【注目銘柄】JSHは精神障がい者雇用拡大で大幅増益見込み、上場来高値奪回へ再々チャレンジ

■新農園オープンを先取り連続大幅増益業績を手掛かりに押し目買い一考余地

 JSH<150A>(東証グロ-ス)は、前日5日に11円安の596円と変わらずを含めて3営業日続落して引けた。東証グロース市場指数が、9.93ポイント安の802.52と反落したことから600円台固めを続けてきた同社株も目先の利益を確定する売り物に押された。ただ同社株は、今年3月26日に新規株式公開(IPO)され、今年7月には精神障がい者を雇用する18カ所目の「コルディアーレ福岡農園」をオープン予定で、次いで今年6月3日には9月の19カ所目の「コルディアーレ熊本南農園」のオープンを発表しており、この先取りに加えて大幅増益が予想されている今2025年3月期業績も手掛かりに割安修正の押し目買いも一考余地がありそうだ。テクニカル的にも、上場来高値1008円から上場来安値481円までの調整幅の半値戻しを2回達成しており、再々チャレンジ期待を高めよう。

■障がい者就労の農園区画数は32%増と続伸し受け入れ数も26%増と大幅増

 同社は、精神障がい者の在宅医療を支援する在宅医療事業と、精神障がい者の就労を受け入れる「コルディアーレ農園」により雇用を促進する地方創生事業を展開している。このうち地方創生事業では、2023年3月に障害者雇用促進法施行令が改正され、法定雇用率が2.3%から2.5%に引き上げられ、2026年7月にはさらに2.7%引き上げられることから利用企業が増加している。今年7月にオープン予定の「コルディアーレ福岡農園」は、区画数が48区画で障がい者144名の就労が可能となっている。さらに9月オープンの「熊本南農園」は、総区画数30区画、就労可能数90名となっており、今2025年3月期通期では400名程度の就労受け入れを計画している。

 このほか在宅医療事業では、障がい者の訪問件数を17万3000件(前期比12.8%増)、地方創生事業の受け入れ障がい者数を1456人(同26.4%増)、農園の総区画数を1819区画(同32.9%増)と見込み、売り上げ41億1100万円(前期比18.1%増)、営業利益2億5800万円(同24.2%増)、経常利益2億5600万円(同31.5%増)、純利益1億9200万円(同32.6%増)と大幅続伸を予想している。

■PER17倍の割安修正でまず最高値調整幅の半値戻しに再々チャレンジ

 株価は、公開価格456円を約96%上回る893円で初値をつけ上場来高値1008円まで買い進まれたが、IPOラッシュの影響で上場来安値481円まで売られ、下げ過ぎとして738円までリバウンドし、今期業績の大幅増益予想で730円と買われ、最高値から最安値までの調整幅のほぼ半値戻しを2回達成したものの、東証グロース市場指数の年初来安値更新とともに600円台固めを続けてきた。PERは17.3倍と東証グロース市場の全銘柄平均の52.1倍を大きく下回って割り負けており、押し目買いからまず半値戻しで738円高値奪回に再々チャレンジし、全値戻しも目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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