アイデミーは25年5月期小幅営業・経常増益予想、売上面は高成長を継続

(決算速報)
 アイデミー<5577>(東証グロース)は7月11日の取引時間終了後に24年5月期連結業績を発表した。24年5月期第3四半期より連結決算に移行したため、23年5月期単体業績との比較で見ると、計画を上回る大幅営業・経常増益で着地した。法人向け事業の成長が牽引した。25年5月期は先行投資等の影響で小幅営業・経常増益にとどまる見込みとしている。ただし売上面はM&A効果も寄与して高成長を継続する見込みだ。中長期的に同社を取り巻く事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は反発力が鈍くモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■24年5月期大幅営業・経常増益、25年5月期小幅営業・経常増益予想

 24年5月期の連結業績は、売上高が21億19百万円、営業利益が2億94百万円、経常利益が2億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が2億15百万円、EBITDA(営業利益+償却費+のれん償却費+株式関連取得費用)が3億28百万円だった。

 24年5月期第3四半期から連結決算に移行(ファクトリアルを子会社化してBSを第3四半期から、PLを第4四半期から連結開始)したため、23年5月期単体業績との比較で見ると売上高は27.2%増収、営業利益は23.6%増益、経常利益は20.8%増益、親会社株主帰属当期純利益は前期の法人税等調整額計上の反動により25.9%減益、EBITDAは19.4%増益だった。大幅営業・経常増益だった。また計画(売上高21億50百万円、営業利益2億78百万円、経常利益2億51百万円、親会社株主帰属当期純利益1億80百万円)との比較で見えると、各利益は計画を上回る水準で着地した。

 サービス別売上高は、法人向けのAI/DXプロダクト事業が10.6%増の12億83百万円、AI/DXソリューション事業が142.4%増の5億43百万円、個人向けのAI/DXリスキリング事業が3.9%増の2億92百万円だった。期末時点の長期継続顧客数(12ヶ月以上の契約顧客数)は前期末比26社増加の144社となった。AI/DXプロダクト事業は法人との取引機会創出により高成長を継続した。AI/DXソリューション事業はデジタル変革伴走型支援ニーズの高まりによって案件単価が向上し、収益性も向上した。個人向けのAI/DXリスキリング事業は競合他社の参入があるものの、需要が堅調に推移した。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が4億72百万円で営業利益が60百万円、第2四半期は売上高が5億85百万円で営業利益が1億37百万円、第3四半期は売上高が5億31百万円で営業利益が64百万円、第4四半期は売上高が5億31百万円で営業利益が33百万円だった。なお売上高に関する季節要因として第3四半期(12月~2月)の構成比が低い傾向があり、営業利益に関しては成長段階のため人材・開発・広告宣伝投資によって四半期ごとに変動する可能性がある。

 25年5月期の連結業績予想は売上高が24年5月期比27.4%増の27億円、営業利益が1.9%増の3億円、経常利益が2.3%増の2億97百万円、親会社株主帰属当期純利益が法人税等の増加で24.0%減の1億63百万円、EBITDAが23.8%増の4億06百万円としている。

 利益面は先行投資等の影響で小幅営業・経常増益にとどまる見込みとしている。ただし売上面はAI/DXソリューション事業の拡大が牽引し、さらにM&A効果(前期第4四半期からPLを連結したファクトリアルの通期寄与、および24年6月に子会社化したまぼろしの新規連結)も寄与して高成長を継続する見込みだ。基本方針として、M&Aも積極活用しながらAI/DXソリューション事業を中心に売上高拡大を優先するとともに、中期成長を支える組織体制の強化および技術投資を継続する。

 なお四半期別に見ると、第1四半期はまぼろしの株式取得費用28百万円、人材採用費用32百万円、大規模マーケティング費用15百万円を計上するため営業損失だが、第2四半期以降に回復の見込みとしている。企業におけるAI/DX人材の不足により人材育成ニーズが一段と高まるなど、中長期的に同社を取り巻く事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は反発力が鈍くモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。7月11日の終値は1685円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円22銭で算出)は約41倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS294円21銭で算出)は約5.7倍、そして時価総額は約67億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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