【新規上場(IPO)銘柄】AOI TYO Holdingsは、株主資本コストを上回る収益率期待のプロジェクトに積極投資を計画

株式市場 IPO 鐘

 AOI TYO Holdings<3975>(東1)は、株式会社AOI Pro.と株式会社ティー・ワイ・オーが、1月4日に株式移転により共同持株会社である「AOI TYO Holdings株式会社」を設立。同日付で東京証券取引所市場第一部に株式を上場した。共同持株会社体制により、両社共通の経営戦略の下、共同持株会社が成長分野に両社の経営資源を効率的に配分することができるようになるため、経営の機動性・効率性が増すとともに、これまで以上に前向きなリスクテイクが可能になり、業界の変化への適応力が高まるほか、VRやAR等、新たな映像制作技術の開発力は、両社の経営資源を結集することで、格段にアップする等、更に先進的なビジネスモデルの構築において、より強い競争力を得る事につながると考えている。

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 AOI TYOグループはこれまで手掛けてきた広告映像制作分野において技術、経験だけでなく規模の上でも圧倒的な強みを持っている。この強みを軸に、体験を通して人々の心を動かしアクションにつなげる「感動創出」を私共の事業ドメインと定めている。今回策定した戦略「VISION 2021」では体験設計事業を新たな柱とし、体験ストーリー設計、コンテンツ制作、データの可視化と分析を組み合わせたソリューション提供型のビジネスを目指すほか、広告映像制作の基盤強化や海外への投資も積極的に推し進め、長年の広告映像制作で培ってきたクリエイティビティを最新の技術や多様なデータと融合させることで、世界中に新たな感動を創出していく。

 今2017年12月期業績予想については、2月14日に公表する予定だが、同社は株主価値の最大化のために、資本効率(ROE)の改善と株主還元(配当性向) の向上に努める。資本効率(ROE)の改善のためには、今回策定した事業ドメインにおいて、株主資本コストを上回る収益率が期待できるプロジェクトに積極投資する計画。 成長戦略投資によるのれん等の償却費の影響を勘案し、実質的利益水準(EBITDA)の 最大化を図る。 2021年12月期EBITDA80億円+α(+αは今後のM&A等で上乗せを図るもの)、ROE12%超を目標に掲げている。

 株主還元については、連結配当性向30%以上を基本方針とし、実質的利益水準 (EBITDA)の向上に伴う配当の増額を目指すほか、継続的かつ安定的な配当を行う観点から、配当性向とROEを掛け合わせた数値でもあるDOE(純資産配当率)を配当指標のひとつとして採用し、2021年12月期にDOE4%を目処としている。

 株価は、1月4日に高値889円と買われた後、同13日安値842円と下げてモミ合っている。同社は株主資本コストを上まわる収益率が期待できるプロジェクトに積極投資する計画で株主還元に対しては配当性向30%以上を基本方針としており、中長期的な視点で注目できる。足元では、860円割れで下値を固めつつあり、2月14日に予定される12月期本決算発表時における今17年12月期業績見通しの公表を前に下押す場面があれば、買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

 

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