クレスコ、26年3月期2桁増益予想で3Q累計順調、デジタルソリューション急伸とM&A効果寄与
- 2026/2/17 07:53
- アナリスト銘柄分析

クレスコ<4674>(東証プライム)は独立系システムインテグレータである。ビジネス系ソフトウェア開発や組込型ソフトウェア開発のITサービスを主力に、顧客のDXを実現するデジタルソリューションも強化している。26年3月期は2桁増益予想としている。受注が好調に推移し、人件費の増加などを吸収する見込みだ。第3四半期累計は2桁増益と順調だった。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は25年6月の高値を抜けずに反落したが、高配当利回りも評価材料であり、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。
■ITサービスを主力としてデジタルソリューションも強化
独立系のシステムインテグレータで、ビジネス系ソフトウェア開発や組込型ソフトウェア開発のITサービスを主力としている。さらに成長戦略として顧客のDXを実現するデジタルソリューションも強化している。
セグメント区分は、ITサービス(エンタープライズ、金融、製造の各分野のコンサルティング・開発・保守の総合サービス)と、デジタルソリューション(自社製品Creage、インテリジェントフォルダなど、顧客のDXを実現する製品・サービスからなるソリューション群)としている。
25年3月期のセグメント別業績はITサービス事業の売上高が540億82百万円で営業利益(全社費用等調整前)が76億77百万円(内訳はエンタープライズの売上高が220億50百万円で営業利益が24億98百万円、金融の売上高が171億65百万円で営業利益が23億92百万円、製造の売上高が148億66百万円で営業利益が27億86百万円)、デジタルソリューション事業の売上高が46億77百万円で営業利益が1億67百万円、営業利益調整額が▲18億60百万円だった。収益面では案件別の採算性が影響し、企業のIT投資関連のため年度末にあたる第4四半期の構成比が高くなる特性がある。
■M&A・子会社再編
M&A・アライアンスおよびグループ子会社再編では、23年2月に日本ソフトウェアデザイン(JSD)を子会社化、23年3月にフォーラムエンジニアリング<7088>およびインドのSRM Globalとの3社共同でフォーラムエンジニアリングのインド現地法人コフナビインディア社(22年10月設立)に出資、23年9月に飲食業界のDX推進支援の拡大に向けてベトナムのレストラン&リテールテックスタートアップ企業CAPICHI社と資本業務提携、23年12月にセキュアイノベーションと資本業務提携、24年4月にジェット・テクノロジーズを子会社化、24年6月に子会社クレスコ ワイヤレスの全株式を譲渡した。
24年7月には同社、連結子会社のJSDおよびメクゼスの3社の組織再編を実施した。メクゼスがJSDを吸収合併(合併後の商号はメクゼス)するとともに、同社がJSDの一部事業(JSDが名古屋営業所において営む事業の全て)を譲り受けた。24年10月にはクレスコ・ジェイキューブが高木システムを子会社化、25年4月にはクレスコ・ジェイキューブが高木システムを吸収合併、25年10月にはクレスコ北陸がエイプスを子会社化、クレスコ・ジェイキューブがアイエステクノポートを子会社化した。
■デジタルソリューションや自社オリジナル製品を拡大
オリジナル製品・サービスではIoTのKEYAKI、AIのMinervae、クラウドのCreageを3大ブランドと定義し、ソフトウェア開発・システム開発の需要喚起を推進している。
23年10月にはホテルの部屋割り業務最適化ツール「RooMagic」をリリース(JR九州ホテルズで導入)した。23年11月には歯のパノラマレントゲン画像から個々の歯を識別する情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムの特許を取得した。24年8月にはホテルの部屋割り業務最適化ツール「RooMagic」の新バージョンをリリース(横浜ベイシェラトンホテル&タワーズで導入)した。
■働き方改革や健康経営を推進
24年4月に発表した新中期経営計画2026(24年度~26年度)では、成長に向けた方向性として「IT・技術を通じて顧客の競争優位性を創出し、ともに社会を前進させるデジタル価値創造企業を目指す」を掲げた。目標値としては30年までに売上高1000億円企業を目指し、27年3月期売上高700億円、営業利益80億円、営業利益率11.5%、ROE15%を掲げた。配当性向は25年3月期より40%に引き上げる。またサステナビリティ経営関連の目標としては女性管理職比率13%、エンゲージメントスコア70などを掲げた。
重点戦略としては、共創型モデル確立、品質リーダーシップ発揮、人的資本経営推進、技術・デジタルソリューション拡張、事業連携促進、デジタル変革実現、グループ一体経営を掲げた。
事業別戦略としては、ITサービス事業のエンタープライズ分野ではワンストップサービスの提供拡大・効率化、主力業界の深耕、エンタープライズ領域のさらなる拡大、新しい価値のサービスの顧客との共創、金融分野ではバックエンド領域の拡大、データ連携・処理技術(ミドルウェア)の強化、共創をテーマとした業務推進、さらなるデータ利活用、業務知識の強化・法規制対応、製造分野ではインフォテインメント系の統合・充実、サイバーセキュリティ対応・セーフティな製品設計、モビリティ領域への集中、モビリティサービスの実装、顧客企業のITケイパビリティ強化、デジタルソリューション事業ではクラウド・オートメーション領域の継続的なアップデートへの取り組み、プリセールス・カスタマーサクセスの強化、経営課題の解決に寄与するソリューションの拡充、クレスコブランドのデジタルソリューション開発・実装、ブランド力向上による業界内の地位確立を推進する。24年7月にはグループ内AI技術活用等に取り組む仮想組織「生成AIビジネス変革研究室」を設立、25年7月には新たな開発拠点「Teq-C」を開設した。
25年5月には子会社アイオスが三菱UFJ信託銀行と、システム開発とそれに付帯関連するIT技術者の長期的・安定的な確保を目的として、10年間のパートナーシップ基本合意書を締結した。25年8月には子会社クレスコ・イー・ソリューションが、セゾンテクノロジーによるERPモダン化共同推進に技術パートナーとして参画した。25年11月には「AI駆動開発コンソーシアム」に賛同企業として参画した。
健康経営・社会貢献関連では、25年3月にスポーツ庁が認定する「スポーツエールカンパニー2025」に認定(3年連続)された。また経済産業省と日本健康会議が選定する健康経営優良法人認定制度に基づく健康経営優良法人2025(ホワイト500)に認定された。健康経営優良法人は19年から6年連続、ホワイト500は2年連続となる。25年9月には大学生や専門学校生向けIT体験イベント「Sapporo IT CAMP 2025」にサポート企業として参画した。25年10月には厚生労働省が定める「女性の職業生活における活躍状況が優良な企業」として最高位である「えるぼし認定」の三ツ星を取得した。
なお26年1月には同社のIRサイトが昨年度に続き、主要IRサイト評価機関3社(日興アイ・アール、ブロードバンドセキュリティ、大和インベスター・リレーションズ)から優秀なIRサイトとして表彰された。
■26年3月期2桁増益予想で3Q累計順調
26年3月期の連結業績予想は売上高が前期比8.9%増の640億円、営業利益が17.0%増の70億円、経常利益が13.5%増の71億40百万円、親会社株主帰属当期純利益が11.2%増の49億円としている。
第3四半期累計は売上高が前年同期比9.5%増の472億02百万円、営業利益が11.2%増の46億18百万円、経常利益が10.6%増の48億97百万円、親会社株主帰属四半期純利益が22.4%増の35億83百万円だった。
増収・2桁増益と順調だった。ITサービス事業おいて一部案件の計画中止・延期や不採算プロジェクト発生の影響があったものの、全体として受注が高水準に推移し、ITサービス事業における前期の不採算プロジェクトの影響一巡、デジタルソリューション事業におけるM&A効果なども寄与した。なお特別利益で投資有価証券売却益が4億09百万円増加(前年同期は57百万円、当期は4億66百万円)した。
ITサービス事業は売上高が0.9%増の404億30百万円、営業利益(全社費用等調整前)が1.8%増の56億11百万円だった。
内訳として、エンタープライズは売上高が7.3%増の173億57百万円、営業利益が29.7%増の22億36百万円だった。増収・大幅増益だった。主として情報・通信・広告分野においてアプリケーション開発支援業務が増加したほか、前年同期に人材紹介・人材派遣分野で発生していた不採算プロジェクトが収束したことも寄与した。
金融は売上高が0.1%減の128億05百万円、営業利益が10.0%減の17億32百万円だった。売上高が横ばいにとどまり、営業減益だった。一部案件の延期などで銀行・保険分野の受注が伸び悩んだことに加え、その他分野の子会社における不採算プロジェクト発生も影響した。なお延期となった案件については下期に立ち上がっている。
製造は売上高が7.3%減の102億67百万円、営業利益が11.6%減の18億15百万円だった。減収減益だった。機械・エレクトロニクス分野におけるメーカーの製品開発プロジェクト中止・延期の影響を受けた。
デジタルソリューション事業(ライセンス販売など)は売上高が122.4%増の67億72百万円、営業利益が394.0%増の6億63百万円だった。製品・ライセンスの販売および導入支援が大幅に増加したほか、M&A効果(高木システム、エイプス、アイエステクノポート)も寄与した。
全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が150億80百万円で営業利益が10億14百万円、第2四半期は売上高が158億72百万円で営業利益が17億06百万円、第3四半期は売上高が162億50百万円で営業利益が18億98百万円だった。
通期の連結業績予想は期初計画を据え置いて2桁増益予想としている。受注が好調に推移し、人件費増加などを吸収する見込みだ。第3四半期累計の進捗率は売上高が74%、営業利益が66%、経常利益が69%、親会社株主帰属当期純利益が73%と概ね順調である。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株主還元は配当性向50%目処で26年3月期大幅増配予想
株主還元については25年5月9日付で配当方針の変更を発表し、26年3月期より配当性向の目処を従来の40%から50%へ引き上げるとともに、中間配当を実施することとした。これに伴って26年3月期の配当予想は、前期比16円増配の58円(第2四半期末29円、期末29円)としている。連続大幅増配で予想配当性向は47.8%となる。
■株価は調整一巡
株価は25年6月の高値を抜けずに反落したが、高配当利回りも評価材料であり、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。2月16日の終値は1562円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS121円29銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の58円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS747円27銭で算出)は約2.1倍、そして時価総額は約656億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)





















