記録破りは天井の気配=犬丸正寛の相場格言

【先人の教えを格言で解説!】
(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります

■記録破りは天井の気配
――記録更新ラッシュは、相場が天井に近いサイン

出来高や売買代金が急増し、新高値銘柄数、外国人投資家の買い、信用買残、新規上場数、企業の増資額などが次々と過去最高を更新する局面は、一見すると活況に見える。しかし、こうした「記録更新」が同時多発的に現れ始めたとき、相場はすでに8合目、9合目に差し掛かっており、ピークが近い可能性が高い。

相場が底値圏に近づく場面でも、悪い意味での記録的数値は出てくる。ただし、底値圏では多くの投資家が市場から距離を置き、売買そのものが減るため、買いで失敗するリスクは限定的だ。問題は、上昇相場が続き、強気が常識となった局面にある。

上昇相場では、「買っていれば大丈夫」という安心感が市場を覆う。さらに、投資家の見通しが現実的な範囲を超え、楽観一色になったとき、相場は最も危険な状態に入る。数字の裏付けがあっても、心理が先走った局面では天井が近い。

1980年代後半、資産価格が全面高となり、日経平均は1989年末に3万8915円の高値を付けた。その直前、市場では「5万円は通過点」「10万円もあり得る」といった声が広がり、慎重だった投資家までが強気に転じていた。人々の見方が一方向に傾いたとき、相場は天井を打った。

当時、北浜の相場師として知られた畠中平八氏は「天まで届く相場はない」と警告していた。2005年秋に東証の出来高が過去最高を記録した局面でも、その後しばらく株価は上昇したが、外国人投資家の買いは次第に後退し、翌年初の相場波乱につながった。

この考え方は、投資だけでなく企業経営にも通じる。数字に基づく判断を重視していても、「ブーム」という空気が広がると、冷静さは揺らぎやすい。かつての土地バブルでは、多くの経営者が世の流れに押され、過剰な投資へと向かった。

一方、淀川製鋼はブームに乗らず、不況期に設備投資や広告投資を行う姿勢を貫いていた。不況時はコストを抑えて投資できるという考え方を徹底しており、相場や景気の循環を踏まえた冷静な判断の重要性を示している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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