【どう見るこの相場】日経平均5万8000円台も材料出尽くしは少数派、未知数だらけの高市相場に第3の選択肢
- 2026/2/16 08:58
- どう見るこの相場

■「音楽が鳴っている限り踊る」か「笛吹けど踊らず」か、高市トレードで問われるベテラン投資家の知恵
相場格言には、「知ったらしまい」とする教えがある。株価は、意表を衝いて上げ下げする習性があり、売り買いするカタリスト(株価材料)やバックグランドが曖昧模糊として未知数のうちだからこそ急騰もすれば急落もするとするアノマリーである。しかし未知数が既知数に変わった途端に値動きは止まり、そこから往って来いの急落に見舞われもするし、売り方の買い戻しを誘発し急反発することにもなる。いわゆる材料出尽くしであり、「正体見たり枯れ尾花」である。
2月8日に投開票された衆議院議員選挙で高市自民党が、単独で3分の2以上の議席を獲得して大勝して以来、株価急騰が著しい。日経平均株価は、アッという間に5万7000円を通り越して5万8000円台にタッチして史上最高値追いとなり、東証マザーズ市場の売買代金が10兆円を超すほどの空前の大商いを続けた。実はこの急騰には「知ったらしまい」のマーケット心理が逆に働いているフシが窺えてしょうがない。高市自民党が獲得した316議席が、「安倍一強政治」を上回ってどれほど政治パワーを発揮するのか未知数だからこそ、リスクオンの買い物を誘い込んでいるのではないかと推測されるのである。前週末13日に日経平均株価は、697円安と急続落したが、これで高市トレードが材料出尽くしなったとみる市場関係者は、少数派にとどまるようである。
■第2次高市内閣始動へ、政策順位も市場反応もなお未知数
マーケット自体も、これに煽られてマーケットそのもののエネルギーの熱量をつかみ兼ねているようで未知数である。「山より大きな猪は出ない」といわれるが、その山の大きさが未知数である。2月18日に召集される特別国会で成立する第2次高市早苗内閣の政策順位の方向性も未知数である。さらに遡れば現在、大手メディアが分析中の総選挙結果も、自民党の大勝と新党の中道改革連合の大敗の勝因、敗因もまだ未知数である。この選挙が、今後どのような国内政治状況を生み、どのように国際政治のパワーゲームに波及し揺り戻しがあるのかないのかも未知数だ。
ただその総選挙に関しては、やや気になることがあった。総選挙前の世論調査で、20歳代、30歳代は「高市早苗推し」、60歳代、70歳台では「アンチ高市早苗」の比率が高かったことで、選挙結果は、20歳代、30歳代の有権者の推し活通りとなった。これは、あるいは世代間の緊張や格差、あるいは分断を象徴したのかもしれないと思い当たるのである。中道改革連合の野田佳彦共同代表は、総選挙結果を受けた敗軍の将の記者会見で「何となく時代遅れ感が付きまとった」とコメントをしたが、すでに日本の人口の30%以上を占める60歳代、70歳代の高齢者は、「何となく時代遅れ感」を感じ取り、これから医療にしろ介護にしろ年金にしろ風当りが一段厳しくなる前触れと覚悟したかもしれず、だったとしたら由々しき一大事である。
■2286兆円の6割を握る高齢層、資金逆流なら相場転換点に
もしそうならマーケットも、影響を受けるに違いないのである。というのも日本の個人金融資産は、2286兆円に達するが、この6割強を保有するのが60歳代、70歳代の高齢者だからだ。今回の選挙結果にショックを受けた高齢投資家の金融行動に変化が生じはしないか見逃せなくなる。金融政策の正常化で銀行預金金利が引き上げられる金融情勢下、「貯蓄から投資」向かっていた待機資金が再び「投資から貯蓄」へ逆流するのかどうか、富裕層を中心に海外逃避を強めるのかどうかなどと悪い予感もしてくる。
「高市トレード」についても、「音楽が鳴っている限り踊り続けなければならない」とコミットするか、「笛吹けど踊らず」として距離を置くか選択を迫られることになるはずだ。イエスかノーかの二択問題だが、ただそこはベテラン投資家の知恵と経験と粘り腰である。イエスでもありノーでもある第3の選択肢が残っていることを忘れてはならない。「音楽が鳴っている限り」踊りまくるのではなく、歩みだけは止めないインカムゲイン狙いである。野田共同代表のコメントのように「何となく時代遅れ感」はつきまとうが、高配当銘柄の配当権利取りなら付かず離れずの投資スタンスとなるはずである。
■配当利回り4%超の2月期決算株と5%超の3月期決算株を狙え
そこで今週の当コラムでは、権利付き最終売買日まであと1週間と迫った2月期決算会社の高配当銘柄や配当利回りが5%以上となる3月期決算会社の高配当銘柄、さらに高配当利回りランキングの勝手リストの上位に顔を並べる証券株などを取り上げることにした。仮に高市トレードのスピード調整が続くようなら、より低株価で配当権利をゲットできることにもなり、タイミングを計るのも一法となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)






















