クリナップは22年3月期1Q大幅増収で黒字転換、通期上振れの可能性

(決算速報)
 クリナップ<7955>(東1)は8月5日の取引時間終了後に22年3月期第1四半期連結業績を発表した。新型コロナ影響緩和や販売強化で大幅増収となり、原価低減効果も寄与して黒字転換した。通期予想を据え置いたが上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は下値を切り上げている。第1四半期業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■22年3月期1Q大幅増収・黒字転換、通期上振れの可能性

 22年3月期第1四半期連結業績(収益認識に関する企業会計基準第29号適用)は、売上高が前年同期比22.1%増の269億01百万円となり、営業利益が10億90百万円(前年同期は5億07百万円の赤字)、経常利益が12億35百万円(同4億34百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が7億52百万円(同4億76百万円の赤字)だった。

 収益認識に関する企業会計基準第29号適用の影響で、売上高が1億46百万円増加、売上原価が2億36百万円増加、販管費が4百万円増加、営業利益が93百万円減少、営業外費用が1億04百万円減少、経常利益が10百万円増加した。

 売上面では新型コロナ影響が和らぎ、ショールームにおける販売強化などで大幅増収だった。事業別売上高は厨房部門が23.3%増の210億56百万円、浴槽・洗面部門が17.0%増の39億75百万円だった。利益面は原価低減効果も寄与して黒字転換した。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が21年3月期比5.6%増の1100億円、営業利益が7.1%増の28億円、経常利益が6.8%増の29億、親会社株主帰属当期純利益が3.1%増の18億円としている。配当予想は20年3月期と同額の20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。

 新型コロナウイルスの影響が不透明だが、積極的な営業活動、生産設備の整備、ショールームの改装、情報基盤整備への投資、原価低減、全社的なコスト削減を推進するとしている。第1四半期の進捗率は売上高24.5%、営業利益38.9%と順調であり、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は下値を切り上げている。第1四半期業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。8月5日の終値は541円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS48円79銭で算出)は約11倍、時価総額は約203億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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