プロの揺さぶりにまどわされず好業績株の押し目買い=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛

■機関投資家などプロ主導の相場が続く

犬丸正寛の相場展望 来週も、機関投資家中心のプロ主導による加熱感なき強い相場が続きそうだ。

先の金融改革では、機関投資家をプロ、個人投資家をアマチュアと区分けしており、投資経験の豊富な個人投資家であってもプロとは呼ばない。

その個人投資家は信用取引を多用しない小口短期売買が中心となっている。下値に年金等の買いが入っているような銘柄を中心に1日間、あるいは数日での超短期投資を行っているものとみられる。

一方、信用買いを使った個人買いは低調で、たとえば、信用買残株数でみればピークの52億株程度に対し10億株も少ない40億株ていどで推移し盛り上がりはまったくみられない。その分、相場に対し上値圧迫感がなく、加熱感もない状況となっている。機関投資家がマイペースで上昇相場を形成している展開といえるだろう。

 日経平均は2万200円台へ高値更新となっているが、出来高の盛り上がりはなく、静かな中での2万円突破という雰囲気である。かつてなかった展開といえるだろう。

今後も個人の信用買残が膨張しない限り際立った天井形成はなさそうでプロ主導の上昇相場が予想される。

これからも、外国人投資家や機関投資家は個人が強気になれば慎重となって利食いを先行させるだろうし、個人が弱気になれば買ってくることが予想される。こうした展開に個人が勝負するには、(1)短期売買なら、機関投資家の買いそうな銘柄を押し目で買い、高くなったら利食うという逆張り投資、(2)中期投資なら業績のよい銘柄を26週線近くまで押したところで仕込む、(3)全体相場にはあまり意識せず業績中心に個別銘柄ウオッチに力を入れる、ことだろう。

とくに、個人にとって大切なことは、プロの好むマクロがどうだとか、金融政策がどうだとか、ギリシャがどうだとかといった材料に過大な関心を持たないことだ。企業々績がしっかりしている間は、少々の悪材料では相場が大崩れすることは考え難い。マクロ研究に神経を使うより今は個別銘柄ウオッチに時間使うのがを有利である。

プロというもの、勝負の世界ではいろいろな手を使って揺さぶりをかけてくるものである。景気、企業々績が天井を打っていない今の局面では個人投資家は、マクロはプロに任せて個別銘柄のミクロ重視で望むところである。ただ、5月下旬頃には、恐らく、プロは冷やりとするような下げを演出してくるものと思われるが、それまでは強気で臨むところだろう。

3月期決算が本格化する。2016年3月期業績の良さそうな銘柄を四季報等で見つけて押し目を丹念に狙っていくのがよいと思われる。アマがプロに勝つには、図体の大きいプロに比べ小回りのきく点を大いに発揮することだろう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る