2.4倍である。時価総額は約20億円である。

 週足チャートで見ると高値圏で長い上ヒゲを付けたが、下値は13週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。反発を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AI機能強化でさらに便利に!Siriの進化とChatGPT統合で作業効率向上  Appleは3月…
  2. ■ChatGPT Enterpriseを活用し、業務効率化と新たな価値創造を推進  ふくおかフィナ…
  3. ■2024年度の美容室倒産件数、前年を大幅に上回る197件  帝国データバンクの調査によると、20…
2025年5月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

ピックアップ記事

  1. ■スタンレー電気など年初来安値銘柄の業績見通しに焦点  日経平均株価が4月に大幅下落する中、年初来…
  2. ■トランプ劇場、急転換の舞台裏!米中摩擦、FRB人事…予測不能な変幻自在  「クルマは急に止まれな…
  3. ■5大商社決算発表を前に高まる投資家の期待感  世界三大投資家の一人ウォーレン・バフェットが日本の…
  4. ■「市場の反乱」の一段落で「市場の勝利」を期待しバフェット流に商社株にバリュー株投資も一考余地  …
  5. ■株価55%高もまだ割安!?記念優待利回り10%超の注目株  10日には米国の関税発動停止を受け、…
  6. ■一喜一憂の投資家心理、トランプ関税「一時停止」の罠  まずフェイクニュースかと目と耳を疑った。次…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る