ソーバルは新規顧客の開拓が進み、今期18年2月期売上高は過去最高を更新する見込み

■新規取引先の中でも、日立グループの売上高が最も大きく、数年後には大口の取引先に

 独立系システム開発のソーバル<2186>(JQS)は、新規顧客の開拓が進み、今期18年2月期売上高は過去最高を更新する見込み。

 17年2月期の売上構成比は、キャノングループ52.2%(16年2月期58.4%)、ソニーグループ12.7%(同10.8%)、富士通グループ8.5%(同9.8%)、NTTグループ2.8%(同3.1%)、その他23.8%(同17.9%)であった。

 ソニーグループとその他の比率がアップしている。中でも新規の売上が含まれているその他は5.9ポイント上昇した。その結果、新規取引先全体の売上高は3億42百万円となった。新規取引先の中でも、日立グループの売上高が最も大きく、今後、自動運転技術を中心に自動車関連案件の展開を加速する計画で、数年後には、大口の取引先に成長すると見ている。

 ちなみに、総取引先の社数は、15年119社、16年152社、17年159社と年々増加している。

 18年2月期連結業績予想は、売上高81億20百万円(前期比2.6%増)、営業利益5億70百万円(同15.5%増)、経常利益5億69百万円(同13.8%増)、純利益3億81百万円(同9.6%増)を見込む。

 今期は、売上高の安定性確保と拡大、利益水準の向上を目標としている。

 売上に関しては、主要顧客との取引ボリュームを維持し、拡大余地のある既存顧客からの受注獲得に努める。また、新規分野の顧客獲得を優先し、継続して顧客層の拡大に努めるとしている。

 利益水準の向上については、効率的な人材配置により、人材配置転換コストを削減すると共に、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーの育成により、プロジェクト管理の徹底に努め、不採算プロジェクトの発生を防ぐとしている。ちなみに、今期は新卒者を49名採用している。

 配当に関しては、45円と3円の増配を予想している。株主優待は、1単元以上5単元未満の株主に対しては500円相当のクオカードを、5単元以上の株主には2000円相当のクオカードを贈呈する。

 トピックスとしては、日立グループとの取引強化、大手ITサービス企業との協業強化、IоT分野への本格参入を挙げている。

 日立グループとの取引強化に関しては、先述しているように、自動運転技術を中心に自動車関連案件の展開を加速し、幅広い技術習得を通じて技術力の底上げ、ノウハウの蓄積を実現する計画。自動運転技術に関しては、同社との親和性が高く、順調に拡大するものと期待されている。

 大手ITサービス企業との協業強化については、国内大手ベンダーの営業力と同社のブリッジSEによる提案・調整力を融合し、受託案件の発掘と獲得を強化する。一方で、開発プロセスの改善、各種開発・監理のツール活用による採算性の向上を目指す。

 IоT分野への本格参入は、4月1日にユビキタス社からIоTプラットフォーム関連事業を譲受している。ユビキタス社とは事業譲受後もIoT事業分野で提携し、ユビキタス社の組込み製品、事業譲受したIoTプラットフォーム、さらに同社のソフトウェア開発技術はもとより、今後注力していくAIやクラウドとの連携により、新たなソリューションとして提供していく予定。

 独立系のシステム開発企業として、大口取引先との関係を深める一方で、新規顧客開拓にも注力し、着実に取引社数を伸ばしている。背景には、同社の技術力とノウハウの蓄積があることから、今後の事業展望も明るいといえる。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る