ピックルスコーポレーションの今期18年2月期業績予想は、増収大幅増益で過去最高益更新を見込む

■一株当たり純利益は前期の105円63銭から164円95銭へ

 漬物業界のリーディングカンパニーであるピックルスコーポレーション<2925>(東2)の今期18年2月期業績予想は、増収大幅増益で過去最高益更新を見込む。

 同社は、昨年12月20日に東証2部へ市場変更となった。また、同時に公募及び第三者割り当てにより自己株式80万5000株を処分し、約10億5000万円を調達している。今後、九州工場の設立、既存工場の設備に投資する予定で、全国展開の基盤を着実に固めつつある。

 今期18年2月期連結業績予想は、売上高372億32百万円(前期比4.0%増)、営業利益13億81百万円(同77.0%増)、経常利益14億51百万円(同67.2%増)、純利益9億63百万円(同75.7%増)を見込む。

 最終利益が大幅増益となることから、一株当たり純利益は前期の105円63銭から164円95銭を見込む。配当については、前期と同じく22円としている。

 今期の品目別予想売上高は、浅漬け・キムチ160億47百万円(同7.0%増)、惣菜63億40百万円(同10.2%増)、ふる漬9億98百万円(同7.9%増)と増収を見込む。一方の他社から仕入れて販売する商品の売上高は、不採算品の販売を見直すことから138億46百万円(同1.9%減)と減収を見込む。

 販管費は、71億65百万円(同1.8%増)となるが、販管費率は19.3%と前期より0.3ポイント改善する。

 営業利益率は3.7%と前期より1.5ポイント改善する。

 今期の設備投資は、18億53百万円を見込む。投資対象は、佐賀県三養基郡みやき町に建設する九州工場で、投資金額は8億50百万円を予定している。また、既存工場の増築も計画している。

 同社が属する漬物業界の市場規模は、年々縮小傾向にある。以前は6000億円の市場規模といわれ、約2000社あったが、現在の市場規模は約3200億円で、企業数も半減し、900社弱となっている。そのような状況の中で、同社は年々売上を拡大し、シェア11.2%と業界のトップを走っている。今後も営業エリアを拡大し、シェア15%を目指すとしている。

 一方の総菜の市場規模は1兆円市場と漬物の市場規模の約3倍もあり、今後も成長すると見ている。同社は、惣菜業界の中では、売上規模では国内4位。今期の売上計画は63億40百万円を見込む。
 同社の惣菜製品は、ナムルセット、エビとブロッコリーのアヒージョ、メンマと豆もやしの黒こしょう和え、キムチ鍋、味玉チャーシューメンマ、棒棒鶏サラダなどがある。今期の計画としては、既存製品の継続的な改善、惣菜製品ライナップの強化、季節に合わせた提案を実施することで売上の拡大を計画している。

 また、当社グループの事業領域の拡大のため、16年3月に牛角ブランドを使用したキムチ等のチルド製品や、焼肉のたれ等のドライ製品等を展開しているフードレーベルホールディングスの全株式を取得し、その子会社であるフードレーベル、フードレーベルセールス及び東都食品を子会社とした。その後、16年12月に、経営効率及び管理体制強化のため、フードレーベルがフードレーベルホールディングスを吸収合併した。
 今期のフードレーベルの売上高は43億61百万円、営業利益1億55百万円を見込む。19年2月期は46億78百万円、2億16百万円、20年2月期は48億円、2億35百万円を計画している。

 中期経営目標として、20年の連結業績予想は、売上高406億60百万円、営業利益15億04百万円、経常利益15億64百万円、純利益10億39百万円を計画している。
 ちなみに、対18年2月期比では、売上高9.2%増、営業利益3.7%増、経常利益7.8%増、純利益7.9%増となる。

 中期経営目標を達成するための具体策として、販売先拡大、販売エリア拡大、取扱製品拡大を目指すとしている。

 販売先としては、これまでのコンビニ、量販店の漬物売場、外食産業に注力するとともに、量販店の惣菜売場、ドラッグストア等への販売も強化する方針。

 販売エリアは、北海道地区、東北地区、関東地区、中部地区での販売力に比較して関西地区、中国地区、四国地区、九州地区の販売力は弱いことから、関西地区以西の販売強化に努める計画。

 取扱製品も従来の浅漬け、キムチ、古漬けのラインナップと比較して、惣菜、その他の製品のラインナップが十分といえないことから取扱製品の拡大を進める予定。

 なお、設備投資計画として、今後3年間で40億48百万円を計画している。

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