【業績でみる株価】扶桑化学工業は17年3月期業績予想と配当予想を2回目の増額修正

 食品用果実酸類や半導体ウェーハ研磨材原料を展開する扶桑化学工業<4368>(東1)は2日、335円高(13.31%高)の2874円まで上げて続急伸し高値を更新している。2月1日発表した17年3月期第3四半期累計連結業績が大幅増益となり、通期の業績予想と配当予想を増額修正した。いずれも今期2回目の増額修正である。株価は16年11月の上場来高値から一旦反落したが、増額修正を好感して上値を試す展開が期待される。

 17年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.0%増の267億75百万円、営業利益が同33.6%増の73億57百万円、経常利益が同35.4%増の75億88百万円、純利益が同36.8%増の52億円だった。売上面では円高による海外子会社の円換算影響、利益面では大規模設備工事による生産停止が影響したが、果実酸の原材料価格の下落、半導体プロセス微細化に伴う超高純度コロイダルシリカの需要拡大、ナノパウダーなど半導体研磨分野以外の製品の好調などで大幅増益だった。

 通期連結業績予想は、前回予想(11月1日に利益を増額修正)に対して、売上高を8億円増額して前期比の356億円、営業利益を10億円増額して同%増の94億円、経常利益を12億円増額して同%増の95億円、純利益を8億円増額して同%増の65億円とした。果実酸類、超高純度コロイダルシリカ、ナノパウダーなどが引き続き好調に推移する見込みだ。

 配当予想は前回予想(9月12日に増額修正)に対して、期末に普通配当2円および創立60周年記念配当5円の合計7円を増額し、年間43円(第2四半期末18円、期末25円=普通配当20円+記念配当5円)とした。前期との比較では8円増配となる。

 株価は16年11月の上場来高値2748円から一旦反落したが、大きく下押す動きは見られず、2400円~2600円近辺で堅調に推移し、2日は335円高(13.31%高)の2874円まで上げて続急伸し高値を更新している。増額修正を好感して上値を試す展開が期待される。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京・愛知・兵庫で屋外広告も掲出、号外や無料バッティング企画も実施  Major League …
  2. ■新生児対象の臨床試験で抗炎症作用と菌叢改善を実証  森永乳業<2264>(東証プライム)は7月2…
  3. ■「日本栄養・食糧学会大会」で研究成果発表、科学的根拠を提示  味の素<2802>(東証プライム)…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  2. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…
  3. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  4. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  5. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  6. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る