【注目銘柄】小野建は3Q業績減益転換も前向きに評価し増配配当の権利取り再燃

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 小野建<7414>(東証プライム)は、前日16日に6円高の1486円と反発して引け、25日移動平均線水準での三角保ち合いに煮詰まり感を強めた。同社の今年2月10日に開示した今2023年3月期第3四半期(2022年4月~12月期、3Q)業績が、減益転換して着地したが、昨年11月に上方修正された今期通期予想業績に対して順調な利益進捗率を示したことで前向きに評価して割安株買いが再燃し、同じく増配された今期配当を見直し権利取りの買い物も交錯した。同社の年間配当利回りが、東証プライム市場の高配当利回りランキングの第35位と上位にランクされていることも側面支援している。

■前向き投資負担で減益転換も3Q利益進捗率は目安の75%を上回る

 同社の今期3Q業績は、売り上げ1923億9200万円(前年同期比18.3%増)、営業利益73億4800万円(同26.7%減)、経常利益74億7000万円(同26.7%減)、純利益49億1100万円(同28.3%減)と増収減益となった。売り上げは、鉄鋼商品販売業で販売数量はほぼ前年同期並みとなり、鉄鋼商品市況の上昇とともに販売価格も上昇し、建材商品販売業でも土木商品が増加し、工事請負業でも大型案件中心に工事が順調に進行して続伸した。損益面では、鉄鋼商品市況高止まりで仕入れ単価上昇により利益率が低下したほか、燃料費高騰による運賃上昇、人員増加による人件費負担増、さらに販売エリア・販売シェア拡大に向けた新営業拠点の新・増設、自社加工増強に向けた加工機導入などの積極的な設備投資による減価償却費増などが重なり減益となった。

 ただ3Q業績は、昨年11月に上方修正された今期通期予想業績に対して76%~79%の利益進捗率となり目安の75%を上回った。今期通期業績も、売り上げ2629億円(前期比18.0%増)、営業利益92億8200万円(同21.0%減)、経常利益95億500万円(同20.6%減)、純利益64億6100万円(同20.7%減)と見込み、対前期比では減益ながら期初の減益転換率が縮小する。このため連結配当性向を30%とする利益還元策の原則に従って、年間配当を期初予想の80円から83円(前期実績109円)へ増配し、前期からの減配幅を縮小させる。

■GCを手掛かりに低PER・PBR修正で昨年来高値を目指す

 株価は、業績上方修正・増配が相次いだ前期業績を手掛かりに買われた昨年来高値1750円からロシアのウクライナへの軍事侵攻による世界同時株安で1495円安値へ調整し、配当権利落ちと今期業績の減益転換予想で昨年来安値1363円まで再調整した。同安値からは下げ過ぎ修正に今期業績の上方修正・増配も加わって今年1月の1570円までリバウンドし、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆し、足元では75日線で下値を確認している。配当利回りの5.58%はもちろん、PERも5.37倍、PBRも0.41倍と割り負けており、今年1月高値1570円更新から昨年来高値1750円奪回に進もう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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