【どう見るこの株】ピクスタの21年12月期は先行投資で減益予想だが上振れ余地

 ピクスタ<3416>(東マ)は、デジタル素材のオンラインマーケットプレイス「PIXTA」運営を主力としている。21年12月期は先行投資負担で減益予想としているが上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は急反発の動きとなった。基調転換する展開を期待したい。

■デジタル素材のオンラインマーケットプレイス「PIXTA」が主力

 クリエイティブ・プラットフォーム事業として、インターネット上で写真・イラスト・動画・音楽等のデジタル素材を販売するオンラインマーケットプレイス「PIXTA」を主力としている。国内外のクリエイターからクラウドソーシング形式でデジタル素材を収集し、素材を必要とする法人・個人向けに販売する。21年6月期末時点で投稿クリエイター登録数が約36万人、購入者登録数が約51万人、素材点数が約6300万点となった。

 16年2月開始した出張撮影プラットフォーム「fotowa」は、撮影してほしい人とフォトグラファーをつなぐ出張撮影プラットフォームである。21年6月期末時点でプロフォトグラファー登録数が約1000人、口コミ登録数が約2万5700件、累計撮影件数が約5万件となった。

 16年8月に事業譲り受けたスマホ写真マーケットプレイス「Snapmart」は、一般ユーザーが主にスマホで撮影して投稿した社員を、ソーシャルメディア広告などにおける広告素材として使用することを可能にするサービスである。21年6月期末時点で投稿クリエイター登録数が約20万人、購入者登録数が約9000人、素材点数が約450万点となった。

■21年12月期は先行投資負担で減益予想だが上振れ余地

 21年12月期の連結業績予想は、売上高が20年12月期比5.9%増の27億80百万円、営業利益が59.4%減の15百万円、経常利益が95.6%減の1百万円、当期純利益が0百万円(20年12月期は1億12百万円の赤字)としている。

 取扱高が伸長して増収予想(PIXTA事業は2.6%増収、fotowa事業は35.3%増収、Snapmart事業は46.2%増収の計画)だが、利益面はfotowa認知度向上に向けた先行投資を継続するため、広告宣伝費の増加で減益予想としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比8.2%増の13億61百万円、営業利益が89百万円(前年同期は5百万円)だった。PIXTA事業は4.4%増収、fotowa事業は79.9%増収、Snapmart事業は53.0%増収と好調に推移した。利益面は新型コロナ影響で先行投資が期ズレとなったことも寄与した。

 第3四半期以降、特に七五三シーズンに向けて認知度投資を加速するため通期予想を据え置いているが、各事業とも伸長して通期予想に上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は底打ちして急反発の動きとなった。週足チャートで見ると26週移動平均線に続いて52週移動平均線も突破した。基調転換する展開を期待したい。9月27日は1226円まで上げている、時価総額は約27億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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