【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ティムコはレンジ下限から反発、収益改善基調を評価して出直り

銘柄分析

 フィッシング用品やアウトドア用品のティムコ<7501>(JQS)の株価は、14年9月高値600円から反落して調整局面だったが、12月17日の直近安値545円から下値切り上げの動きを強めている。ボックスレンジ下限から反発して強基調に転換したようだ。収益改善基調を評価して出直り展開だろう。0.2倍近辺の低PBRも評価材料だ。

 フィッシング用品やアウトドア用品の企画・開発・販売を展開し、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化や、直営店舗「フォックスファイヤーストア」の収益力向上に取り組んでいる。20年東京夏季五輪開催に向けて登山・アウトドア・スポーツ関連の需要盛り上がりが追い風だ。

 1月16日に発表した前期(14年11月期)の業績(非連結)(1月15日に売上高を増額、利益を減額修正)は、売上高が前々期比2.6%増の29億30百万円、営業利益が25百万円(前々期は11百万円の赤字)、経常利益が36百万円(同2百万円の赤字)、純利益が8百万円(同16百万円の赤字)だった。配当予想は前々期と同額の年間12円(期末一括)とした。

 円安による仕入原価の上昇、一部在庫品の値下げ販売の影響などで利益は計画を下回ったが、販促強化などの効果で計画を上回る増収となり、営業損益が改善して黒字化した。差引売上総利益率は45.6%で同0.9ポイント低下したが、売上高販管費比率は44.7%で同2.3ポイント低下した。

 セグメント別売上高はフィッシング事業が同0.2%減の9億73百万円、アウトドア事業が同3.7%増の19億38百万円、その他が同42.6%増の19百万円だった。フィッシング事業は天候不順も影響して苦戦したが、アウトドア事業では、防寒・防水機能を特長とする衣料・アクセサリーが堅調に推移し、防虫機能を備えた「スコーロン」製品も注目されたようだ。

 今期(15年11月期)の業績(非連結)見通し(1月16日公表)は、売上高が前期比2.4%増の30億円、営業利益が同2.8倍の70百万円、経常利益が同2.0倍の73百万円、純利益が同4.9倍の40百万円、配当予想が前期と同額の年間12円(期末一括)としている。

 規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化などで、着実な収益の向上に努める方針としている。収益は改善基調だろう。

 株価の動きを見ると、14年9月高値600円から反落して調整局面だったが、12月17日の直近安値545円から反発して下値切り上げの動きを強めている。540円~600円近辺のボックスレンジ下限に到達して調整が一巡したようだ。

 1月29の終値558円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS14円19銭で算出)は39倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.2%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS2350円51銭で算出)は0.2倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートして下値を切り上げている。また週足チャートで見ると13週移動平均線を突破し、さらに26週移動平均線突破の動きを強めている。ボックスレンジ下限から反発して強基調に転換したようだ。収益改善基調を評価して出直り展開だろう。0.2倍近辺の低PBRも評価材料だ。

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