【業績でみる株価】クレスコの16年3月期は6期連続の2ケタ増益、今期も記録更新7期連続へ、増配方針だが上積みの公算大、株価2000円台の評価へ

業績でみる株価

 クレスコ<4674>(東1・100株)は、9日午後、2016年3月期決算を発表。6期連続となる2ケタ増益を達成、配当を中間23円、期末27円の合計年50円(前期は年38円)へ大幅増配した。さらに、17年3月期は2ケタ連続増益記録を7期間に伸ばす。2円増配の年52円へ増配見通しだが、配当性向の低いことから期末配当で上積み増配の可能性がありそうだ。9日の終値は13円高の1789円だが、「7期連続の2ケタ増益」を評価して年初来高値(1900円=2月1日)更新から2000円台乗せが見込めそうだ。

 主力の『ソフトウエア開発事業』が銀行及び保険業の案件が増加、公共サービス分野、流通分野も好調で同事業は14.8%増収。『組込型ソフト事業』、『商品・製品販売のその他事業』も好調だった。この結果、16年3月期は14.8%増収、営業利益23.4%増益で表記の通り6期連続の2ケタ増益となった。営業利益率は8.6%(前期8.0%)に向上した。

 同社の根元浩幸社長は、「IT投資の領域では、『第3のプラットフォーム』(クラウド、モビリティ、ビッグデータ、ソーシャル技術)、『セキュリティ』(標的型攻撃の防御やマイナンバー対策)などへの関心が高まり、激動といえる時代。当社グループは幅広い事業領域を有していることから激動はむしろ優位性を発揮できるチャンスと捉えている」という。

 17年3月期は売上8.1%増の311億円、営業利益10.7%増の27億5000万円、EPS177.0円(前期152.2円)の見通しで営業利益は7期連続の2ケタ増益となる。

 2円増配の年52円(中間・期末とも26円)の予定だが、年52円配当に対する配当性向が29.4%(前期32.8%)と低下することから2ケタ増益を考えれば期末配当を28円として年54円配当とする可能性がありそうだ。

 株価は年初来高値が2月1日の1900円、同安値は1547円(2月12日)で高値と安値の中間値は1843円。足元ではほぼ中間値近辺でモミ合う位置にある。7期連続2ケタ増益、上積み増配期待、PER10倍前後などを考え合わせると2000円台に買われるものとみられる。

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