ベステラは25年1月期大幅増益予想

(決算速報)
 ベステラ<1433>(東証プライム)は3月8日の取引時間終了後に24年1月期連結業績を発表した。人材(工事監督)の採用が順調だったことも寄与して完成工事高が想定以上に進捗し、大幅黒字転換で着地した。そして25年1月期も大幅増益予想としている。受注残高が高水準であり、完成工事高が順調に進捗する見込みだ。老朽化プラント解体工事の増加などで中期的に事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は水準を切り上げて安値圏でのボックスレンジから上放れの形となった。上値を試す展開を期待したい。

■24年1月期大幅黒字転換、25年1月期大幅増益予想

 24年1月期の連結業績は、売上高が23年1月期比72.1%増の93億94百万円、営業利益が2億46百万円(23年1月期は2億15百万円の損失)、経常利益が4億07百万円(同94百万円の損失)、親会社株主帰属当期純利益が2億31百万円(同64百万円の損失)だった。配当は23年1月期と同額の20円(第2四半期末10円、期末10円)とした。配当性向は76.7%となる。

 低採算工事の影響や人材投資関連費用の増加があったものの、人材(工事監督)の採用が順調だったことも寄与して完成工事高が想定以上に進捗し、大幅黒字転換で着地した。M&Aによる新規連結(23年8月にオダコーポレーション、およびその子会社のTOKENを新規連結)も寄与した。なお営業外収益では保険解約返戻金51百万円を計上した。

 解体・メンテナンス事業(24年1月期第3四半期より、従来のプラント解体事業を名称変更)の売上高(完成工事高)は74.3%増の91億36百万円、営業利益(全社費用等調整前)が69.3%増の14億23百万円だった。

 24年1月期の完成工事高の業界別構成比は電力が19%、製鉄が29%、石油・石化が30%、ガス32%、3Dが1%、環境が11%、その他が7%(23年1月期は電力が14%、製鉄が27%、石油・石化が27%、ガスが5%、3Dが2%、環境が15%、その他が10%)だった。完成工事高に占める元請案件は32億08百万円で元請比率は35%(同13億15百万円で25%)だった。単体ベースの完成工事高は76億12百万円で工事監督者1人当たり完成工事高は130百万円(同44億25百万円で90百万円)だった。単体ベースの工事監督者数は13人増加して63人となった。

 受注工事高は83.9%増の128億71百万円で過去最高となり、期末受注残高は111.4%増の70億87百万円となった。期末受注残高の業界別構成比は電力が17%、製鉄が51%、石油・石化が27%、ガスが1%、環境が1%、その他が3%(23年1月期は電力が9%、製鉄が10%、石油・石化が74%、ガスが1%、環境が5%、その他が%)となった。

 その他事業(人材サービス事業など)の売上高は19.3%増の2億58百万円、営業利益が96.1%増の96百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が15億37百万円で営業利益が35百万円の損失、第2四半期は売上高が17億91百万円で営業利益が26百万円の損失、第3四半期は売上高が25億34百万円で営業利益が1億61百万円、第4四半期は売上高が35億32百万円で営業利益が1億46百万円だった。

 25年1月期の連結業績予想は売上高が24年1月期比6.4%増の100億円、営業利益が70.1%増の4億20百万円、経常利益が27.6%増の5億20百万円、親会社株主帰属当期純利益が51.4%増の3億50百万円としている。配当予想は24年1月期と同額の20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。予想配当性向は50.6%となる。

 脱アクションプラン(中期経営計画)で掲げた目標の完遂に向けて成長投資や構造改革を継続するため費用が増加するが、受注残高が高水準であり、完成工事の順調な進捗により増収・大幅増益予想としている。利益面では前期の低採算案件の一巡も寄与する見込みだ。老朽化プラント解体工事の増加などで中期的に事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は急反発して安値圏でのボックスレンジから上放れの形となった。上値を試す展開を期待したい。3月8日の終値は1149円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS39円50銭で算出)は約29倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS461円31銭で算出)は約2.5倍、そして時価総額は約103億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る