クリナップは下値切り上げて戻り歩調、18年3月期2桁営業増益予想で低PBRも見直し

日インタビュ新聞ロゴ

 クリナップ<7955>(東1)はシステムキッチン大手でシステムバスルームも展開し、中期経営計画では「ザ・キッチンカンパニー」を目指している。18年3月期は原価低減効果も寄与して2桁営業増益予想である。株価は下値を切り上げて戻り歩調だ。低PBRも見直して上値を試す展開が期待される。

■システムキッチンの大手でシステムバスルームも展開

 システムキッチンの大手である。厨房部門(システムキッチン)を主力として、浴槽・洗面部門(システムバスルーム・洗面化粧台)も展開している。

 中期経営計画では「ザ・キッチンカンパニー」の確立を目指し、重点施策として中高級品の販売強化、リフォーム市場で競争優位となる商品の開発、ショールームを核とした販売戦略の推進、サプライチェーン全体での原価低減活動の強化、設備投資およびコストの最適化などを推進している。

■18年3月期も2桁営業増益予想

 今期(18年3月期)の連結業績予想(5月9日公表)は売上高が前期(17年3月期)比2.1%増の1160億円、営業利益が同15.6%増の23億円、経常利益が同17.0%増の21億円、純利益が同0.8%増の13億50百万円としている。配当予想は前期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。予想配当性向は54.2%となる。

 部門別売上高の計画は、厨房部門が同1.7%増の908億46百万円、浴槽・洗面部門が同3.5%増の179億76百万円、その他が同3.1%増の65億43百万円としている。原価低減効果や業務効率化も寄与して2桁営業増益予想である。

■株価は下値切り上げて戻り歩調、低PBRも見直し

 株価の動きを見ると4月の年初来安値780円から、5月安値798円、6月安値814円と下値を切り上げて戻り歩調だ。

 7月7日の終値878円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS36円89銭で算出)は23~24倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.3%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1437円82銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約329億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を突破した。そして13週移動平均線が上向きに転じた。基調転換を確認した形だ。0.6倍近辺の低PBRも見直して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る