【特集】マーケットのさらなる流動化の享受を期待して証券株、続いて地銀株にも注目

東証アローズ 東京証券取引所

特集 「巣ごもり投資家」は、防疫関連株から巣ごもり消費関連株、テレワーク関連株、新規株式公開株まで幅広く買い向かったが、今回は、そうしたことも含めてマーケットのさらなる流動化の享受を期待してまず証券株である。

証券株が、四半期の好業績評価で昨年と同様にリバイバル相場を強めるようなら続いて注目されるのが、地銀株である。地銀株も、消費に回らない現金給付の受け皿になるはずであり、同様に多くが、解散価値のPBRが大きく1倍台を下回っており、究極のバリュー株人気を高めよう。

■証券株の選別ポイントは四半期ごとの純利益の積み上がり動向

証券株の四半期決算には、2つのパターンがある。これを株価的に端的に反映したのが藍沢証券<8708>(東1)と光世証券<8617>(東1)である。藍澤証券の今3月期第3四半期業績発表は、今年1月20日大引け後、光世証券は1月21日後場取引時間中で、これを受けた両社の21日の株価は、藍澤証券が3日続伸して昨年来高値を更新したのに対して、光世証券は前場高値から10%超の急落となった。これは、四半期の3カ月ごとの純利益の増益が続いているかどうか厳しく選別した結果で、藍澤証券の第3四半期の純利益は、固定資産の譲渡益や投資有価証券の売却益の寄与などで連続増益となっており、光世証券の第3四半期の純利益は、赤字着地したことの違いによるものだ。

前週末22日まで今期第3四半期業績の速報値を発表した証券株のうち、藍澤証券タイプとなるのは、同じく投資有価証券の売却益も寄与する丸三証券<8613>(東1)のほか、今村証券<7175>(JQS)、極東証券<8706>(東1)、岩井コスモホールディングス<8707>(東1)などが浮上する。また1月28日に発表予定の岡三証券グループ<8609>(東1)、松井証券<8628>(東1)、日本取引所グループ<8697>(東1)、29日予定の東海東京フィナンシャル・ホールディングス<8616>(東1)、2月3日予定の野村ホールディングス<8604>(東1)の第3四半期業績の動向も注目される。

■地銀株の株価パターンは2通りあり少数派の昨年来高値銘柄に狙い

地銀株の株価動向も、2パターンに分かれる。大多数が、昨年来高値を昨年1月につけ、同3月にコロナ・ショック安に巻き込まれて昨年来安値と売られた。もう一つのパターンは、昨年来安値は昨年3月につけたが、その後、昨年来高値を6月、9月、10月、11月につけた銘柄である。業績の上方修正や業界再編思惑などが株価にプラスに働いた結果である。このパターンの地銀株は、やはりPBRが0.2倍~0.4倍となっており、このうちPER評価が割り負けている10銘柄を上げると、6倍台の山口フィナンシャルグループ<8418>(東1)以下、愛媛銀行<8541>(東1)、ほくほくフィナンシャルグループ<8377>(東1)、大垣共立銀行<8361>(東1)、紀陽銀行<8370>(東1)、北洋銀行<8524>(東1)、静岡銀行<8355>(東1)、トマト銀行<8542>(東1)、大東銀行<8563>(東1)と続き、「究極のバリュー株」人気の再燃が期待される。

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