鴻池運輸2ケタ増益、長期経営計画にも注目、株価高値圏で頑強にモミ合う

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チャート6 鴻池運輸<9025>(東1)は、年初来高値が1310円(4月1日)、同安値が1226円(3月30日)で22日9円高の1293円と高値圏で強いモミ合いとなっている。

 「KONOIKEグループは、高い品質のサービスを提供し、世界の人々の幸福と安全で安心な社会の実現に役立つプロフェッショナルサービス集団を目指します」を経営理念として、創業以来、顧客の多様なニーズに応えることで、顧客と共に成長している。同社グループの存在意義は、製造から物流に至る全工程にわたるサービスを提供することで「お客様が安心してコアコンピタンスに集中していただけるようにすること」であるため、同社グループは、業界に精通した単なるエキスパートではなく、顧客のニーズを的確に捉え、一体となって価値を創造、提供していくことができる「プロフェッショナルサービス集団」でなければならないと考えている。

 前2015年3月期業績予想は、売上高が2437億円(前の期比5.3%増)、営業利益が96億円(同20.9%増)、経常利益が94億円(同17.4%増)、純利益が54億円(同23.6%増)を見込む。年間配当は45円(同15円増)を予定している。鉄鋼関連分野における生産工程請負業務の増加や、医療関連分野ならびに空港関連分野の伸長などが寄与し、前期業績予想は達成できる見通し。

 創業140周年にあたる2021年3月期には売上高3500億円、営業利益200億円、ROE9.6%の長期的な目標を掲げ、その第一段階として18年3月期に売上高3000億円、営業利益150億円を計画している。経営戦略として、「国内の経営基盤の強化」、「グローバル展開の加速」、「M&A・事業提携の検討」に総力を挙げて取り組んでいる。同社グループが重視する経営指標は、売上高成長率、営業利益率、及びROE(自己資本純利益率)。同社グループでは、これらの指標を継続的に改善させることにより、中長期的な株主価値の向上を目指している。この計画に沿った形で今16年3月期業績予想は示される見通しで、5月11日に予定される本決算の発表に期待が持てる。

 株価は、1月5日高値1327円、3月13日に1334円と買い直された後、1250円割れを下値にモミ合っている。3月にはアジアを中心に計13拠点で国際航空・海上輸送事業を運営する、香港のフォワーディング会社を関連会社化。将来的には完全子会社化を目指しており、M&Aの展開に対する市場の関心は高まっている。13週移動平均線がサポートしており、トレンドは崩れていない。前期予想PER13倍台・PBR0.89倍と割安感があり、押し目買い妙味が膨らもう。

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