【どう見るこの相場】『一年の計』のゲームチェンジなら「歌会始め」のお題関連の住友グループ株に着目

どう見るこの相場

 「寅年」だから『前門の虎、後門も狼』なのだろうか?虎のカゲには弱気相場の象徴の熊(ベア)まで見え隠れして、一難去って一難どころか二難、三難の逆運と不安心理が募る。『前門の虎』は、もちろん今週25日から26日に開催されるFRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公開市場委員会)だが、このほかウクライナを巡る地政学リスク、資源価格の高騰、「オミクロン型」の感染爆発などと続き、この新型コロナウイルス感染症の国内の新規感染者数が「第5波」を上回る過去最悪の「第6波」が進行中だ。

 話が違うのである。2022年新年相場は、大方の予想では新春高から日経平均株価の高値予想は3万2000円、主役銘柄は半導体関連株、カーボン・ニュートラル銘柄とする楽観シナリオが大半だったが、その相場予想は、1カ月の経たないうちに消失の危機にあるためだは。またFRBがインフレ退治向け金融政策の正常化を急ぐことから、これまでの金融相場、需給相場から業績相場に方向転換するとされたが、米国市場では金融大手のゴールドマン・サックスが12年ぶりに過去最高を更新する2021年12月期決算を発表したにもかかわらず、株価が急落したことも先行きを不透明化させた。前週末21日の米国市場では、ダウ工業株30種平均は450ドル安と6日続落しトレンドが壊れたとも観測されただけに、きょう週明けの東京市場も、先行調整したとはいうものの相当のギャップダウンを覚悟しておく必要がありそうだ。

 『一年の計は元旦にあり』とされるが、その楽観シナリオの「一年の計」の練り直しに早くも迫られることになる。株式投資には「買う」、「売る」「休む」の3つの投資行動があるが、まずこの基本に立ち返るのが先決となる。仮に「買い」の結論に達したなら、次は足元の二難・三難相場から距離を置くマーケット・ディスタンス、ゲームチェンジを考えるのがスジとなるだろう。そこで温故知新である。かつての平常時の東京市場では、新春相場の出だしは、「歌会始め」のお題関連株探しや節分のころから飛散が始まる花粉の花粉症関連株などで小手調べすることから始まっていた。まだお屠蘇の酔いが残っている間はややこしい理屈は受け付けないのである。これにならって今週の特集では、この「歌会始め」の関連株をターゲットにスクリーニングすることとした。

 今年1月18日に皇居で開催され10首が入選した2021年(令和4年)の「歌会始め」のお題は、「窓」であった。この「窓」を先取りする関連株として例えば窓ガラスのAGC<5201>(東1)の2021年の年間上昇率は52.4%、サッシ(窓枠)のLIXIL<5938>(東1)は同じく37.1%と日経平均株価の同4.9%をオーバーパフォームした。また2021年の歌会始めのお題は「実」だったが、お題を社名に含む荏原実業<6328>(東1)の年間上昇率は82.3%と日経平均株価の上昇率24.7%を上回ったケースもあった。お題関連株が、年間を通して上昇トレンドに乗っていたことを示唆しているとも受け取れるのである。「一年の計」のゲームチェンジとして、このお題関連株に着目することも、あるいは有望かもしれないのである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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