【注目銘柄】シュッピンは月次売上高の連続プラスを手掛かりに1Q決算を先取り

■割り負け修正買い再燃で株価反発

 シュッピン<3179>(東証プライム)は、前日19日に25円高の1058円と3営業日ぶりに反発して引けた。同社は、今年8月8日に今2024年3月期第1四半期(2023年4月~6月期、1Q)決算の発表を予定しているが、これに先立ち7月7日に発表した今年6月度の売り上げが、全社、ECとも2カ月連続で前年同月を上回ったことを手掛かりに1Q業績に期待を高めてリユース関連の割り負け修正買いが再燃した。テクニカル的にも、年初来安値817円から今年7月4日の戻り高値1195円までのリバウンド幅の3分の1押し水準からの出直りで目先調整一巡として打診買いされている。

■高級時計の価格下落が一服し在庫水準適正化、仕入れ競争力強化も寄与

 同社の月次売上高は、今年2月に発表した1月度から大きく悪化した。経営の2本柱となっている時計事業で、2022年春以来、高級時計の価格が全世界的に急落し、この代表のロレックスなどは30%超も値下がりをしたことが要因となった。1月度の全社売上高は前年同月比29.5%減、EC売上高も同18.2%減となった。このマイナスは、その後も継続し、今年6月7日に発表した5月度の月次売上高が、やっと5カ月ぶりに揃ってプラスと転換し、全社で前月同月比16.6%増、ECが同16.4%増となり、続く6月度売上高も連続プラスとなった。今年1月を境に高級時計の価格下落に一服感が出て、在庫水準の適正化や仕入れ競争力を強化したことなどが要因となった。

 業績は、この月次売上高の波乱とともに大きく変動した。今年2月の月次売上高のマイナス転換発表とともに、前2023年3月期業績を下方修正し、期中に増配した配当も減配した。純利益は、期初予想の23億9800万円が15億8700万円に引き下げられ、実際の着地は16億9700万円(前々期比23.1%減)と前々期の過去最高から2ケタ減益となった。今2024年3月期業績は、売り上げ500億2800万円(前期比9.7%増)、営業利益31億2200万円(同26.8%増)、経常利益30億9200万円(同26.8%増)、純利益21億3300万円(同25.7%増)と増益転換を予想し、配当も年間33円(前期実績30円)と連続増配を予定している。今期第2四半期(2023年4月~9月期、2Q)累計業績はなお増収・減益転換予想にあるが、8月8日発表予定の今期1Q決算がどのような進捗を示すか注目されている。

■PER10倍、配当利回り3.1%と同業他社に割り負けまず年初来高値奪回

 株価は、年初来高値1251円から今年2月の前期業績の下方修正・減配がネガティブ・サプライズになって窓を開けて年初来安値817円まで急落した。同安値からは売られ過ぎ修正に今期業績の増益転換・増配予想、月次売上高のプラス転換と続いて1195円までリバンドし、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現し上昇トレンド転換を示唆した。ただ足元では再び25日線を下抜く調整となっているが、PERは10.4倍、配当利回りは3.11%と同業のリユース株には大きく割り負けている。まず戻り高値抜けから年初来高値1251円を奪回し、昨年6月高値1574円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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